チャイナマンスリーレポート

4月号

2005年4月12日 内藤証券中国部

上海B株

下落

上海B株指数は月初めに上昇、9日には月間最高値83.98ポイント(終値ベース)を付けた。その後は下落トレンドへ。23日一旦下げ止まり、もみあいとなったが、その後小幅ながら一段安となり、30日は月間最安値76.92ポイントをつけた。

新しい政策への期待、保険資金の流入で上昇

3月上旬には「両会」(中国人民政治協商会議第10期全国委員会第3回会議、第10期全国人民代表大会第3回会議)が開かれ、新しい政策への期待で買いが先行した。2月に立法化された保険会社による株式投資に関する規制緩和措置に基づき、中国人寿保険股フン有限公司を初め、大手数社がA株の直接投資を始めた。彼らが買付けたのは、優良銘柄。安全性、流動性の高い銘柄が中心となった。こうした銘柄が牽引し、相場は上昇した。

マクロコントロール強化懸念、新規増資の本格再開で、売りが加速

16日、1-2月期の都市部の固定資産投資は前年同期比24.5%増、うち、不動産開発投資は27%増と発表され、経済過熱懸念が再び高まった。17日、中国人民銀行は、個人向け不動産ローンの優遇金利の実質的引き上げ、超過預金準備金金利の引き下げを発表した。5年以上の個人向け住宅ローンを例にとると、金利の下限は貸出基準金利6.12%の9割に相当する5.51%となり、現行の優遇金利を0.20ポイント上回る。また、不動産価格が急騰している都市・地域では、個人向け住宅ローンの頭金の割合が現行の20%から30%に引き上げられることになった。28日、国家発展改革委員会(発改委)の馬凱・主任は、今年のマクロコントロールは昨年より厳しくなると発言。30日、温家宝首相は国務院会議で、固定資産投資規模の急拡大を抑制するという基本方針を強調した。マクロコントロールが今後強化される懸念が台頭した。さらに、両会が閉幕したことを受け、材料出尽くし感が広がった。25日、今年に入って2回目の株式発行審査会議が開かれたことを受け、新規増資がこれから本格的に始まるとの憶測が広がり、売りが加速した。

優良銘柄が堅調

2月28日~3月31日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、無償増資、株式配当などの予案を発表した上海海欣集団(900917、+24.2%)、国産設備を購入したため、約3,430万元の税還付を受けると発表した上海振華港口機械(900947、+21.2%)、入園料の引上げを発表した黄山旅行開発(900942、20.4%)が上昇した。一方、上場一時停止の恐れが出ている*ST大盈現代農業(900921、▲34.2%)、*ST天津海運(900938、▲29.4%)。2004年本決算が1億元以上の赤字になる見通しと発表した上海三毛企業(900922、▲20.1%)が下落した。上海B株指数は▲5.2%の下落。

「強気」に据え置く

優良銘柄が買われ、業績不振銘柄が売られるといった傾向が顕著になり出した。銘柄選定はやり易くなっている。 (田代、姜)

深センB株

小幅下落

月間最高値は9日の276.84ポイント。10日から下落トレンドへ。月間最安値は30日の254.01ポイント。31日は257.73ポイントで引けている。

優良銘柄が堅調

2月28日~3月31日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、好決算、高配当の予案を発表していた張裕葡萄酒(200869、+20.4%)、大幅増益見通しの杭州スチームタービン(200771、12.9%)、大幅増益の04年本決算を発表し、無償増資の配当予案を発表した中国国際コンテナ(200039、+11.4%)が上昇した。一方、2004年12月本決算が赤字になる見込みを発表した南京普天通信(200468、▲38.0%)。増収増益の2004年本決算を発表したが、第4四半期は赤字だったことが嫌気された山東航空(200152.SZ、▲29.5)、担保提供をめぐるトラブルで深セン市賽格達声股フン有限公司を提訴し、法院(裁判所)から受理通知を受けた深セン賽格(200058.SZ、▲23.4%)が下落した。深センB株指数は0.7%の下落。

「強気」に据え置く

全体としては、優良銘柄が買われる流れは変わっていない。優良株であれば下値不安は小さい。(田代、姜)

H株

急落

月間最高値は1日の5138.08ポイント。その後は若干のもみ合いを経て下落へ。29日には月間最安値の4,765.22ポイントを付けた。31日は4,972.77ポイントで引けている。

人民元切り上げ期待よりも米国の利上げ?!

月初めには、注目の全国人民代表大会が開かれた。市場の思惑とは裏腹に、大きな政策変動はなかった。人民元相場の改革についても、温家宝首相は「意表を突くものに」と発言したことを受け、投機筋の人民元切り上げ期待も一歩後退したようだ。FRBがインフレ懸念を強調すれば、市場ではたちまち利上げの加速を警戒する動きが高まった。H株への売り圧力が強まるなか、ドルキャリートレードの巻き戻しを指摘する市場関係者も少なくない。石油価格の先高感が増しているにもかかわらず、H株指数に占めるウェートが1位の中国石油天然気(0857)が軟調。さらに、2位の中国石油化工(0386)は▲11.9%と大きく売られるなど、石油関連銘柄はほぼ全面安となった。

