チャイナマンスリーレポート

3月号

2005年3月10日 内藤証券中国部

上海B株

上昇

上海B株指数は、1日、月間最安値72.42ポイントを付けてから反転開始。旧正月明け後はしばらく持合が続いたが、その後急騰、25日には月間最高値82.52ポイントを付けた。28日の終値は81.46ポイント。

旧正月前は「市場救済策」への期待から上昇

国務院の華建敏・秘書長が株式市場について好材料となりうる発言を行い、新華社もそれに関して社説を発表するとのうわさが流れ、2日、上海総合指数は5%を超える上昇となった。実際にはそうした発言はなかったが、昨年旧正月明け直後には「国務院関于推進資本市場改革開放和穏定発展的若干意見」が公表され、株価が急騰したこともあり、今年も同様の発表があるのではないかとの期待から、買わないことへのリスクが意識された。また、IPO再開後第一号の華電国際電力(600027)が上場、初日は約8割の上昇となり、地合いは悪くないことが確認され、買いが膨らんだ。

保険資金の株式運用に関する新政策発表で指数は一段高

中国保険監督管理委員会(保監会)、中国証券監督管理委員会(CSRC)、中国銀行監督管理委員会は連名で、保険資金の株式直接運用に関する取引所会員権、資金決済、投資比率などの規定を発表した。昨年10月、保険資金の株式直接運用が承認されており、今回関連規定が公表されたことによって、実施段階に入った。運用される資金は、年内には600億元に達すると見込まれる。ただし、資金は短期的に一斉に株式市場へ流入するのではなく、時間をかけて、段階的に流入するであろうと予想されている。その後、華泰財産保険、中国人寿保険(2628.HK)、中国人民財産保険(2328.HK)など計6社が証券口座と専用シート(取引所会員権)を取得したと報じられた。6社の運用可能資金は約400億元に上ると見込まれている。このうち、華泰財産保険はすでに注文を出したとの報道もなされている。

投資者保護基金への資金充当、商業銀行の株式投資に関する政策などが発表された

CSRC、財政部は連名で、新株などを発行する際、一定期間凍結される申込金にかかるすべての利息を、上海、深セン証券取引所の専用口座に納め、投資者保護基金に充当すると発表した。証券会社の清算や違法行為などにより投資家が受ける損失をカバーする趣旨である。また、中国人民銀行、中国銀行監督管理委員会、CSRCは連名で、「商業銀行設立基金管理公司試点管理弁法」(商業銀行による投信会社設立についての試験的管理弁法)を発表、一定の条件を満たす商業銀行は投資信託会社を設立できるようになった。

業績発表のラッシュを控え、見通しの良い銘柄が買われた

1月31日~2月28日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、04年本決算で大幅増益見通しの内モンゴル伊泰石炭(900948、+31.7%)、資産リストラが期待される*ST上海永生データテクノロジー(900904、+23.0%)、2004年本決算で黒字計上見通しの黄山旅行開発(900942、+18.8%)などが上昇した。一方、2004年本決算の見通しが不透明であり、「上場停止」の恐れがある*ST天津海運(900938、▲4.2%)、好決算を発表したにもかかわらず評価されなかった上海塩素アルカリ化工(900908、▲3.7%)、2004年本決算が1億元以上の赤字になる見通しと発表した上海三毛企業(900922、▲2.4%)が下落した。指数は+9.8%上昇。

「強気」に据え置く

ようやく政府も本気で株式市場を救済しようと考え出したようである。政府の態度に対して半信半疑であった投資家たちのマインドも好転、市場には買い安心感が広がりつつある。底打ちから上昇へ。 (田代、姜)

深センB株

上昇

上海B株とほぼ同じ動き。月間最安値は1日の232.48ポイント、月間最高値は23日の260.84ポイント。28日は259.42ポイントで引けている。

ST銘柄の一部が下落

1月31日~2月28日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、増収・増益の業績速報を発表したことに加え、先月急落した反動もある方大集団(200055、+29.9%)、M&Aに対する期待の広がる長安汽車(200625、+28.7%)、親会社である北京京東方投資発展有限公司の出資持分10%を丸紅が取得すると報じられた京東方科技(200725、+26.0%)が上昇した。一方、2004年本決算で約1,100万元の赤字となる見通しで、「上場停止」の恐れがある*ST深セン大洋海運(200057、▲13.3%)、赤字見通しのST深セン中国自転車(200017、▲6.1%)、一部資産が差し押さえられたST深セン特力集団(200025、▲4.3%)が下落した。指数は+12.1%上昇。

「強気」に据え置く

底打ちから上昇へ。(田代、姜)

H株

急騰

月間最安値は1日の4,675.86ポイント。その後は7日続伸、8~24日にかけてもみ合った後、25日以降急反発し、5,000ポイントの大台を回復した。28日には2004年3月以来の高値で引けている。

業績発表でのポジティブサプライズ期待が買いを誘う

月初めには、旧正月での消費拡大、本土の株式市場好転などを好感した。中旬には、年明け後資金流出懸念があり、狭いレンジでのもみ合いとなった。ただし、これまでマクロコントロールによる企業収益への悪化懸念が強かったが、実際の業績はそれほどではないとの見通しが徐々に市場に広がり、月末には主力株を中心に買いが膨らみ、急騰した。

