チャイナマンスリーレポート

2月号

2006年2月8日 内藤証券中国部

本土株

上海総合指数の動向(週足、1/1/99~1/25/06)
上海総合指数の動向(週足、1/1/99~1/25/06)
上海総合指数の動向(日足、12/1/05~1/25/06)
上海総合指数の動向(日足、12/1/05~1/25/06)
中国本土株の動き
中国本土株の動き

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B株は暴騰

上海総合指数の動きは上図に示す通り。1月第三週の初めに小さな押し目があり、年末、春節直前に頭打ちとなったが、それらを除けば、指数は12月初旬以降綺麗な上昇トレンドを描いている。一方B株は急騰した。B株は年初から上海総合指数に対してアウトパフォームしていたが、18日、19日の両日暴騰、そこで総合指数との差は大きく拡大した。両日、上海B株は、それぞれ9.1%、9.3%、深センB株は7.6%、3.7%上昇した。ちなみに、ST、*STのストップ高は5%、その他のストップ高は10%。9%を超える指数の上昇は、ほとんどの銘柄がストップ高水準まで買われたことを示している。

A株は上昇トレンドへ

B株の上昇はA株の上昇がまずベースとなっている。A株が緩やかに上昇している要因は、(1)QFII枠が拡大されたことにより、海外からの資金が流入したこと、(2)非流通株の解消が急ピッチで進み、全株流通への道筋がはっきりと見えてきたことにより、需給悪化懸念が後退しつつあること、(3)全人代を控え、政策期待が市場に広がったこと、(4)資本市場改革が進むに連れて投資家の政府に対する信頼が回復しつつあることなど。

海外投資家へのA株譲渡、制限付き解禁へ

こうした要因に加え、1月4日、商務部や中国証券監督管理委員会(CSRC)など政府5部門は、戦略的海外投資家のA株保有に関する管理弁法を発表、海外の戦略投資家は、非流通株の解消を終えた上場企業のA株(旧非流通株)を取得したり、第三者割当増資を受けたりすることができるようになった(ただし、春節明け以降)。QFII制度以外での外国人のA株取得が認められた点で、株式市場の対外開放は大きく進んだといえる。現在A株市場に最も興味を抱いている投資家は、海外の投資家、特に欧米の投資家である。国際分散投資を行う彼らにとって、現在の中国の経済規模、貿易規模、成長性などから判断して、中国株に対する資産のウェイトは非常に小さい。A株の供給を増やしさえすれば、外国人投資家はいくらでも買うといった状態であろう。

非流通株の解消の過程で外国人投資家を利用

政府にとっても、非流通株の解消をスムーズに行うためには、彼らの市場参加が不可欠である。今年の7月以降、G株銘柄は続々とロックアップ期間が開け、発行済み株式総数の最大5%までの範囲で、売出が行われる可能性がある。その際、これらの株式を、市場を通さず買ってくれる主体として、外国人投資家への期待は大きい。ちなみに、外国人投資家は、A株購入後3年間は株式を売却することができない。暫くは、まったく需給悪化しない構造となっている。

A株、B株の統合が材料視される

B株急騰の直接の要因は、1月18日、ブルームバーグ社が報じた「上海証券取引所:人民元建てA株とドル建てB株を統合へ」といったニュースである。上海証券取引所幹部が、「今年、上海証券取引所はA株とB株を統合する計画」と発言し、材料視された。

当局はA株投資への規制緩和を検討中?