業績発表の内容で株価に大差

2月28日~3月31日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、昨年の契約額と純利益が大幅に増加した東方電機(1072)は米系大手証券会社の大口買いもあり、23.8%上昇。燃費などコストの抑制策が奏効したほか、低めの法人税率も享受できた中海コンテナ(2866)も好決算を発表し、10.9%高となった。慶鈴自動車(1122)はトラックの販売が好調で、競争の激しさを増している他の乗用車メーカーと一線を画し、10.9%高。一方、04年本決算では22%増益となった彩虹集団電子(0438)だが、価格競争の激化に伴う粗利益率の低下が嫌気され、▲27.8%。米系証券会社により連日大量の売りを浴びせられた広東科龍電器(0921)は▲22.7%。同社は情報開示での規則違反で、元経営陣が香港証取の譴責処分を受けたことで大量の売りを誘った模様。吉林化学工業(0368)は大幅増益を発表したものの、市場コンセンサスに届かず、10~12月での業績伸び鈍化も売り材料となり、▲21.9%。H株指数は▲7.0%。

「中立」に

政府高官が投資抑制を主眼としたマクロコントロールの強化を強調するようなシーンが再び目立ち始めた。ただ、教科書的な政策波及メカニズムが働かないなか、引き締めは「一辺倒」のような大掛かりではなく、むしろ選択的・集中的に行われる可能性が高いようだ。積極的に買える材料がなく、レーティングは再度中立に。(陳)

レッドチップ株

大幅反落

月初めは一旦下落したものの、その後は回復、27日に月間最高値の1,588.59ポイントを記録した。ただ、その後はイースター連休を挟んで急落し、30日には月間最安値の1,521.12ポイントをつけた。

大型通信株の分化が目立つ

資金流出や急速な利上げ懸念が高まるなか、レッドチップ指数の下げ幅拡大を防いだのは、時価総額が香港市場第2位と大きい中国移動(香港)(0941)だった。政府主導で大規模な通信企業の吸収合併を行うといった噂が流れるなか、同社が有利な立場に置かれるのではないかとの観測もあった。一方、中国聯通(0762)は▲12.9%、固定通信業務大手の中国網通(香港)(0906)は▲5.6%。いずれもウェートが高いため、指数の足を引っ張った。

業績重視で個別銘柄物色

2月28日~3月31日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、好決算の期待される九洲発展(0908)は33.3%高。米系投資会社3社の資本参加が報じられた聯想集団(0992)は19.1%高。4-12月期に黒字転換した神州数碼(0861)は大手証券のレーティング引き上げを受け、10.3%高。反面、赤字見通しを発表した中国光大控股(0165)は▲22.1%。人民銀行が個人向け不動産ローンの優遇金利の引き上げを発表し、本土不動産関連銘柄は軒並み売られた。特に華潤置地(1109)が▲20.9%と目立った。業績見通しが悪い中、大型物流案件に参画すると発表した招商迪辰(亜洲)(0632)は▲20.5%。レッドチップ指数は▲3.7%。

「中立」に

短期的には複数の不安材料が残るものの、主要銘柄はファンダメンタルズが大きく変わらない限りいずれ回復に向かうだろう。業績発表に際して、個別銘柄を狙う機会はまだありそうだ。(陳)

その他香港株

大幅反落

1日、月間最高値の1万4,061.15ポイントで引けた後、相場は膠着状態に陥り、22日までは1万3,800ポイントの攻防が続いた。その後は急落し、29日には月間最安値の1万3,411.88ポイントをつけた。

複数の不安材料で主力株が不振

月初めに董建華・特別行政府長官の進退および後任人事をめぐる憶測が撹乱要因となったほか、これまで相場の好況を演出してきた短期資金の流出をみて投資家心理は悪化した。原油先物価格の高騰、米連銀(FRB)の利上げが加速するとの観測が広がり、地合いはさらに悪化した。特に中旬以降は、これまで米国の利上げに追随して来なかった香港の銀行が資金流出に伴って急速に金利を引き上げざるを得なくなったとの懸念が市場を揺るがした。香港市場時価総額最大の匯豊控股(0005)は▲7.1%、不動産銘柄の代表格である長江実業(0001)は▲6.7%など、主要銘柄は軒並み売られた。

小型銘柄の変動リスクが目立つ

2月28日~3月31日にかけて個別銘柄の株価動向をみると、主要業務をカジノに転換してマカオ進出計画を打ち出した互聯控股(0273)は37.6%高。2004年本決算で純利益倍増を発表した中国生物製薬(1177)は米系有力証券会社に評価されたこともあって、33.5%高。本土での企業買収を通じて薬物研究を強化する金沢超分子(2362)も24.3%高。一方、株式の額面価額を引き下げるなどの資本リストラ計画を明らかにした日本亜太事業(0603)は▲31.3%。資金調達計画を発表した中国星集団(0326)は▲24.6%。赤字拡大の懸念を持ちながら大型投資案件を発表した国中控股(0202)は▲24.3%。ハンセン指数は▲4.8%。

「強気」維持

当面のファンダメンタルズから見れば、短期資金の流出による悪影響が長引く可能性はそれほど高くなさそうだ。消費は堅調さを維持するであろう。これまで大きく下げた主力銘柄が回復に向かえば、再び上昇トレンドへ。(陳)

各市場のレイティングと参考銘柄 1ヶ月の株価動向 株価指数の比較(対数)

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