チャイナマンスリーレポート

1月号

2005年12月29日 内藤証券中国部

本土株

上海総合指数の動向(週足、1/1/99~12/23/05)
上海総合指数の動向(週足、1/1/99~12/23/05)

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夏にダブルボトムを形成

2005年の本土株は大きなトレンド転換を試す年であった。本土株を代表する指数である上海総合指数の動きを見ると、2月下旬から3月上旬にかけてと、4月中旬にリバウンドしたものの、2001年6月あるいは2004年4月をピークとする下降トレンドを脱しきれず、6月6日には1,000ポイントを割り込む水準にまで下落した。その後切り返したものの、すぐに下落、7月中旬には再度1,000ポイント直前まで下落した。しかし、そこから切り返すと、ダブルボトムを形成。しばらく上昇し、8月18日には一旦1,200ポイントを回復している。その後は下落に転じ、10月下旬には1,100ポイントを割り込んだ。しかし、その後は下げ渋り、緩やかに下値を切り上げ、じりじりと上昇を続けている。年間の変化率は▲8.9%(2004/12/31~2005/12/27)。


業種別ではファンダメンタルズ通りの動き

2005年におけるA株市場の業種別の動きをみると、小売・卸売、食品、医薬品、陸運サービス、銀行といった業種が指数を上回っている。ディフェンシブなところが買われており、まるで景気後退期のような相場つきであった。一方、下げた業種は、紙・パルプ、電力、ガラス・土石、不動産、繊維、鉄鋼、電気機器、ゴム製品、石炭など。原油高、経済過熱、貿易摩擦などを反映した動きとなっている。

内需関連が買われる

2005年におけるB株の主な上昇銘柄、下落銘柄は以下の通り。不動産、消費関連が上位を占めている。人民元切り上げによって、内需関連が買われている。逆風となった輸出関連、自動車関連であっても、業績さえしっかりしているものは買われている。一方、電器、電力、アパレル、自動車などの業績不振企業が大きく下げている。

上海B株、深センB株の上昇率ベスト5、ワースト5

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この4年間にわたる下げ材料であった“非流通株の解消”が始まる

今年の本土株式市場で最も重要な出来事は非流通株の解消である。 “権利上矛盾の大きい非流通株”の解消は、資本市場の国際化・自由化を進める上で、真っ先に行わなければならない問題であった。また、非流通株解消問題は、2001年6月以降の下げトレンドを形成するに至った主要な要因であった。完全に解消されるまでにはまだ時間がかかるが、解決の道筋ができた点は大きく評価できる。

市場の「機関投資家化」は着実に進展

2005年は、資本市場改革においていろいろな政策が出された年となった。たとえば、「証券法」「会社法」の改正(2006年1月1日より施行)、銀行による投信会社設立、保険会社によるファンドを経由しない形での株式投資、ETFの上場、株式公開におけるブックビルディング方式の導入、QFII制度の枠拡大など。発行市場、流通市場ともに積極的な改革が行われている。人民元切り上げ直後の1ヵ月間を除き、投機的な株価変動は抑えられており、市場の「機関投資家化」は着実に進んでいる。

政策相場により上昇トレンドへ

2006年は、資本市場改革がさらに進むことになるであろう。QFII制度に対する規制の緩和、銀行、保険、事業法人の株式運用に対する規制の緩和、証券会社の救済・育成などにより、株式市場の体質は大きく改善されるであろう。リスク要因はマクロ経済と企業業績。ハードランディングが回避される限り、政策相場により、本土株式市場は順調に拡大すると予想される(田代)。

香港株

ハンセン指数は+6.6%上昇、H株指数は+11.4%上昇、レッドチップ指数は+28.2%上昇

ハンセン指数は年初からしばらくは軟調な展開となり、4月18日には年間(ただし、12月23日までの期間)最安値である1万3,355ポイントを付けた。その後せまいレンジでのもみ合いが続いたが、6月以降上昇に転じ、8月15日には年間最高値である1万5,466ポイントをつけた。しかし、その後はいったん調整局面に入った。11月以降は底打ちし、再度上昇に転じた。12月23日の終値は1万5,183ポイント、年間の上昇率は+6.6%。H株指数は、年初から4月上旬にかけての約3ヵ月間、7月の後半、12月にパフォーマンスがハンセン指数を上回った。年間最安値は5月26日の4,501ポイント、最高値は8月15日の5,539ポイント。12月23日の終値は5,308ポイントで、年間の上昇率は+11.4%。レッドチップ指数は年初こそハンセン指数とH株指数と大差がなかったものの、4月下旬以降、徐々にパフォーマンスが上回るようになった。5月中旬~8月上旬にかけて急上昇、その後の調整局面でも一貫してハンセン指数とH株指数を上回る状態が続いた。年間最安値は1月11日の1,441ポイントで、最高値は12月2日の2,032ポイント。12月23日の終値は2,009ポイント、年間の上昇率は+28.2%。

年初は切り上げ観測が後退

2004年、香港市場は人民元切り上げ期待によるホットマネーであふれていたが、2005年初めは、切り上げ観測が一旦後退、ホットマネーの流出が懸念され、3指数ともいったん大きく落ち込んだ。ただし、マクロコントロールによる引き締め効果が懸念されたほど深刻ではなかったことに投資家が気づきはじめ、H株指数は1月下旬から2月末にかけて急反発した。

