チャイナマンスリーレポート

3月号

2006年3月7日 内藤証券中国部

金蝶国際(0268.HK)

基幹業務ソフト大手

深セン市に本社を置くソフト会社。基幹業務用ソフトの開発・販売、技術支援サービス、サーバーと関連製品の販売などを手がけている。2004年の部門別売上構成はそれぞれ72.6%、26.4%、1.0%。同分野では、独SAP社など外資系大手の競争力が強いが、本土系の用友ソフト(本社:北京)と金蝶も上位争いに加わっている。ERP(Enterprise Resource Planning=統合業務パッケージ)ソフトの市場シェアは用友がトップ、中小企業向けに限ると金蝶が首位。ERPは企業の受注・販売管理、在庫管理、生産管理、会計といった基幹業務をサポートするシステムサービス。社内情報の一元化ができ、製品在庫、部品在庫の削減、間接部門のスリム化を図れるほか、納期短縮、月次決算、連結決算処理の短縮化などを通じて、経営効率の向上が期待できる。


主力製品の売れ行きが好調

金蝶の主力製品は、小規模企業向けの会計ソフトKIS(価格は2,680~15,000元が中心)、中小企業向けのERPソフトK/3(1万元弱から購入可能、パッケージ内容により55万元のもある)、大規模な財務・人事管理用のハイエンドソフトEAS(高価)の三つ。稼ぎ頭はK/3、売上の5割以上を占めている。必要な機能が完備され、ユーザー側の複雑な需要に対応できるほか、外国製品よりも廉価なため、市場シェアが急拡大。2004年には中小企業向けERP市場の約20%を獲得し、トップの座を手にした。業界では、「北の用友、南の金蝶」と称される。


コスト削減策も奏効

2004年は多額の研究開発費と人件費発生のため減益となったが、2005年は販売拡大と同時にコスト削減にも注力した。販売モデルを刷新し、販売代理店を増やした。現在の売上の8割以上が販売代理店によって実現されているが、販売管理費の伸び率はむしろ鈍化した。一方、リストラを断行し、研究開発の合理化も進めた。その結果、売上原価、販売管理費などの増加も抑えられた。


05年は増収増益へ

販売好調が続き、コスト低減にも成功しているため、2005年12月本決算は21.1%増収、27.4%増益と予想する。


市場拡大余地が大きい

ERPソフトで世界一の独SAP社も中小企業市場の開拓を強化するなど、同業他社が攻勢をかけている。ただ、用友と金蝶は財務会計ソフトの開発で長年の経験を積み上げており、制度面や商業慣行を熟知、バージョンアップも怠らない。既存ユーザーにとって、ソフトの乗り換えコストは大きく、「先行有利」の業界である。一方、新規市場開拓競争は厳しい。中国本土では業務用ソフトウェアの市場浸透率がわずか7~8%(2004年)に過ぎず、経済発展に伴う市場拡大の余地はなお大きい。金蝶は自社製品の質の高さを強調し、値下げ競争には応じていない。それでも、万科企業、TCLグループ、招商局集団、マクドナルド・チャイナなどの大手顧客を獲得している。また、IBMのサーバプラットフォームに自社開発のソフトを提供するなど、外資大手との連携も進めている。そのほか、市場拡大に連れて、デザインから部品の選択、組立、インストールまで全工程をワンストップで提供する「実装サービス」も順調に伸びている。2006年は20.4%増収、28.6%増益を見込む。中長期的成長銘柄として注目したい。(陳)

業績推移と投資指標


中国光大控股(0165.HK)



政府系金融持株会社

中央政府系の金融持株会社。国務院直属の光大集団が香港の窓口企業である中国光大集団有限公司を通じて支配している。中核業務は商業銀行業務と証券業務。売上高(正確には営業収益)構成(2004年)は、証券委託売買業務が42.6%、自己売買業務が23.6%、配当収入が17.0%、利息収入が16.2%、不動産投資収益が0.6%。その9割以上が香港を源泉としている。また、本土では中国光大銀行股フン有限公司と(光大銀行、持株比率21.39%)と中国光大証券股フン有限公司(光大証券、同46.6%)を傘下に収め、持分法損益を計上している。


香港部門は堅調

近年、香港経済が活況を取り戻しているなか、本体の業績は堅調に推移している。本業の収益力を示す営業利益は2003年に黒字転換し、2004年が65.4%増、2005年6月中間が37.7%増。けん引役は引き受け業務、とりわけ本土企業の香港上場業務に積極的に参加。紫金鉱業(2899)のH株上場(2003年)で主幹事を務めたほか、中国電信(0728)、中国人寿保険(2628)、交通銀行(3328)など、大型H株上場の幹事団に参加。証券委託売買部門ではネット取引の増強などで競争力を保ち、直接投資部門はベンチャーキャピタル(VC)にも力を入れ、資産管理業務ではヘッジファンド「光大竜騰基金」を設立(2005年上期)するなど、手数料収入が順調に伸びている。


本土業務が不振

一方、本土部門は業績不振が続き、グループ全体の足を引っ張った。光大銀行と光大証券は連結対象ではなく、本体の営業利益に影響しないが、税引前利益段階から影響する。中国本土経済は高成長を維持しているにもかかわらず、生産過剰やマクロコントロールなどの影響で、貸出先企業の業績が悪化し、不良債権が増加。そのため、多額の貸倒引当金が発生し、光大銀行は2004年で赤字決算となった(香港会計基準)。また、本土株式市場は4年以上も低迷し、光大証券は赤字決算(香港会計基準)を強いられた。中国光大控股の2004年12月本決算は、持分法損失額が本体の営業利益を上回り、赤字決算となった。2005年6月中間決算でも、損失額がかなり縮小したものの、それでも大幅な減益を余儀なくされた。


2005年12月本決算は黒字転換へ

ただ、本土部門の業績は2005年下期から改善されている模様。光大銀行は、多様な金融商品を積極的に売り出しており、手数料収入が増えつつある。不良債権処理も一巡し、財務体質は改善されつつある。光大証券も2005年6月以降の株式市況好転を受け、業績が急速に回復。香港業務は好調継続、本土業務は回復著しいことから、2005年12月本決算は56.3%増収、黒字転換と予想する。


先行きは市況次第

2006年は引き続き香港業務を拡大させる方針。株式市場の活況が続けば、本土企業の大型上場の引き受け業務が収益をけん引しよう。そのほか、委託売買や自己売買部門も堅調に推移しよう。ヘッジファンドの投資パフォーマンスが良く、さらなる外部資金の導入にも意欲的。A株ファンドを設立する計画も打ち出している。投資部門は、VCを通じて本土のハイテク通信会社に出資しており、計画通りに米国ナスダック市場に上場できれば、かなりの投資収益が期待できる。本土では、財務体質が改善しつつあり、貸出余力も向上、今後は安定成長が見込まれる。また、資本市場の改革が進展、株式市場も活気を取り戻しており、光大証券の経営環境は好転している。グループ全体は2006年、14.3%増収、75.0%増益を見込む。(陳)



業績推移

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