チャイナマンスリーレポート

6月号

2005年6月10日 内藤証券中国部

魏橋紡織(香港H株、2698.HK)

山東省に生産拠点を置く、中国綿糸最大手

中国最大の綿糸メーカー、民営企業である。主力製品は綿糸、布生地およびデニム。04年製品別売上構成比は生地51.4%、綿糸36.5%、デニム11.5%、その他0.6%。前期の綿糸の生産高は54万トン、生地は12億メートル、デニムは1億3000万メートル。販売先は国内56.7%、香港16.9%、日本および韓国16.8%と、国内が主力である。

スケールメリットを生かし、大手顧客の囲い込みに成功

過去数年間、積極的な設備投資を行い、生産能力を伸ばしてきた。04年綿糸、生地およびデニムの生産高はそれぞれ前年同期より68%増、106%増、25%増となった。紡績産業は規模の経済がはたらく産業であり、規模の拡大に伴い原材料の仕入れコストは低減、クライアントとの価格交渉力は強化される。そのため、同社の収益力は同業他社より高い。また、スケールメリットを生かしつつ、品質が均一であることや低価格であることを武器に、大口顧客の囲い込みに成功している。現在、国内では3,000社、海外では伊藤忠商事、福田実業(0420.HK)をはじめとする約400社と安定的な取引関係を持つ。なお、リスク管理のため、1社当りの販売高を全体の7%以内に設定している。

米中間では繊維輸出をめぐり政策の応酬があるものの、同社への影響はわずか

今年1月に繊維、衣料品の輸入割当制度が完全撤廃された後、大量の中国製品が米国市場に流れ込んだ。米国繊維業界から中国製品の輸入急増に対する反対の声が高まり、先月には米国は繊維7品目に対してセーフガードの発動に踏みきった。一方、中国は6月1日より実施する予定であった輸出関税引き上げを取り下げた。今後、米中間の繊維輸出問題をめぐって政策応酬が続くと見られ、繊維輸出鈍化への懸念が根強い。ただし、同社については製品の6割が国内向け。海外の輸出先は日本、韓国が中心であり、欧米向けはわずか9.6%に過ぎない。米国セーフガードの発動による同社への影響は軽微。

今来期は好業績が続く見通し。株価は売られ過ぎ

悪材料の影響で紡績セクターは全般的に大きく売られるなか、同社の株価もつれ安で大きく下がっている。当面、下げは一巡し、同社のような好業績銘柄を中心に株価は見直される可能性が高い。(許)

業績推移  (単位:百万元)
  売上高 伸び率 営業利益 伸び率 純利益 伸び率 配当(元)
2002 4,380 - 562 - 288 - 無配
2003 6,560 49.8% 1,011 79.9% 541 87.8% 0.056
2004 11,088 69.0% 1,537 52.0% 825 52.5% 0.250
2005予 13,700 23.6% 2,100 36.6% 1,140 38.2% NA
2006予 17,400 27.0% 2,800 33.3% 1,530 34.2% NA

(香港会計基準)

煙台北方安徳利果汁(香港H株 8259.HK)

中国最大手の濃縮りんご果汁メーカー

2004年の濃縮りんご果汁は9.2万トン。販売先はアメリカ、EUなどの海外。対米輸出のりんご果汁全体の38%を占めている。生産能力は年間15万トンと国内最大規模である。

価格競争力が強く、世界需要の拡大に大きな恩恵を享受

2004年世界の濃縮りんご果汁生産量は113.1万トン。中国はそのうちの50%を占めている。欧米先進国は近年、賃金上昇による生産コストの急騰で、りんご栽培が全滅に近い状態である。世界におけるりんごの生産地は中国、ポーランドをはじめとした東欧諸国などに限られる。中国では、りんご果汁の最低輸出価格は食品土畜進出口貿易商会によって決定されている。同社は商会の主要メンバーであり、強い価格決定力を持っている。一方、山東省、陝西省など豊富なりんご資源を有する地区に生産基地を置き、安定かつ安価に原料を仕入れることができる。対米向け商品の販売価格は、ポーランドなどの競合相手と比べ、3割下回っている。健康、美容志向の高まりを追い風に、国際市場における濃縮りんご果汁貿易量は年間平均4.7%のペースで拡大している。これまで販売先は欧米先進国に集中していたが、今後は中国国内向けの販売が徐々に拡大するものと期待される。

人民元切り上げ、米中貿易摩擦による影響は限定的

人民元切り上げが予測される中、運賃の上昇も加わり、コストアップ懸念が強いものの、圧倒的な市場シェア、価格決定力の強さ、旺盛な世界需要などから、コスト増加分は値上げによって吸収が可能である。米国において中国産の濃縮果汁に対する輸入関税は2003年に撤廃されたばかり。また中国からの輸入額は、米中貿易額全体の約0.07%にすぎない。同製品が輸入制限の対象になる可能性は低いと思われる。

成長シナリオに変化なし。株価は割安

前期は54.9%増収、23.0%増益を達成。今期は生産能力が20%拡大する見込みで、新規契約価格は強含みで推移している。今期も好調持続が予測される。株価は、今年に入り、人民元切り上げ懸念などいくつかの不安材料により急落したが、現在は沈静化しつつある。業績は中長期的に高成長が続くと予想されことから、現在の株価は割安水準にあると判断される。(劉)

業績動向  (単位:百万元)
  売上高 増加率 営業利益 増加率 純利益 増加率 配当(元)
2002年 233 - 62 - 50 - 0.230
2003年 364 56.0% 89 42.8% 74 48.8% 0.023
2004年 564 54.9% 118 33.1% 92 23.0% 0.020
2005年(予) 840 49.0% 170 43.5% 130 41.9% -
2006年(予) 1200 42.9% 230 35.3% 170 30.8% -

(国際会計基準)

※注:2003年12月1日1株→10株額面分割を実行

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