また、翌日、ブルームバーグ社から「中国政府、外国人の人民元建て株投資制限を緩和も」といったニュースが伝えられた。外資の働きによって、当局はA株の投資規制緩和を検討中といった内容であったが、これも大きな材料となった。

上海B株、深センB株のベストテン、ワーストテン
上海B株、深センB株のベストテン、ワーストテン

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1月の上昇率、下落率ベスト10は前頁に示す通り。A-B株価差の大きなものが買われている。信息産業部は20日、中国が自主開発した3G(第三世代移動通信)規格「TD-SCDMA」を採用すると発表した。同技術の各種試験が完了したと説明。メーカーへの生産指導が本格化するとみられる。通信機器関連が買われている。深センB株では、通信機器関連でもあり、黒転見通しを発表した南京普天通信が大きく買われている。

上海B株銘柄に関するA、B株価倍率ベストテン
上海B株銘柄に関するA、B株価倍率ベストテン

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米中関係に注目

今回の上昇要因は、資本市場の改革、外国人への資本市場の開放などに繋がるものばかりである。WTO加盟後4年が経過したものの、遅々として進まなかった資本市場の国際化・自由化がいよいよ進展し始めた。人民元切り上げと並び、米国は中国に対してどのようにそれらの進展を促していくのか。その進展如何で株価は敏感に反応しよう。

銘柄選択のキーワードは、A、B株価差、相対株価上昇、低位株など

上海B株について投資戦略を示したい。まず、対象銘柄は、A、B株価差が大きいものを中心とする。中国株は経験的に相対株価にトレンドがでやすい。相対株価が上昇トレンドに乗っているか、これから乗りそうな銘柄でスクリーニングする。そこから業績不安がありそうな銘柄をはずす。また、A株株価がなかった銘柄、A株を上場していない銘柄についても、同様な観点から銘柄を抽出する。以下のような作業を行った結果が、上表の色つきの銘柄である。上昇相場を想定するならば、“株価の安い銘柄の上昇率は高い”といったアノマリーが過去数年のデータを分析する限りみられる。これらの条件を組み合わせて銘柄選択してみたらどうだろう(田代)。

香港株

ハンセン指数は5.9%高

年明けのハンセン指数は大幅に上昇。月初めは9連騰し、13日に月間最高値の1万5,787.97ポイントをつけた。その後は調整局面に入り、23日には月間安値の1万5,464.77ポイントで引け、その後狭いレンジでのもみ合いに入った。月末の27日は再び大きく上昇し、先月終値と比べ5.9%高の1万5,753.14ポイントで引けた。

H株は17.8%高

H株指数は月初めに5連騰。その後も短期間の調整を挟んで上昇トレンドを維持。月間安値は3日の5,412.99ポイント、高値は27日の6,277.05ポイント。先月終値と比べ17.8%高と急伸した。

レッドチップは8.5%高

レッドチップ指数はハンセン指数とよく似た展開。月間安値は3日の1,954.59ポイント、それからは10日の小幅下落を除き、上昇し続けた。16日に月間高値の2,091.97ポイントをつけた後、もみ合いが続いた。月末は2,099.25ポイント、先月末と比べ8.5%上昇。

複数の“好材料”で相場は上昇

月初めは米国の利上げ打ち止め観測と人民元改革に対する期待が好材料となった。米国では3日、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開され、その内容から利上げの打ち止め観測が広がった。一方、中国人民銀行が人民元と外貨の交換で、銀行同士の相対取引を認めた。人民元の切り上げではないが、相場形成が一層柔軟化するとの期待が高まった。それを背景に、香港市場への資金流入が大幅に増加。売買代金は4~5日の2日間はいずれも300億HKドル台の大商いとなった。その後も高水準で推移。中旬以降、目新しい材料に乏しく、ハンセン指数は調整局面に入ったが、H株はなお堅調。中国の貿易黒字が歴史的に増加したことで、人民元切り上げ圧力が増すのではないかとの思惑が株価を押し上げた。一方で、中国政府はGDPの上方修正を実施、経済規模が世界5位まで浮上した。これまで「消費を過小評価」していたため、「投資に偏りすぎ」と考えられていた中国経済は、「思ったほど脆いものではない」との見方が広がった模様。それを受け、出遅れ感のあるセクターにも買いが膨らみ、相場全体は活況となった。

