チャイナマンスリーレポート

1月号

2005年1月19日 内藤証券中国部

上海B株

80ポイント割れ

上海B株指数は、前半は堅調な動きが続き、9日に月間最高値83.01ポイント(終値ベース)を付けた。その後、下落トレンドに転じ、反発がないまま、21日には月間最安値78.83ポイントを付けた。22日に出来高を伴い2.24%高と急伸したが、勢いは続かなかった。出来高の縮小とともに、79-80ポイントでの膠着状態となり、29日は79.38ポイントで引けている。

一般投資家の利益保護に関する規定が公布された

7日、中国証券監督管理委員会(CSRC)は、「関于加強社会公衆股股東権益保護的若干規定」(社会公衆株株主の権利と利益の保護を強化することに関する若干の規定)を公布した。上場企業の重大事項について、一般株主の議決権が強化されたほか、上場企業に対して積極的な配当政策を促進する方針を明らかにしており、一般投資家の利益保護が強化された。

IPOの再開懸念

13日、CSRCは「関于首次公開発行股票試行詢価制度若干問題的通知」(IPOのブックビルディング制度の導入についての若干の問題に関する通知)を公布、IPO価格の決定において、ブックビルディング方式の採用が義務付けられることになった。実施は2005年1月1日。新規IPOは8月末から一時的に停止されていた。

非流通株の全流通懸念台頭

16日、上海証券取引所、深セン証券取引所、中国証券登記結算公司は連名で、「上市公司非流通股股フン転譲業務弁理規則」(上場企業の非流通株の譲渡についての手続き規則)を公布した。2005年1月1日から実施される。非流通株の譲渡はすべて取引所で手続きされると特に明記されており、長期的に非流通株は全流通に向かうのではないかとの憶測が広がった。

業績回復期待銘柄が上昇

11月30日~12月29日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、2004年12月期について黒字計上の見通しを発表した黄山旅行開発(900942、+4.0%)、海南航空(900945、+3.5%)、また、2004年12月期は赤字計上が避けられる見通しとなったST済南軽騎モーターサイクル(900946、+2.7%)などが上昇した。一方、1-9月期減益となった上海海欣集団(900917、▲13.3%)、上海鳳凰自転車(900916、▲10.9%)、上海陽晨投資(900935、▲10.9%)などが大きく下落した。上海B株指数は3.7%の下落。

強気に据え置く

レーティングは強気に据え置く。海外では人民元切り上げ期待が高まっている。中国政府は否定しているものの、国内投資家の間でも、ドル資産を持つことへの不安は高まっている。ただし、年初に入り、期待は薄らいでいる。この問題が解決する前後が最大の買い場になると予想。(田代、姜)

深センB株

下落

前半は堅調な動きが続き、9日には月間最高値240.66ポイントを付けた。その後弱含み、16日に2.16%と急落、20日には月間最安値230.67ポイントを付けた。29日は233.28ポイントで引けている。

優良銘柄は堅調なものの、ST銘柄の一部急落

11月30日~12月29日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、筆頭株主である建設工業(集団)が保有する国有法人株をすべて中国兵器装備集団に売却すると発表し、経営再建期待が広がったST重慶建設摩托車(200054、+16.7%)、業績好調見通しから無錫威孚高科技(200581 、+4.8%)、万科企業(200002、+4.7%)などが上昇した。一方、リストラに失敗、3年連続の赤字計上となる見通しを発表、「上場一時停止」になると見込まれている*ST深セン大洋海運(200057、▲51.4%)。訴訟情報を開示したST深セン中国自転車(200017、▲26.6%)、2004年12月期赤字見通しを発表したST深セン華発電子(200020、▲25.0%)などが下落した。深センB株指数は2.3%の下落。

強気に据え置く

レーティングは強気に据え置く。 (田代、姜)

H株

軟調

2日に月間最高値の4,959.77ポイントをつけた後急落、13日に月間最安値の4,679.34ポイントをつけて反発したものの、15日以降はほぼ横ばいで推移した。29日には4,787.42ポイントで引けている。

大型IPOの実施や大型増資のうわさから需給悪化懸念が広がる

月初めには人民元の切り上げ観測はやや後退した。また、前半は中興通訊(0763)、中国国際航空(0753)、後半は北青伝媒(1000)、彩虹集団電子(0438)など大型IPOが続いたため、株式需給は悪化した。原油先物価格が急ピッチで反落したことに伴い、中国石油天然気(0857)などの大型石油関連銘柄が不振。また、鞍鋼新軋鋼(0347)が親会社から資産を買収するための新株発行を実施するとの観測から、他の大型国有企業も同様なリストラを行うのではないかとの懸念が高まった。