利上げ、マクロコントロール強化への懸念が下落要因

しかし、3月に入ると、米連邦準備制度理事会による利上げが継続する一方で、米国景気への先行きに不安感が出始め、米国株が急落。3指数とも軟調な展開となった。また、中国の1~3月期のGDP成長率が9.5%に達し、政府がさらにマクロコントロールを強めるであろうとの懸念から、H株指数の下落が顕著となった。

当局は為替管理制度を変更、投機抑制を図る

ホットマネーによる投機に対抗するため、5月18日、香港金融管理局は香港ドルの目標圏制度を導入、香港ドルの実勢レートは、1米ドル=7.75~7.85HKドルの範囲内で変動することになった。この制度変更により、香港ドル買い投機はおさまり、株価も安定するようになった。また、この改革は人民元切り上げへの準備ではないかとの見方が市場に広がり、切り上げの具体的な期日までうわさされるようになった。

人民元切り上げで上昇

7月21日の夕方、中国人民銀行は人民元の対米ドル為替レートを2%切り上げると発表、同時に通貨バスケットを参考にすることを明らかにした。この決定を受け、3指数とも大きく上昇した。しかし、その後の追加切り上げはなく、米国の利上げ継続で米ドル高が生じ、主力の不動産株が軟調となったことから、資金の流出が再び懸念されるようになった。

H株のIPOは世界最大

しかしその後、市場の関心は大型資金調達に集中するようになった。とりわけH株の大型IPO(新規公開)が今年の香港市場の資金調達額トップ6を独占。中国建設銀行(0939)はここ4年来で世界最大規模のIPOとなったほか、神華能源(1088)、交通銀行(3328)も大規模なファイナンスとなった。この3社だけで調達額が1,100億HKドルを超えた。そのほか、初めての不動産投資信託(REIT)「リンクリート」の募集が行われ、216億HKドルの資金調達が行われた。ちなみに、この調達額を先ほどのランキングに加えると、第3位に相当する。

中国関連株が市場をけん引

ハンセン指数について、1月3日~12月23日の個別銘柄の株価を見ると、指数上昇をけん引した15銘柄のうち、6つが本土関連銘柄であった。上昇率首位は聯想集団(0992)で54.8%上昇。IBMのパソコン部門買収計画が明らかになった当時、「蛇が象を飲み込む」と揶揄されたが、足許の業績が市場予想を上回り、両社の取引がWin-Winであるとの認識がしだいに拡大した模様。2位は中国移動(香港)(0941)の46.2%高。市場シェアが確実に拡大しており、競争優位が評価されたほか、3G(第三世代移動通信)の普及に対する期待も追い風となった。また、6銘柄ともレッドチップ指数の構成銘柄でもあるため、レッドチップ指数は大きく上昇した。

銀行不振、不動産はまちまち

一方、中遠太平洋(1199)は▲10.9%下落、最下位となった。ただ、ハンセン指数の足を引っ張った最大のセクターは銀行株と一部の不動産株だった。時価総額最大の匯豊控股(0005)が▲5.4%、恒生銀行(0011)が▲5.7%、東亜銀行(0023)が▲4.1%、中銀香港(2388)が▲1.0%と大型銀行が全滅。交通銀行と中国建設銀行の上場で市場の資金を分流させたとの意見が多い。不動産株では、長江実業(0001)、信和置業(0083)などが上昇したが、新鴻基地産(0016)、恒基地産(0012)などが売られた。新世界発展(0017)は+29.7%高となったものの、ヘッジファンドなどの仕手筋による仕業との見方が一般的である。

H株は、非鉄金属、石油、石油化学などが好調

H株指数について、1月3日~12月23日の個別銘柄の株価を見ると、上昇率首位は紫金鉱業(2899)。国際金相場の高騰に伴い、1年間で+95.7%上昇した。アルミナの価格上昇を背景に中国アルミ(2600)も+29.7%上昇した。そのほか、大型株の中国石油天然気(0857)も原油相場の堅調で+51.2%上昇、中国石油化工(0386)も+21.1%上昇した。また、人民元切り上げ期待を背景に金融株の一部も堅調。中国人寿保険(2628)が+28.3%上昇したほか、新規上場の交通銀行と中国建設銀行の株価も底固い展開となっている。

電力株、海運株が低迷

一方、電力株はさえなかった。華能国際電力(0902)、華電国際電力(1071)が大きく下落した。コスト高を転嫁出来ない上、2006年には電力の供給過剰が懸念されているため。海運関連は原油相場の高騰が嫌気され、中海コンテナ運輸(2866)、中海発展(1138)なども大幅下落。航空関連も同様。

“勝ち組”“負け組”の判別が重要

2006年の注目すべきテーマは、今年と同様、「人民元切り上げ」、「マクロコントロール」、「非流通株の解消」など。ただし、個別銘柄の株価動向については、あくまで企業業績に大きく依存している。たとえば、マクロコントロールの対象業界であるにもかかわらず、宝業集団(2355)などの不動産関連株は2005年の後半、業績好調を材料に、大幅に上昇している。また、中国建設銀行のように、手頃な価格で買え、比較的リスクの低そうな銘柄もある。中国銀行や中国工商銀行の上場を控え、“業者による買い支え”への期待も高い。成長率のスローダウンにともない、企業間競争の激化が予想されるが、2006年は勝ち組、負け組みの差が鮮明となりそう。安徽海螺水泥(0914)のように、これまで売られすぎた銘柄が大きく反発することも予想される。 (陳)


中国株の動向(中期)
中国株の動向(長期)

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