チャイナマンスリーレポート

3月号

2005年3月10日 内藤証券中国部

北泰創業(2339、HK)

香港に本社を置き、中国に生産基地を持つ自動車部品大手

中国安徽省に生産工場を持つ国内自動車部品メーカー最大手。主にブレーキシステム(ブレーキ板、ブレーキ)、複合摩擦材などの生産を手がける。米国のDelphi、TRW、Dana、ドイツのZF Friderichhafenなど世界の大手自動車部品メーカー約20社と取引関係を持つ。現在、ほぼ全製品が北米、ヨーロッパ向けに輸出されている。

北米・EU市場に強力なクライアントを持つほか、コスト競争力が圧倒的に優位

同社への注目点は主に2点。まず、北米・EU市場において強力なクライアントネットワークを構築できていること。また、昨年伊藤忠商事と戦略的なパートナーシップ契約を結んでおり上海で商品物流センターを開設した。同センターを通じて中国から部品を調達し、日本向けに輸出する計画。今後、参入障壁の高い日本のアフターサービス市場への参入も本格化しそうである。2点目は、圧倒的なコスト競争力を持つこと。現在、安徽省に200ムー(1ム=0.0667ha)の工場を構えており、設備は一部の中核設備を除いて国産。人件費も安く、海外のライバル社より製品価格は20%程度安い。東南アジアのライバル社と比べても10~15%安い。今後、人民元の大幅な切り上げがない限り、コスト面での優位性は保たれるだろう。また、同社は従来の自動車部品生産を基礎に、より加工度の高い製品へのシフトも図っている。昨年北京でサスペンションシステムの組み立て工場を設立した。05年第1四半期から稼動する予定。従来の部品と比べ、粗利益率は高く、収益への寄与が期待される。

自動車業界では、アウトソーシングの需要が高まっている

世界のアフターサービス市場は完成車市場を上回る年率3~5%のペースで拡大。自動車メーカーは市場シェアの獲得競争が激化するなか、生産コストを減らし、部品生産のアウトソーシングが主流になりつつある。「世界の工場」として中国市場は自動車部品の生産が拡大するなか、同社は強みを生かし、今後高い成長が期待される。

好業績でPERは割安。中長期的に株価の上昇余地が大きい

過去4年間、増収増益を達成している。04年3期は24.0%増収、24.1%増益。05年も2ケタの増収増益が見込まれる。株価は05年の予想PERで8倍程度と割安感が強い。投資スタンスはポジティブとする。(許)

業績動向  (単位:百万元)
  売上高 伸び率 営業利益 伸び率 純利益 伸び率 配当(HKドル)
2001年3月 524 - 88 - 58 - -
2002年3月 1,025 95.7% 104 18.8% 83 43.6% -
2003年3月 1,380 34.6% 174 66.7% 132 58.7% -
2004年3月 1,711 24.0% 214 23.4% 164 24.1% 0.024
2005年3月(予) 2,220 29.7% 288 34.3% 230 40.7% -
2006年3月(予) 2,840 27.9% 382 32.6% 330 43.5% -

(香港会計基準)

華電能源(上海B株 900937.SS)

黒龍江省の大手発電会社

発電、熱供給、発電技術コンサルティングなどを手掛けている。同社は1996年10月創業、同年上海B株に上場。2004年、電力事業の再編に伴い、中国5大電力グループの「華電集団」が同社の株式の34.2%を取得し、筆頭株主となった。現在黒龍江省第3位の発電所「牡丹江第2発電所」、東北地方最大の火力発電所「ハルビン華電第3発電所」を傘下に収めており、権益発電容量は2,005MWと黒龍江省の約17%に達している。2004年発電量は121.5億kWh。うち2割強が電力不足の華北、遼寧省に送電されている。

「東北振興」プロジェクトの始動により電力需要が拡大、供給過剰状況が改善されている

同社は東北地区の再興・発展を目指す「東北振興」プロジェクトの始動により脚光を浴び始めた。03年振興策が打ち出されて以来、遼寧省を中心に各地で石油化学、鋼鉄、自動車など重点産業における生産基地の建設、企業建設などが優先的に進められてきた。工業化の進展は大きな電力需要をもたらしている。現在遼寧省など一部の地域では電力供給が制限されている。黒龍江省も06年から電力不足に陥る見通し。電力消費量は05年に年平均8%、06~10年には7%ペースで増加すると予想される。電力需要の高まりは、同社にとって絶好の成長のチャンスである。今後有力な発電所の買収、遼寧省など不足地域への送電強化などを通じて、事業規模の拡大を図ろうとしている。

