チャイナマンスリーレポート

12月号

2005年12月6日 内藤証券中国部

本土株

上海総合指数の動向(週足) 上海総合指数の動向(日足)
中国本土株の動き(短期) 中国本土株の動き(短期)

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狭いレンジでの小動き

11月の本土株は狭いレンジでのボックス相場。何度か底割れしそうな局面があったものの、そのつど買いが入り、下ひげを付けて反発、下値は固かった。だからといって上昇力があるわけではなく、なかなか1,120ポイントを抜けて上昇することができない。月間上昇率は+0.6%。上海B株、深センB株も同様な動き。上海B株の上昇率は+2.0%、深センB株は+2.4%(チャート参照)。


新商品に投資家の興味が集中

投資家の興味はもっぱらワラントにある。8月下旬に宝山鋼鉄の非流通株主が流通化の対価としてコールワラントを発行・上場させた。11月下旬には武漢鋼鉄の非流通株主がコールワラント、プットワラントを発行・上場させた。後者については、証券会社も全く同条件で発行・上場させた。これら新商品に投資家の興味が集中、11月は大混乱となった。ワラント価格が原株価格を無視して変動、武漢鋼鉄では、一時的にコールワラント、プットワラントが同時にストップ高となる事態が生じた。株式ではできない日計り取引ができること、ストップ高、ストップ安水準が株式と比べて高いこと、価格変動が株式と比べて大きいこと、ものめずらしいこと、ほとんどの投資家が商品内容をしっかりと理解しておらず、証券会社も同様であることなどから、需給バランスが大きく崩れていった。

個人の売り、機関の買い?

政府は沈静化を呼びかけているがおさまらない。個人投資家の興味は、株式市場から離れている。しかし一方で、下げたところでは、機関投資家の買いが入っている模様。政府の協力要請があるのではないかといった見方をする関係者・投資家もおり、底割れは免れているといった状態である。


新規発行3銘柄の動向に注目

5日には、鞍山鋼鉄(コール)、万科企業(プット)、攀枝花新鋼ハン(プット)の3銘柄が上場する。これらの商品にも爆発的な人気が出るのかどうか大いに注目される


上海B株は相場の焦点ない

10月31日~11月30日にかけての上海B株個別銘柄の動きをみると、業績回復、業務内容の見直しを進める上海郵電通信設備(900930)が+12.4%、一度発表した非流通株解消案を投資家に有利な案に変更した華新セメント(900933)が+12.4%、財務面でのリストラの進む上海鳳凰自転車(900916)が+11.3%上昇した。一方、リストラ計画策定がうまく進まない上海友誼集団(900923)が▲4.9%、優良株、好業績銘柄、輸出関連が売られるといった展開となり、上海振華港口機械(900947)が▲4.6%、上海宝信ソフト(900926)が▲3.6%下げている。

中国国際コンテナに業績不安あり

深センB株の動きをみると、プットワラントを対価として支払うといった非流通株解消案を発表した万科企業(200002)が+20.5%、業績好調な不動産銘柄として、招商局地産控股(200024)が+17.6%、繊維貿易摩擦が一応の解決を見たことから深セン中冠紡織印染(200018)が+17.3%上昇した。一方、貸倒引当金繰入額を増やすと発表した杭州スチームタービン(200771)が▲12.4%、政府が親会社の株式を放出すると発表した*ST安徽古井貢酒(200596)が▲8.7%、業績見通しに不安感が広がりつつある中国国際コンテナ(200039)が▲6.5%下げている。上海B株と比べ、銘柄間格差は大きい。また、主力株の下げがきつい。

リストラ情報に注目

実験主義。ワラント取引導入の状況を見る限り、拙速、唐突な感を受ける。B株の国内開放でも同様な印象を受けた。一方で、中国式の行政は、決断が早いといった利点はある。今後も政策発動の予測は困難か。底値で買いが入る点には安心感がある。今後、金融市場の国際化、自由化は着実に進む。長期的には、先物取引をはじめ新商品の導入を進める一方、国際的に極めて異質であるB株の処理も進むであろう。12月は決算月。委託理財の売りなどグレーな株取引の清算、決算対策売りなどが出やすい。一方で、ST、*STとならないよう、実質的な親会社である地方政府との間でいろいろなリストラが行われる。株価動向が不安定になりやすい月でもあるが、チャンスも大きい月である。(田代)

香港株

3指数とも反発

主要3指数とも反発した。ハンセン指数は月初め、小高く始まったものの、7日に急落、月間最安値1万4,366ポイントをつけた。しかし、そこから反転、月間を通じて、緩やかな上昇トレンドを描いた。月間最高値は28日の1万5,100ポイント。30日は1万4,937ポイントで引けている。11月の月間上昇率は+3.8%。レッドチップ指数、H株指数とも同様の動き。前者の安値は7日の1,829ポイント、高値は28日の1,977ポイント、30日は1,963ポイント。上昇率は+7.6%。後者の安値は8日の4,877ポイント、高値は24日の5,112ポイント、30日は5,032ポイント。上昇率は+5.5%。

