チャイナマンスリーレポート

9月号

2005年9月13日 内藤証券中国部

本土株

中旬以降、足踏み

8月の本土株相場は、一旦スピード調整となった。本土株を代表する株価指数である上海総合指数の動きを見ると、7月17、18日あたりをボトムに反転、力強い上昇トレンドにのって、8月上旬は、ほぼ一本調子で上昇した。中旬は頭が重く、18日は場中直近の高値を更新したものの、そこから大幅に下落した。その後戻りは鈍かったものの、下値も固く、31日には反転している。上海B株、深センB株とも上下の動きは同様。上海B株は総合指数との関連性が強い。しかし、深センB株は、上げが弱く、下げがきつい。むしろ、香港株と同じような動きとなっている。


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「股権分置」改革急進により相場転換へ

7月21日の人民元切り上げの影響は限定的。不動産など一部の内需系銘柄の株価を押し上げるにとどまった。相場反転の要因は、政府の進める資本市場育成策、株式市場救済に対する投資家の見方がポジティブになってきたこと。投資家の信頼回復が進んだ最大の要因は、「股権分置」問題の改革、すなわち非流通株の流通化改革が急速に進んだことであろう。(「股権分置」改革の詳細については、以前のマンスリーレポート、内藤証券HPなどを参照。)

株式譲渡が主流

第一次、第二次テストに選ばれた企業は全部で46社。うち8月末までに実施された企業は41社。1社が流通株主から拒否され、4社が未実施。わずかの例外を除き、ほぼテストは終了している。テストの内容は、非流通株主が流通株主に対して、株式を譲渡する方法が主体。10株につき2~5株の譲渡といった案が多い。現金を支給するケース、株、現金の譲渡を組み合わせるケースなどもある。

G銘柄が市場を牽引

テスト企業の株を権利が落ちる直前あるいは直後に買った場合、権利落ち後の株価はさえず、ほとんどが損をしている。株式分割の場合と同様、権利落ち後に株価が調整を受けるからである。しかし、テスト企業に選ばれる直前に購入していれば、すべての銘柄で譲渡された株式分、配当分に近い利益が得られている。G銘柄と称されるテスト企業に人気が集中、これらが核となって相場をけん引した。

A株市場でA,B同時上場銘柄が相次ぎ急騰

このG銘柄相場は次の上昇銘柄へと循環していった。“上海市や深セン市は業績不振の上場企業の株式を売り出し、その資金で不振企業のリストラを敢行しようと考えている。”こうした情報が市場に流れ、業績不振企業の株が買われることになった。結果的にそうした銘柄にA,B同時上場銘柄が多かったのである。

企業改革としての非流通株流通化

国有企業改革は遅々として進まない。資本市場から資金を集め投資を行ってもそれが実を結ばない。2年連続して赤字となれば、*ST銘柄(日本での監理銘柄に相当)に指定され、さらに赤字を続ければ上場停止となる。上場企業は赤字決算を是非とも防がなければならないような制度が用意されているものの、それが効果を生まない。上場廃止を避けるため、企業が不振に陥れば、その企業を助けるべく、親会社である地方政府が支援することになる。こうしたことを繰り返してきたのであるが、地方政府も財源には限りがある。今回の非流通株の流通化改革は、「投資家も地方政府も納得する。資本市場改革が進むことで監督官庁も納得する」といった、関係者にはいずれも有意義な改革である。

投資判断は強気

ファンダメンタルズ面は、政府による支援により改善が見込まれる。需給面からは政策主導による資金流入が期待される。本土市場に対しては、2004年2月の“二の舞”とならないよう、違法行為がないことを十分確認しながらではあるが、強気の投資スタンスで相場に望みたい。上海B株、深センB株ともに投資対象は、業績不振ではあるが、非流通株の流通化が行われ、政府支援が実施される可能性のある低位株が狙い目。低位株を中心に資金が循環しながら相場は上昇すると想定している。現在上がっている銘柄を覚えておいて、それが押し目を作ったところが投資のタイミングとしてはよさそうである。(田代)

香港株

年初来高値更新後、調整局面に

8月の香港株式相場は中旬まで上昇、ハンセン指数、H株指数、レッドチップ指数は15日に軒並み年初来高値を更新した。しかし、その後はいずれも急落して調整局面に入った。

手詰まり感から調整へ

7月の大幅上昇は、「人民元切り上げ期待の高まりを反映した」との見方が主流である。実際7月21日に中国人民銀行(中央銀行)が人民元改革を実施したことで、さらなる切り上げに対する期待が高まった模様。その勢いは8月中旬まで続いたものの、短期間に大幅な切り上げの可能性は低いとの見方が広がった。長らく市場の関心事となってきただけに、その反動でむしろ「材料出尽くし」と感じる投資家が増えたようだ。また、主要3指数とも7月に急ピッチで上昇してきただけに、「調整らしい調整もみられなかった」と警戒感を示す市場関係者も少なくなかった。一部では、長期投資を運用方針とする欧米系ペンションファンドがポジション調整を行うとのうわさも市場に流れた。このように、機関投資家の投資スタンスに変化が出たのではないかとの疑念も相場の雰囲気を悪くした。

大型株が軟調

急上昇をけん引したのは、大型優良株だった。その後の急落もこうした銘柄の調整が主導。ハンセン指数構成銘柄では、時価総額首位の匯豊控股(0005)を始めとする大型銀行株がさえなかったほか、新鴻基地産(0016)などの主力不動産銘柄も軟調。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げや原油高に対する懸念が相場の足を引っ張った模様。8月15日に8年来の高値を更新したH株指数だが、その後は下落、先月は結局▲3.7%となった。「高成長に終焉」との見方が出回り、ウォーレン・バフェットによる保有株の放出もうわさされた中国石油天然気(0857)が▲9.4%となった。H株で時価総額が首位を占めているだけに、指数の下げ要因としては影響が大きかった。レッドチップは指数から見れば、調整が比較的に小さいようにみえるが、実際は大型株の中国移動(香港)(0941)、中国海洋石油(0883)、聯想集団(0992)が大きく買われたことが指数を支えた。

先行きに不透明感

優良株の中間業績発表で、一部の優良銘柄にポジティブサプライズが出るとの期待はなお残っているものの、相場全体を押し上げていくようなエネルギーはなさそうだ。米国の超大型ハリケーンによる被害、石油相場の動向など、景気全体への影響を見極めたい投資家が増えている模様。有力な手掛かりがなければ、当面は調整局面が予想される。リストラ、下期の業績見通しなどを材料に、個別物色か。(陳)




中国の動向(短期)

中国の動向(中期)

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