チャイナマンスリーレポート

2月号

2005年2月10日 内藤証券中国部

上海B株

下落

上海B株指数は、月初めに反発し、その後弱含んだが、24日に急騰、月間最高値78.91ポイントを付けた。しかしトレンド転換はならず、逆に急落、31日は月間最安値74.18ポイントで引けている。

A株市場では約5カ月ぶりにIPOが再開

中国証券監督管理委員会(CSRC)はA株のIPO再開を許可、再開第一号は香港H株の華電国際電力(1071.HK)となった。需給悪化により、IPOは昨年8月末から一時的に停止されていたが、これが約5カ月ぶりの再開となった。また、宝鋼の増資が認可され、今後大型増資も続々と出てくるのではないかといった懸念も強まった。

政府はA株の株価をH株の株価に鞘寄せしたいのか?

華電国際電力のIPO価格レンジは2.3-2.52元。PERは13.5-14.8倍(EPSは2003年期の純利益と今回発行後の総株数に基づく)。19日のH株終値は2.3HKドル、人民元に換算すると2.44元に相当し、ちょうどA株IPOレンジの中間値あたりにある。ブックビルディング方式においても、そのレンジ決定に際しては政府の意向が強く反映すると見られる。政府はA株、H株の株価差が生じないようにIPO価格を決めようとしていると市場関係者は理解し、電力株セクターの中でPERが割高の銘柄が急落したほか、ほかのセクターでもA、H株価差の大きい銘柄が売られた。

救済策で一旦反発したが、続かず

1月24日、財政部は中国本土の印紙税率を現行の0.2%から0.1%に引下げると発表、即日実施した。本土市場は長期間低迷しており、IPO再開後指数が下げ止まらない中、ついに市場救済策が打ち出されたと市場関係者は受け取った。しかし、反発は一時的、その後は大きく下げてしまった。

赤字業績見通しを発表した企業が売られた

12月31日~1月31日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、地場株の一部が急伸したことを受け、上海陸家嘴金融貿易区開発(900932、+7.3%)、上海海欣集団(900917、+6.5%)が上昇した。そのほか、2004年本決算が50%以上の増益となる見通しを発表した上海振華港口機械(900947、+6.2%)が上昇した。一方、元総経理の経済犯罪容疑に絡む損失が多額に上るため2004年本決算は赤字になる見通しを発表した上海開開実業(900943、▲36.9%)。2004年本決算が赤字になる見通しと発表した*ST上海聯華合成繊維(900913、▲18.2%)、2004年本決算が1億元以上の赤字になる見通しと発表した上海三毛企業(900922、▲17.2%)が下落した。上海B株指数は1.9%の下落。

「強気」に据え置く

具体的な政策によるサポートが始まっている。人民元切り上げ期待が根強い間は売り圧力が強いものの、半年以内にはトレンド転換すると予想、レーティングは強気に据え置く。(田代、姜)

深センB株

上昇

月間最安値は4日につけた222.52ポイント。24日は急騰、25日に月間最高値236.91ポイントを付けた。その後やや下落したが、上海B株に比べ、下落率は小さく、31日は231.33ポイントで引けている。

優良銘柄が堅調

12月31日~1月31日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、2004年本決算は前年比約250%の増益となる見通しを発表した中国国際コンテナ(200039、+25.2%)、新規上場したワイン大手メーカー王朝酒業(0828.HK)の急騰を受け、連れ高となった張裕葡萄酒(200869、+15.6%)、2004年本決算は前年比50~65%の増益となる見通しを発表した万科企業(200002、+13.1%)が上昇した。一方、資金繰りの悪化で原材料の購入が困難となり、生産の90%が停止状態に追い込まれた承徳帝賢針紡(200160、▲33.6%)、黒字見通しの発表で材料出尽しとなった方大集団(200055、▲25.2%)、2004年12月期本決算は赤字計上の見通しを発表した深セン特区不動産(200029、▲21.1%)が下落した。深センB株指数は5.3%の上昇。

「強気」に据え置く

人民元切り上げによる売り圧力がない分、上海B株より有利か。レーティングは強気に据え置く。(田代、姜)

H株

急落後に回復

1月3日に月間最高値4,763.47ポイントを付けた直後に急落、7日には月間最安値の4,513.03ポイントを付けた。その後は若干の調整があったものの回復に向い、月末には5日続伸、4,721.52ポイントまで回復。

ホットマネー流出懸念から主力株が軟調

月初めの急落は、ホットマネー流出懸念の高まりが要因。20~24日の調整は、米ドルの戻り高や、原油先物価格の上昇が要因。月末にかけての急伸は、旧正月では消費が大幅に拡大するのではないかといった期待感が広がり、運輸、通信関連銘柄などに買いが集まったことが要因である。

