2005年12月29日 内藤証券中国部
ケイマン諸島籍の民営自動車部品メーカー。会長、社長が実質的な大株主。2005年3月期の部門別売上高では自動車部品が84%、建築用金具類(ドア用品、レールなど)が16%。後者の利益率は低く、構成比も年々低下しており、主力は自動車部品である。その内訳は、ブレーキ・シュー60%、ブレーキ・プレート14%、これらの製品の仕入販売18%、ブレーキ関連商品やジョイントなどの仕入販売8%。
生産は安徽省、北京市。販売はすべて輸出。地域別では米国50%、カナダ30%、欧州20%。主力製品であるブレーキ・シュー、ブレーキ・プレートは、主に補修用。販売先はハネウェル、レムフォルダーなど欧米の大手自動車部品会社である。
世界の自動車産業は供給過剰気味。欧米企業を中心に価格競争は激しさを増している。こうした環境下で部品会社に対する値下げ圧力は強く、アウトソーシング化が進展し始めている。家電、パソコンに続き、自動車までもが、中国を生産拠点とし始めている。同社はそうした生産革命の流れに乗ろうとしている。
圧倒的な価格競争力を持つ。アセアンの競合先とくらべても、およそ10%の価格差がある。一方、ブレーキ関連製品は高い安全性が求められ、厳しい安全基準を満たさなければならない。この点では、国内最大手の同社は同業と比べ優位にある。圧倒的な価格競争力、高い製品の安全性、販売実績から生まれる高い信頼性、広範な販売網などが同社の強みである。
値下げ圧力は同社にもかかる。今後の発展戦略は、規模を拡大することではなく、付加価値の高い製品へと、生産シフトを進めることにある。新たにブレーキ摩擦材の製造、サスペンションシステムの組み立てを開始した。今後はサスペンション部品の製造、ブレーキシステムモジュールの製造へとシフトを進める計画である。業績は、今後も高い伸びが期待できそう。予想PERも6.9倍と割安。中長期成長銘柄として注目(田代)。

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四大国有銀行の一つである中国建設銀行、全国展開する都市銀行では最大規模の交通銀行、中国最大の石炭会社の神華能源など、今年11月までに香港メインボードに上場した中国企業(H株)は7社、調達した資金は2兆円にも及ぶ。ちなみに同じ時期における日本の証券市場で調達された資金は6,800億円程度に過ぎない。いまや、中国は日本以上に資本主義経済を実践しているといえよう。
安価で豊富な労働力、広い土地、政治の安定、法整備や市場化に向けた体制改革の進展など、中国経済には発展の基礎的条件が備わりつつある。中国は、WTO加盟によって、国際化・自由化を通じ、国際経済システムの輪の中に組み込まれることが約束されたのである。輸出産業の急速な発展が示すように、資金、市場、良質な企業経営がそろえば、世界市場で大きく発展できることが証明された。輸出産業での成功が将来の内需産業の急速な発展を担保していると見ることもできる。グローバルな国際市場では、金融機関ばかりでなく投資家も、ここ10年弱、特にここ数年、中国資本市場に大きな関心を寄せている。国際金融市場ではファンダメンタルズの分析に重点が置かれるが、国際金融市場において中国企業のファイナンスがこれほど活発であるという点は大いに注目される。彼らは、中国企業の将来性を高く評価しているといえよう。
WTO加盟後4年が経過した。2006年12月には商業銀行業務の自由化が約束されている。金融市場改革がいよいよ終盤に差し掛かってきており、中国政府は資本市場開放に対しても積極的に取り組み始めている。今年行われた資本市場改革で一番大きな出来事は非流通株の解消である。非流通株の存在は国際的にみて極めて異質であった。時間はかかるかもしれないが、その異質なものが一つなくなるのであり、中国資本市場は国際標準に大きく近づいたのである。
A株市場の部分開放であるQFII制度(適格海外機関投資家制度)が実質的に導入されたのは、2003年の春である。最初に決めた総額40億ドルの枠は既に使い切っており、新たに100億ドルにまで枠は広げられている。現状では世界で有数の規模の機関投資家以外はQFII制度の資格を得られない。日本では大手証券会社3社しかQFIIの資格を認定されていない。もし来年、枠の拡大だけでなく、資格基準が緩和されれば、政府の意図通り、日本を含め世界中から巨額の資金が本土資本市場に入り込むことになるだろう。
中国政府も欧米の機関投資家も中国本土の株式市場において、機関投資家が主要なプレーヤーとなり、ファンダメンタルズの評価が株価の評価を支配するような欧米型市場に近づくことを望んでいる。これはA株市場に関することであるが、H株投資にもこの変化を応用することができよう。現在A、H株価差は縮小傾向にあり、銘柄によってはH株の方がA株よりも高い銘柄も出てきた。今後A株の市場開放が進むと同時にバリュエーションの均質化が進み、A株とH株との連動性が高まるだろうと予想される。A株市場で起きた動きはH株市場にも伝播するはずである。H株投資において、こうした動きを先回りするのであれば、流動性が高く、経営内容がしっかりしていて、ディスクロージャーもよい企業、大型株に注目すべきであろう。
2006年は中国最大規模の銀行である中国工商銀行、四大銀行の一角である中国銀行のH株上場が計画されている。金融市場の開放はこれから大きく進む。人民元切り上げが必至であることを踏まえ、銀行、保険を中心に、通信、素材など内需系の大型企業に注目したい。投資スタンスは長期である(田代)。
| 銘柄 | コメント |
|---|---|
| 中国建設銀行(0939 HK) | 四大銀行の一角。大型投資案件に強み。 |
| 中国人寿保険(2628 HK) | 中国最大の生命保険会社。市場の成長性に期待。 |
| 平安保険(2318 HK) | 民間保険会社。欧米流の先進的な経営が強み。 |
| 中国移動(0941 HK) | 携帯電話最大手。過当競争は沈静化。市場の成長性が魅力。 |
| 中国電信(0728 HK) | 固定電話最大手。インターネット分野の成長期待。 |
| 鞍鋼新軋鋼(0347 HK) | 中国最大級の鉄鋼会社。高付加価値製品への投資に期待。 |
| 中国国際航空(0753 HK) | 中国最大の航空会社。北京が拠点。国際線に強み。 |
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