チャイナマンスリーレポート

4月号

2006年4月25日 内藤証券中国部

上海金橋輸出加工区開発(900911.SS)

上海市政府系デベロッパー

上海市国有資産監督管理委員会が実質支配する不動産デベロッパー。本拠地は上海市浦東の金橋輸出加工区。別荘・マンションなど高級物件の開発・販売・賃貸や、工場建屋の販売・賃貸を手がける。

賃貸業務強化

不動産開発・販売を中心に事業を展開していたが、1997年のアジア通貨危機以降、外資の進出が頭打ちとなり、経営環境が悪化したことから賃貸業務を強化。工場建屋・倉庫のほか、消費能力の高い外国人を対象に、高級オフィス、マンション、別荘を賃貸で供給。学校、病院、ショッピングセンターなどのインフラを充実させ、賃貸価値を高めた。売上構成と粗利益率の両面で賃貸業務が拡大している。

売上構成 (単位:%)
  2005 2004 2003
不動産販売 40.5 42.7 62.6
不動産賃貸 59.5 57.3 37.4

出所:会社データより作成。

部門別粗利益率 (単位:%)
  2005 2004 2003
不動産販売 53.3 54.8 50.8
不動産賃貸 47.8 19.4 18.3
コストの優位が顕著

浦東は上海の改革開放の最前線。金橋輸出加工区は同地区の三大開発区の一つであり、政策支持は大きい。筆頭株主から土地を安く取得できるほか、法人税が15%と通常の半分以下。また、「房産税」(12%)も免除されている。2005年販売部門の粗利益率は53.3%、万科企業(200002.SZ)の29.2%を大幅に上回った。


2005年は33%増収、8%増益

2005年は33%増収、8%増益を達成。その要因は以下の通り。

  1. 開発区は18億米ドル超の投資を誘致、企業進出が多く、賃貸料が高止まっている。
  2. 賃貸部門は、新規物件増加、高入居率維持、賃貸料の上昇などから38%増収。
  3. 賃貸部門の粗利益率は内装・修繕費の大幅減少から28.4ポイント改善。
  4. 不動産部門は、総合プロジェクト「碧雲新天地」2期の販売開始が大きく貢献し、26%増収。
  5. 不動産部門の粗利益は、市況悪化により、1.5ポイント悪化。
  6. 前期は株式譲渡益7825万元が発生したが、今期は無くなったため、8%増益にとどまった。

2006年は17%増収、21%増益へ

2006年は17%増収、21%増益を予想する。根拠は以下の通り。

  1. 政府による土地管理規制強化、不動産市況の調整はひと段落したものの、不動産販売は弱含みを予想。
  2. ただし、立地条件がよく、インフラ完成度も高いことから人気の高い「碧雲新天地」2期は完売を予想。
  3. コダックやシャープなど優良企業の入居が続いており、今期も賃貸業務は堅調に推移すると予想。

会計基準変更の影響は一過性

市場は会計基準の変更に注目している。販売用不動産について「フェアバリュー(公正価値)の適用が可能」となり、評価益を計上できるようになる見込み。もし同社がフェアバリューを選択するとすれば、多額の利益が発生すると見込まれる。ただし、税会計は別。評価益が発生しようと、減価償却は簿価をベースで計算されるため変わらない。一方利益が増えた分だけ、企業所得税の負担は増えることから、企業側の対応は意外に冷静である。ただし、フェアバリューで計られる業績が真のファンダメンタルズを表すのだと考えれば、現在の株価水準は割安と見ることはできよう。


真の価値に注目

万科企業と比べて、粗利益率が大幅に上回っているのに、EPSは38%も下回っている。その主な要因は、不動産の減価償却年数が業界平均の約半分と短く、その分減価償却費が多いこと。加速償却が可能であることから、利益の圧縮が行われている。同社の予想PERは17.0倍と万科企業の17.8倍(ブルームバーグ社データ)とほぼ同じ水準だが、利益圧縮が行われていることを差し引けば、その差がさらに大きい。浦東は外資が最も注目している地域。商業用不動産の需要は引き続き堅調に推移しよう。豊富な土地使用権を所有する筆頭株主による支援も期待され、長期的にも発展の余地は大きい。(陳)