業績見通しの良さで一部銘柄が指数を支える

2004年12月31日~2005年1月31日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、昨年年末ごろに大口受注を受けた広州広船国際(0317)は資産リストラや親会社からの資産注入などの可能性も報じられ、32.91%上昇した。旧正月を控えて通行量の大幅な上昇や、親会社からの資産買収で収益源の拡大が期待された四川高速道路(0107)は下旬に急騰し、20.20%高。市場シェアの拡大などで複数の欧米有力証券会社に評価された比亜迪(1211)も月半ばから急反発し、15.29%上昇した。一方、競争激化で業績が悪化している牡丹汽車(8188)は▲22.47%。2004年1~9月期は99.5%の減益、昨年12月情報開示に不備があるとして香港証取から譴責処分を受けた東北虎薬業(8197)は▲16.25%。米系大手証券会社の売りやレーティング引き下げを受けた中国石化儀征化繊(1033)も▲12.73%下落した。H株指数は▲0.42%。

「中立」に据え置く

2004年本決算がこれから続々と発表される。ポジティブサプライズもあれば、「地雷」を踏むリスクもある。決算報告に注目。企業の現状認識や今後の展望を十分把握したうえで今後の投資判断を行いたい。(陳)

レッドチップ株

急落、その後回復したものの力強さに欠ける

月間最高値は3日の1,567.7ポイント。その後急落、11日に月間最安値1,441.33ポイントを付けた。24日までは1,460ポイント付近で小動き、月末は5日続伸したものの、回復も1,499.32ポイントまで。

大型主力株が不振

12月に大幅上昇した中国移動(香港)(0941)が利食い売りに抑えられ、月初めから大幅反落、その後も軟調な展開となった。時価総額が香港市場全体でも第2位と大きいだけに、指数を大きく押し下げる要因となった。また、IBMのPC業務買収に関して、デメリットの方が大きいとして聯想集団(0992)は下げ止まらなかった。中国海洋石油(0883)、華晨中国(1114)などの大型銘柄も軟調だった。ただ、業務分割のうわさを受け中国聯通(0762)は堅調だった。招商局国際(0144)や北京控股(0392)など、他社への資本参加による収益力の向上、資産注入によるリストラなどが期待された銘柄も少なくない。こうした銘柄が指数を下支えした。

資産リストラ組の上昇が目立つ

2004年12月31日~2005年1月31日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、ハイネケンによる資産買収の打診を受けた金威ビール(0124)は27.47%高。経営陣の異動で資産注入など資産リストラの期待が広がった中国糧油国際(0506)も19.55%高。華潤置地(1109)は下旬になって突然大幅上昇し、13.64%高。同社は「現段階でのM&Aなどの商談はない」と発表している。一方、業績見通しが好ましくないとして、複数の外資系証券会社からレーティングの引下げを受けたTCL国際(1070)は▲19.50%。中間決算は赤字幅拡大、通期でも赤字見通しの方正数碼(0618)は▲12.50%。そのほか、石炭価格の上昇を嫌気し、華潤電力控股(0836)は▲11.24%。レッドチップ指数は▲3.70%。

「中立」に据え置く

指数全体よりも、個別銘柄に注目したい。過去数年間で一部の企業は資産リストラを実施し、経営資源の集中を図ってきた。業績に対するポジティブな影響さえ確認できれば、株価上昇が期待できそう。(陳)

その他香港株

回復鈍い

指数の動きはレッドチップとほぼ同様。

マカオ関連株が急落

2004年12月31日~2005年1月31日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、株価水準の低い銘柄の変動幅が大きかった。傘下企業の株式を売却し、流動性を確保した乾隆科技(8015)は72.73%高。米国での石油・ガス事業権益の売却を発表した亜科資本(8088)は57.14%高。2004年9月中間決算で赤字幅縮小が確認された長達科技(8026)も40.38%高。反面、第3者割当増資を実施した盛創企業系統(8108)は▲43.20%。マカオ関連銘柄として昨年12月に急騰した中国星集団(0326)は大幅反落し、▲34.48%。南峰集団(0979)も昨年12月以来の上昇が一巡すると、株価を支持する材料がなく、▲33.56%となった。ハンセン指数は▲3.57%。

「強気」に据え置く

米国市場の影響を受け易いといった面はあるものの、香港経済のファンダメンタルズは依然良好、人民元切り上げ期待も消えたわけではない。消費関連を中心に上昇相場が続くと予想。(陳)

各市場のレイティングと参考銘柄 1ヶ月の株価動向 株価指数の比較(対数)

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