出遅れ銘柄の上昇が目立つ、不動産株も堅調

12月30日~1月27日の個別銘柄の株価動向を見ると、不動産関連の恒隆地産(0101)、招商局国際(0144)などが堅調なほか、自動車の駿威汽車(0203)など出遅れ感のある銘柄の上昇率が目立った。そのほか、原油高を背景に中国海洋石油(0883)も堅調。一方、昨年のハンセン指数をけん引した中国移動(香港)(0941)の伸び率が鈍化。そのほか、昨年の上昇率首位を占めた聯想集団(0992)は逆に下落率トップとなった。足許業績が市場コンセンサスを大きく下回り、粗利益率の低下が嫌気された。

H株は幅広く物色された

H株は幅広く物色された。人民元の先高感が強い中、中国建設銀行(0939)、中国人民財産保険(2328)などが10%台の上昇率だったが、指数の足を引っ張る下位銘柄となったほどである。一方、交通銀行(3328)が27.7%高など指数をけん引。自動車関連では、中国航空科技工業(2357)、長城汽車(2333)が50%近く上昇。最近上場の東風汽車集団(0489)も28.2%高。業界では生産過剰や値下げ競争がなお厳しいとの意見が多いが、株式市場では「売られすぎた」との見方が広がっている。不動産関連は販売好調から、北京首創置業(2868)が41.8%高、復地(集団)(2337)が33.0%高と好調。また、金相場が堅調なため、紫金鉱業(2899)は大幅続伸。昨年さえなかった江西銅業(0358)も30%近く上昇。銅生産の際副産物として金が発生することが注目された。原油高を背景に中国石油天然気(0857)も指数をけん引。反面、コスト高が嫌われた中国南方航空(1055)、中国東方航空(0670)、中海コンテナ運輸(2866)などの動きは鈍い。筆頭株主との反目が懸念されたイ柴動力(2338)もさえなかった。

レッドチップは、低位株の大幅上昇が目立つ

レッドチップでは、低位株の大幅上昇が目立った。電子書籍やネット印刷業務に進出すると報じられた方正控股(0418)は52.8%高と上昇率首位を占めた。業績に寄与するまでは時間が必要だが、事業展開のために親会社が資産注入するのではないかとの見方が買い材料となったようだ。そのほか、首長宝佳(0103)、円通控股(1188)、中国光大国際(0257)など、株価の安い銘柄も大幅に上昇している。不動産関連では、親会社による資産注入が期待された華潤置地(1109)も大手証券会社のレーティング引き上げを受けて32.6%高。同業の中国海外発展(0688)も21.1%高。自動車関連では、華晨中国汽車(1114)が18.3%上昇した。親会社のM&Aがうわさされる中国糧油国際(0506)も堅調だった。一方、相場の足を引っ張ったのは、業績の大幅改善が難しいと見られている中国網通(香港)(0906)、中国電力国際発展(2380)などの大型株。

農業関連も浮上

そのほかの香港株だが、中国緑色食品控股(0904)が55.8%高となったほか、超大現代農業(0682)も48.1%高と上昇率の上位にランクイン。前者は業績好調や増配で投資家の注目を集めたほか、転換社債を発行、本土事業を強化する計画が好感された。後者については、2008年までの売上が高成長を維持できるとの見通しが好材料となった。

香港株の騰落率ベスト5、ワースト5
香港株の騰落率ベスト5、ワースト5

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資金動向、業績発表、政策発動の有無に注目

旧正月明けの香港市場は、資金流入の継続性、上場企業の業績発表に関心が集まりそう。米国株式市場が堅調に推移しさえすれば、引き続き資金流入と循環物色が続くとみられる。相場の強弱はH株>レッドチップ>ハンセンの順と予想。中国国内の政策発動に期待。(陳)

中国株の動向(短期)
中国株の動向(短期)
中国株の動向

中国株の動向

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