チャイナマンスリーレポート

12月号

2005年12月6日 内藤証券中国部

万科企業(200002 SZ)

開発主体の民営不動産会社

開発主体の不動産会社。中央政府の直轄する投資会社である華潤グループが大株主。だだし、同グループはキャピタルゲインを得ることを目的にした純粋な投資会社。また、同グループ株を含め、非流通株は14.6%(05/6末)に過ぎない。経営の自主権からみれば、同社は全くの民営企業である。

政府系と比べ不利な経営環境にありながら、人脈、情報力、分析力を武器に成長を遂げる

1984年、深セン市で設立。社会主義の中国では、現在でも土地は公有制である。こうした極めてデリケートな商品である“土地”を扱う商売において、同社は“市場で仕入、市場で売る”といった市場経済の枠組みの中で成長してきた稀有な企業。開発用地は条件の良くない、都市と農村の境目辺りが多い。豊富な人脈に加え、優れた情報力、分析力を武器に、高い投資判断能力を身に着けることによって、業容は着実に拡大、現在は、全国展開を果たしている。

上海、深センが中心

地域別利益(05/6中)は以下の通り。上海43%、深セン40%、その他(広州、北京、南昌、成都など)17%。ネクタイ族と呼ばれる民営系、外資系サラリーマン、自営業者など向けの中級クラスの物件が中心。

不動産ブームにより業績は好調

不動産ブームに乗り、03年、04年は大幅増収増益を達成、05年も高成長が続いている。不動産業界全体としては、政府の過熱抑制策により、今後、価格は弱含み、販売は落ち着きを取り戻すであろう。ただし、政府は来年も8%台の成長を目標としており、設備投資の高成長は続こう。不動産は設備投資の牽引役である。不動産投資の伸び率は鈍化するものの、引き続き二桁程度の伸びが期待される。1998年からはじまった住宅の市場化は、長期間かけて実行される。潜在需要は大きい。

売り急ぎから業績面ではポジティブサプライズがありそう

今期業績の高い伸びは、開発販売サイクル上の当たり年であること、前倒しで販売を加速させているためなど。特に上海の物件の販売を急いでいる。来年上期あたりまでは、業績面でのポジティブサプライズが期待できそう。高い配当還元も魅力。ただし、半年以内に一旦売り時がありそう(田代)。(チャート参照

業績推移    (単位:百万元、元/株)
  売上高 伸び率 営業利益 伸び率 純利益 伸び率 EPS 配当
(元/10株)
2003年 5,973 36.3% 815 55.0% 521 36.4% 0.2600 注1
2004年 7,257 21.5% 1,254 53.8% 874 67.8% 0.3900 注2
2005年(E) 8,500 17.1% 1,700 35.6% 1,200 37.2% 0.5278 -
2005年1Q 1,886 83.0% 376 127.3% 252 140.1% - -
2005年中 4,334 75.6% 1,134 136.9% 795 152.6% - -
2005年3Q 5,556 59.9% 1,324 125.4% 872 126.4% - -

(国際会計基準)
注意1 10:1株式配当、10:4無償増資、0.5元/10株の現金配当
注意2 10:5の無償増資、1.5元/10株の現金配当
注意3 2005年の四半期、中間期は中国会計基準

投資指標 (国際会計基準)
株価(11/30、HK$/株) 4.53
予PER(2005年(E)、倍) 8.9
PBR(2004年、倍) 1.71
ROE(2004年、%) 13.9%
配当利回り(11/30終値ベース、%) -

注意1 予想PER計算のための株数は前期末
注意2 ROE計算のために使った自己資本は期末

中国国際航空(0753 HK)

中国最大の航空会社

中国最大の航空会社、航空貨物会社。北京を本拠地としており、国際線に強みを持つ。ちなみに、東方航空は上海、南方航空は広州が本拠地。これらあわせて、三大航空会社と称される。

90年代、業界は大混乱

中国の航空業界は80年代中頃までは、中央の機関である民航総局が事業を独占していたが、その後、経営権を下放、急速に規制緩和を行った結果、全国に渡り、無秩序、無計画に航空会社が乱立、業界全体で、輸送能力は過剰となり、非効率的な航空網が形成されることになった。過当競争により航空運賃が低下し続け、赤字路線が大幅に拡大、ほとんどの航空会社が赤字体質となってしまった。

中央による業界再編が進行中

こうした状況で通貨危機が発生、航空会社は深刻な経営難に陥ってしまったことから、1998年を境に中央が各社の経営自主権に大きく介入することとなった。現在、中央主導により、三大航空会社に経営権が集中する形態へと業界再編が進められており、価格競争の沈静化、路線の効率化が進みつつある。

北京発展の恩恵は大きい

中国は国土規模、経済成長力からみて、航空業界において、世界で最も有望な市場の一つである。北京は首都であり、オリンピック開催地でもあり、潜在的な経済成長力は高い。また、地理的、政治的条件から、北京空港はハブ空港として大きく発展する可能性が高い。こうした北京の持つ優位性を背景に持ちながら、三大航空グループの中で、先んじて再編を終えていることから、コスト競争力、経営効率の面で優位にある。

人民元切り上げ、原油価格低下で株価は上昇期待

航空会社は、外貨での借入、仕入が多い反面、収入の大半は人民元であり、人民元切り上げで最もメリットを受ける産業である。また、売上高の約3割相当が燃料費であり、その燃料費は原油価格に連動する。今後、原油価格が低下すれば、航空会社は大きなコストダウン効果が見込まれよう。今期は減益必至だが、来期以降はコスト低下、旅客、貨物の拡大、過当競争の沈静化などから業績は回復へ。株価は底値圏で推移しており、仕込みのチャンスと思われる。リスク要因は、鳥インフルエンザの拡大。ただし、政府管理の徹底から、その可能性は低いだろう(田代)。

業績推移   (単位:百万元、元/株)
  売上高 伸び率 営業利益 伸び率 純利益 伸び率 EPS 配当
(HK$/株)
2003年 24,641 -1.4% 2,284 -30.5% 160 -68.1% 0.0250 無配
2004年 33,521 36.0% 4,485 96.4% 2,386 1394.9% 0.3600 無配
2005年(E) 38,000 13.4% 3,300 -26.4% 1,700 -28.7% 0.1878 -
2006年(E) 43,000 13.2% 4,000 21.2% 1,900 11.8% 0.2099 -
2004年中 14,773 - 1,791 - 788 - - 無配
2005年中 16,939 14.7% 1,397 -22.0% 591 -25.0% - 無配

投資指標  (国際会計基準)
株価(11/30、HK$/株) 2.675
予PER(2005年(E)、倍) 14.8
PBR(2004年、倍) 1.11
ROE(2004年、%) 12.1%
配当利回り(11/30終値ベース、%) -
万科企業(200002 SZ, Bloom Berg より)
中国国際航空 (753 HK, Bloom Berg より)

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万科企業(200002 SZ) 中国国際航空 (753 HK)

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注意1.  レシオケーターとは、(t時点の対象銘柄の株価/t時点の指数)/(基準時点の〃/基準時点の〃)
注意2. 薄い色の線は元データ、太線は加重移動平均
(Pt=0.18*Pt+0.16*Pt-1+0.15*Pt-2+0.13*Pt-3+0.
11*Pt-4+0.09*Pt-5+0.07*Pt-6+0.05*Pt-7+0.
04*Pt-8+0.02*Pt-9")

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