04年通期は買収により大幅増収へ

04年通期は、152.2%増収、4.6%増益を見込む。買収したハルビン華電第3発電所が連結対象に追加されたことで大幅な増収が見込まれる。ただし、売上高の6割を占める燃料費の上昇、買収による金利負担の増加で利益が大きく圧迫され、4.6%の伸びに抑えられる。05年期は発電量が需要増を受け、前年比10%と予想されることから4.7%増収、14.3%増益の見通し。

中長期的には事業成長余地が大きい

東北地方経済振興策は東北地方の経済復興に大きな成長チャンスを与えた。06年から始まる第11次5ヵ年計画の策定により、今後さらなる経済促進案が打ち出される可能性が期待できる。同社の株価は4年ぶりの安い水準にあることから、中長期的には上昇余地が大きいであろう。(劉)

業績動向  (単位:百万元、元/株)
  売上高 伸び率 営業利益 伸び率 純利益 伸び率 配当
2002年 1,125 -5.3% 237 -26.6% 249 -11.6% 0.1
2003年 1,174 4.3% 236 -0.42% 201 -19.4% 0.07
2004年(推) 2,960 152.2% 270 14.5% 210 4.6% n.a
2005年(予) 3,100 4.7% 290 7.4% 240 14.3% n.a
2003年1-9月 831 1.1% 185 25.3% 160 -9.1% -
2004年1-9月 2,178 162.2% 269 45.0% 164 2.1% -

(中国会計基準)

鉄鉱石の値上げを受け入れる中国の鉄鋼メーカー

2005年度の鉄鉱石価格は71.5%値上げで決着

中国最大手の宝山鋼鉄は2月28日、鉄鉱石生産会社であるブラジルのリオドセ、豪州のHamersley側が提示していた2005年度鉄鉱石価格の71.5%の値上げを受け入れると発表。上昇率はJFE、新日鉄など日本の鉄鋼各社と同じで、国内鉄鋼メーカーが予想していた30~50%を大きく上回った。今回の価格交渉は鞍山鋼鉄、馬鞍山鋼鉄を含む国内鉄鋼企業十数社も実質的に加わっているため、値上げの影響は業界全体に波及する。

建材など付加価値の低い製品製造を中心とする中小型鉄鋼メーカーにとって大きな打撃

今回の値上げは中国の鉄鋼メーカーにとって大きなコスト負担増になる見通し。香港に上場している主要鉄鋼メーカーの中で、馬鞍山鋼鉄(0323.HK)、重慶鋼鉄(1053.HK)などが影響を受けると見られる。その理由は以下の2点。(1)輸入鉄鉱石への依存度が高いこと。鞍山鋼鉄(0347.HK)では鉄鉱石の90%が親会社所有の鉱山から割安に調達できるが、馬鞍山鋼鉄ではそれが30%、重慶鋼鉄では8%にすぎない。(2)コストの上昇分を製品価格へ完全には転嫁できないこと。鉄鉱石値上げの結果、鋼材1トンにつき250元前後のコストアップが見込まれる。2社の製品は建材に用いられる鋼材、中厚鋼板などが中心。05年に入り、建材用の鋼材価格、中厚鋼板は1トンにつき200元程度に回復しているが、国内では既に生産過剰となっているため、それ以上の価格転嫁が難しいと見られる。各社は今後製品構成の調整、生産効率の改善などを通じて原材料高を吸収しようとしているが、当面企業収益が圧迫されるのは免れないと思われる。

輸入鉄鉱石は価格、品質面で国内品よりも優位であり、今後値上がり余地が大きい

05年度指標となるブラジル産粉状鉱石の輸入価格(CIF)は1トン当たり約510元(1US$=8.27元で換算)となる見通し。現在国内の鉄鉱石価格が600~800元/トンの高水準で推移していること、品質の面でも鉄の含有率が33%と世界平均の44%を下回ることから、輸入鉄鉱石を国内品で代替することはできないと思われる。今後さらなる値上がりの余地が大きいことから、鉄鋼セクターへの投資は慎重に見極めたい。(劉)

この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的とした上記日時における弊社の意見です。政治、経済、為替などのリスクを十分にご理解頂き、投資に関する最終決定は、お客様ご自身でなさるようにお願い致します。また、弊社が信頼出来ると考える情報源から得た各種データなどに基づいてこの資料は作成されていますが、その情報の正確性および完全性について弊社が保証するものではありません。加えて、この資料に掲載された弊社の意見ならびに予測は、予告なしに変更することがありますのでご注意下さい。

広告審査済

中国株取引のリスク
株価や為替の変動等により損失が生じるおそれがあります。
中国株取引の手数料について
中国株の手数料は、国内手数料、現地手数料、為替手数料と3種類の手数料があり、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は中国株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
中国株は、クーリング・オフの対象にはなりません。
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。
本サービスを提供するのは金融商品取引業者である内藤証券株式会社
(加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会)(登録番号:近畿財務局長(金商)第24号)です。