鳥インフルエンザ、金利上昇懸念、不動産市況の落ち込みが不安材料

月初めは、鳥インフルエンザ拡大懸念が消えず、小売やホテルなど消費関連銘柄が売られた。また、米国の金利見通しが不透明なため、様子見ムードが広がった。2日以降、香港の銀行が相次いで利上げを実施したが、これまで利上げを見送っていた分も合わせ、一度に50ベーシスポイント上げた。そのため、11月最初の週末、不動産販売は大きく落ち込んだ。週明け7日の急落は、不動産中心に主力銘柄が大きく下げたためである。

ブッシュ訪中で人民元上昇期待が再燃

ただし、下落は一時的。8日以降は、19日の米国ブッシュ大統領の訪中が強く意識され、人民元上昇期待が高まった。8日、貿易摩擦の象徴である繊維製品に関する協議において、米・中両国は合意に達した。米中が貿易摩擦の激化を回避する行動を取ったことに対して、市場は好意的に評価している。加えて、その見返りとして、人民元問題で中国側が譲歩するのではないかとの見方が広がった。結局、切り上げも、目立った上昇もなかったが、中国政府は人民元改革の継続を再び強調したため、投資家の人民元上昇期待は弱まることなく続いている。

リンクリートの募集も無事終了

また、連動性の高い米国や日本など先進国の株式市場は堅調に推移した。金利上昇懸念から思ったほど売れないのではないかと心配された不動産投資信託(REIT)「リンクリート」(領匯房地産投資信託基金)の募集も無難に終わった。いずれも相場を下支えする材料となった。

金利見通しに対して市場は神経質に反応

18日以降、市場では利上げ打ち止め観測が広がった。米国時間の22日、それがより鮮明となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の中で、過度な引き締めに対する警戒感が示されていた。米国では長期金利が急低下し、株価が上昇した。香港市場でも、金利敏感株である不動産株が大きく反発し、相場全体を押し上げた。ただし、月末の2日間は、米国の新築住宅販売件数など経済指標が市場コンセンサスを上回ったことで、インフレ懸念、利上げ懸念が再燃。それが嫌気され、関連株は幅広く売られ、相場が調整を余儀なくされた。

事業再編組の上昇が目立つ

10月31日~11月30日にかけての個別銘柄の動きをみると、ハンセン指数構成銘柄では、華潤創業(0291)が+20.5%。石油関連、ふ頭関連業務の売却などの再編計画が評価され、複数の大手投資銀行がレーティングを引き上げた。H株では、中国アルミ(2600)はアルミナ価格上昇のほか、M&A計画も買い材料となり、+19.8%。親会社による公開買付けを受け、中国石化鎮海煉油化工(1128)が10%台の上昇となった。中国石油化工(0386)も+12.1%と大幅に上昇した。他社との合弁計画を発表した西安海天天線科技(8227)は+39.5%、新大株主や仏社との提携が好感された東方電機(1072)は+34.7%。株主構成の変更、業績好転の兆しを材料に東北電気(0042)は+34.0%。人民元高予想に絡んで本土不動産の関連銘柄も大きく上昇。北京の新規物件で多額の資金回収ができそうな北京首創置業(2868)は+21.6%。主業が建築で不動産開発にも手がけている宝業集団(2355)は、ゴールドマンサックス傘下企業にH株割当発行したことが買い材料となり、+21.1%。原油相場の反落が好感され、中国国際航空(0753)など本土航空大手3社がともに10%台の上昇となった。ハンセン指数構成銘柄の国泰航空(0293)も+10.7%。

12月は上昇月?

香港市場は伝統的に12月が堅調となるといった傾向がある。ただ、金利動向、不動産市況、米国株式相場、鳥インフルエンザなどの懸念材料が存在する。12月に香港で開かれる世界貿易機関(WTO)の閣僚会議に対する抗議活動にも要注意。(陳)


表.各市場と参考銘柄
市場 参考銘柄
上海B株 上海錦江国際酒店発展(900934) 上海錦江国際実業投資(900914)
上海金橋輸出加工区開発(900911)  
深センB株 山東チンミン紙業(200488) ロータイ紡織(200726)
万科企業(200002) 一致薬業(200028)
H株 広深鉄路(0525) 中国石油天然気(0857)
広州薬業(0874) イ柴動力(2338)
魏橋紡織(2698) 中国国際航空(0753)
レッドチップ株 招商局国際(0144) 王朝酒業(0828)
その他香港株 蒙牛乳業(2319) 地鉄公司(0066)
新奥燃気(2688) 北泰創業(2339)

今回入れ替えた銘柄

中国株の動向(短期) 中国株の動向(中期) 中国株の動向(長期)

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