業績見通しで株価に明暗

1月31日~2月28日にかけての個別銘柄の株価動向をみると、上位銘柄はいずれも業績見通しが明るく、有力証券会社が買い推奨している。主力製品の売行きがよい広東科龍電器(0921)は+36.6%。傘下企業の業績が堅調な中国アルミ(2600)は+22.8%。米系証券会社の買増しが明らかとなった中国石化鎮海煉油化工(1128)も+20.0%。一方、業績の先行きが不透明な賽迪顧問(8235)は▲10.7%。前月急騰した広州広船国際(0317)は焦げ付き債権の回収がマーケットに評価されず、▲21.0%となった。減益が予想される南京大賀戸外伝媒(8243)は▲21.1%。H株指数は+9.1%上昇。

「強気」へ

本土経済の減速が「意外に遅い」ことに気がつき、市場心理が改善されているようだ。主力製品価格の堅調さから大型石油関連株や一部主力素材系銘柄が指数を牽引しそう。決算発表ではポジティブサプライズがネガティブサプライズを上回りそう。判断は強気へ。(田代、陳)

レッドチップ株

大幅上昇

月間最安値は3日の1,460.78ポイント。その後は旧正月を挟んで急騰した。14日以降は、やや調整する場面もあったが、上昇トレンドを維持、28日には月間最高値の1,586.60ポイントを付けている。

市場心理の改善で主力株が指数を押し上げる

月初めには、「ホットマネー」流出懸念からやや軟調であった。その後は香港経済の堅調さなどから、市場心理が急速に改善され、4日以降は大幅上昇した。出遅れ感から中国聯通(0762)が買われ、石油高を材料とした中国海洋石油(0883)が人気、大幅に下げた聯想集団(0992)に対する買戻しなど、大型主力株が指数をけん引した。

「資産リストラ」関連銘柄の上昇が目立つ

 1月31日~2月28日にかけての個別銘柄の株価動向をみると、同系列の首長四方(0730)と首長国際(0697)は積極的に「資産リストラ」を行い、配当再開を目指すといったうわさから、それぞれ+42.9%、+40.0%となった。市場開拓が欧州系有力証券に評価され、華潤置地(1109)が+30.7%。反面、04年中間で赤字転落となった北京発展(香港)(0154)は通期見通しも悪く、▲6.0%。大型買収を発表した中信資源控股(1205)は豪州子会社の業績は堅調だが、株価反転には及ばず、▲6.9%。赤字拡大見通しの円通控股(1188)は▲12.3%。指数は+5.8%上昇。

「強気」へ

指数は主力株の動向に左右されやすい。業績発表に向けて、通信、石油、電力など大型株は引き続き注目されよう。一部のリストラ関連銘柄については、急騰の可能性も。(田代、陳)

その他香港株

上昇

3日には、ハンセン指数が月間最安値の1万3,515.33ポイントを付けたが、その後は旧正月を挟んで4連騰となり、1万4,000ポイントの大台を回復した。中旬には若干調整があったものの、28日は月間最高値の1万4,195.35ポイントで引けた。

資金流出懸念が一歩後退、業績発表が上げ材料に

月初めは短期資金の流出が懸念され、3日続落した。ただその後は、米国の利上げへの追随が先送りされたほか、G7会議も終わり、懸念材料が一掃した。旧正月での消費拡大や、有力銘柄の好決算発表期待が高まり、ブルーチップの大半が上昇した。米FRBのグリーンスパン議長の議会証言をめぐり、中旬には若干の調整があったが、一部の大型銀行や輸出企業の決算発表の良さから、月末には一段高となった。

業績見通しの良さで主力株が上昇

1月31日~2月28日にかけての個別銘柄の株価動向をみると、ハンセン指数構成銘柄では、ユーロ高の恩恵を受けたとして、内外の大手証券会社が軒並みレイティングを引上げた思捷環球控股(0330)は+23.1%。売上好調で本土事業も順調に拡大している裕元集団(0551)は+10.57%。石油価格の堅調さが好感され、中国海洋石油(0883)も+9.7%。一方、原材料価格上昇が嫌われ、徳昌電機(0179)は▲1.3%。金利の先高感から、不動産関連の華潤創業(0291)は▲2.6%とさえなかった。大型買収を発表した電視広播(0511)は▲5.1%。その他の銘柄でも、本土で農薬事業の拡大を狙う浩倫農科(1073)など業績見通しのよい銘柄が3割以上上昇する反面、減益予想の金沢超分子(2362)などが10%以上下落した。ハンセン指数は+3.5%。GEM指数は+1.7%。

「強気」に据え置く

香港は米国の利上げに追随するであろう。金利動向に敏感なため、不動産関連が懸念されるだろうが、金利格差の縮小で香港からの資金流出に歯止めがかけられる可能性がある。香港経済は依然として消費拡大やCEPA効果の浸透で堅調に推移するであろう。(田代、陳)

各市場のレイティングと参考銘柄 1ヶ月の株価動向 株価指数の比較(対数)

拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

注:上海と深センB株については、「旧正月」の休日が香港市場より数日長かったため、グラフが連続していない箇所がある。

この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的とした上記日時における弊社の意見です。政治、経済、為替などのリスクを十分にご理解頂き、投資に関する最終決定は、お客様ご自身でなさるようにお願い致します。また、弊社が信頼出来ると考える情報源から得た各種データなどに基づいてこの資料は作成されていますが、その情報の正確性および完全性について弊社が保証するものではありません。加えて、この資料に掲載された弊社の意見ならびに予測は、予告なしに変更することがありますのでご注意下さい。

広告審査済

中国株取引のリスク
株価や為替の変動等により損失が生じるおそれがあります。
中国株取引の手数料について
中国株の手数料は、国内手数料、現地手数料、為替手数料と3種類の手数料があり、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は中国株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
中国株は、クーリング・オフの対象にはなりません。
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。
本サービスを提供するのは金融商品取引業者である内藤証券株式会社
(加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会)(登録番号:近畿財務局長(金商)第24号)です。