業績推移と投資指標

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中国糧油国際(0506.HK)

政府系食料品会社

バミューダ登記の投資持ち株会社。国有企業の中国糧油食品進出口(集団)公司(以下、中糧集団)が実質的に支配している。食用油と豆粕(豆の搾りかす)関連製品、酒類、菓子、麺粉の生産・販売と、それらの貿易(主に海外)を手がけている。

部門別売上・利益構成 (%)
2004年 売上高 営業利益
食用油・豆粕 69.4 24.2
酒類 6.9 44.0
菓子 2.1 8.1
麺粉 3.5 3.0
食品などの貿易 18.1 24.1
その他 - -3.4
合計 100 100

(出所)会社資料より作成。

ブランド力が高い

本土での市場シェアは、豆粕「四海」が1位、食用油「福臨門」が2位(18%)、チョコレート「金帝」は2位(12%)。稼ぎ頭は「長城」ワインで、市場シェアが1位(18%)、「張裕」、「王朝」と並ぶ三大国産ブランド。特に広東省と江蘇省南部で圧倒的な優勢を保っている。


2006年は17%増収、21%増益へ

2006年は17%増収、21%増益を予想する。根拠は以下の通り。

  1. 政府による土地管理規制強化、不動産市況の調整はひと段落したものの、不動産販売は弱含みを予想。
  2. ただし、立地条件がよく、インフラ完成度も高いことから人気の高い「碧雲新天地」2期は完売を予想。
  3. コダックやシャープなど優良企業の入居が続いており、今期も賃貸業務は堅調に推移すると予想。
2005年は3.0%増収、33.0%増益へ

2005年は3%増収、33%増益と推定する。理由は以下の通り。

  1. 2005年は旧正月とバレンタインが重なり、上期のチョコレートの売上が軟調。通期でも営業利益は約30%減少すると予想。
  2. 豆粕価格が約1%低下したが、影響は軽微。大豆価格は落ち着きを取り戻しており、営業利益は2%減に止まると予想。
  3. ワインの売上は約45%増加、営業利益は31.5%増加と予想。
  4. 貿易部門の売上高は前年並を予想、ただし、粗利益率の高い米輸出が好調で、営業利益は60%増加と予想。
2006年は1.2%増収、17.5%増益へ

2006年は1%増収、17.5%増益と予想。予想の前提は以下の通り。

  1. 2006年に入り、豆粕価格が回復しはじめているほか、貿易部門も2005年並みの水準を維持できると見込む。
  2. 張裕は昨年2度にわたって、ワイン価格を引き上げた。高級品は約10%上昇。同社もワイン価格を引き上げると見込む。
市場拡大をにらんだ増強

経済発展に伴い消費者の健康志向が高まり、ワインの需要は着実に増加している。ワインに対する関税が今年1月1日から大幅に引き下げられ、外資の進出が勢いを増している。ただし、3大ブランドは販売力で優位、価格競争力も強い。同社は収益拡大を目的に、60%出資の「中糧長城」と「煙台長城」を完全子会社にすると発表。それにより、通期の営業利益を約7%押し上げる効果が期待できる。

再編への期待が高い

国務院は3月、糧食貿易・物流大手の中谷糧油集団公司と中糧集団との統合を承認。中糧集団は国内の糧食貿易でも大手となった。グループ間で資産交換が予想され、中国糧油国際の業務内容はブランド力の高い食品・飲料業務に集約されるのではないかとの観測が高まっている。資産注入がされれば、大きな利益貢献が期待できる。現段階の予想PERは20.7倍、資産再編の可能性を考えると、上昇余地は大きい。(陳)

業績推移と投資指標

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