業績見通しが重視され、不祥事のインパクトも大きい

11月30日~12月29日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、月後半に大口受注が明らかになった広州広船国際(0317)は27.87%高となった。親会社からの資産買収で経営資源が大幅に拡大し、料金引き上げも報じられた広深鉄路(0525)も月末に大きく買われて17.12%上昇。価格競争力の高いイ柴動力(2338)は業績見通しがよく、複数の米系投資銀行の買い推奨を受け、16.95%高となった。反面、巨額の売掛金が回収不能となりかねない南京熊猫(0553)は▲32.05%、粗利益率が低く、主力製品が過当競争状態にあることが嫌われた広東科龍電器(0921)は▲31.57%。そのほか、1-9月期決算で76%減益となった西安海天天線科技(8227)は12月もさえず、▲23.08%。H株指数は▲3.62%。

「中立」に据え置く

これから2004年の本決算発表が始まる。マクロコントロールや金融引締の効果が徐々に浸透しつつある。産業全体への影響のみならず、個別企業の業績に対する影響を見極めたい。続出している企業不祥事も気になる。(陳)

レッドチップ株

急落後回復

月間最高値は2日の1,578.03ポイント。その後4日続落するなどいったん急落した。10日に1,500.03ポイントの最安値を付けてあと反発。20日以降はやや弱含みで狭いレンジでのもみ合いとなった。

時価総額の大きい数銘柄が上昇し、指数全体を押し上げた

香港株式市場全体の地合いが悪く、前半は急落する場面もあった。ただ、優良株の一角が大きく買われたほか、資産リストラ関連株にも資金が集まり、時価総額の大きい銘柄を中心に8銘柄の上昇が指数全体を牽引する形となった。

資産リストラ銘柄に業績拡大の期待が

11月30日~12月29日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、赤字部門を売却して潤沢なキャッシュを確保した北京控股(0392)は23.94%高。手厚いキャッシュフローや明るい業績見通しが複数の外資系証券会社に評価された粤海投資(0270)も23.08%高。上海港への資本参加が決まりつつあると報じられた招商局国際(0144)も13.71%高と好調。一方、裁判所に清算申請を出された保興投資控股(0263)は▲25.70%となった。資産リストラの先行きが不透明となった華凌集団(0382)は▲25.32%、聯想集団が主要株主となっている神州数碼(0861)が▲15.63%など軟調な展開となった。レッドチップ指数は2.77%高。

「中立」に据え置く

ポジティブサプライズの可能性は少なくなっているようだ。ただ、一部の業績見通しのよい優良株に対する買いがさらに拡大する可能性は依然としてあると考えている。(陳)

その他香港株

高値を更新

ハンセン指数は7日まで堅調に推移したが、8日に大きく下落した。13日に月間最安値の1万3,886.16ポイントを記録した後急ピッチで反発し、月初めの高値水準に戻った。月間最高値は29日の1万4,266.38ポイント。

リンク・リートの訴訟問題を乗り越え、大型株が指数を押し上げた

不動産投信リンク・リートの訴訟問題が相場の足を引っ張り、ハンセン指数は12月7~13日の間に5日続落で370ポイント以上下落した。ただ、香港経済全体の先行きに対する見通しがよく、投資心理の悪化は見られず、出遅れ感のある移動通信、輸出、航空株の一角が大きく買われた。

資産リストラ銘柄が大きく上昇

11月30日~12月29日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、資産リストラに進展が見られた奥亮集団(0547) は、株価が低かったことに加え、日系資本の導入も報じられて89.47%高となった。1-9月決算で97.7%減益となったにもかかわらず、月末に突然大きく買われた金沢超分子(2362)は42.25%高。経営陣は「資産リストラをめぐる商談などはない」と発表している。資本参加の形でマカオに進出する可能性が報じられた香港華人(0655)も37.50%高。反面、GEM株が軟調。7-9月期決算で赤字が拡大した金鼎軟件(8190)は▲31.82%。9月中間決算で赤字幅の縮小が小さい長達科技(8026)は▲30.77%。事業規模が小さく、業績の先行きが不透明な衝浪平台軟件(8178)も▲21.54%。ハンセン指数は1.47%高。

「強気」維持

資金流入は米国の金利や為替相場の動向に影響されるが、香港の景気回復が堅調であり、株価を支える材料はある。地震で東南アジアが大きな被害を受け、旧正月に旅行を予定していた本土住民の中には旅先を香港に変える人も多いと見られる。ただし、東南アジアでの疫病、アジア一帯でのSARS、鳥インフルエンザなどの発生がリスクファクター。(陳)

各市場のレイティングと参考銘柄 1ヶ月の株価動向 株価指数の比較(対数) 株価指数の比較(対数化)

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