チャイナマンスリーレポート

5月号

2006年4月26日 内藤証券中国部

本土株

中国本土株の動き(短期) 中国本土株の動き(長期)

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上海総合指数はついに1,300ポイントを突破

3月20日から4月20日にかけて、本土株は上昇トレンドを描いている。本土を代表する上海総合指数でみると、1,300ポイント付近に強力な抵抗線があり、2月以降何度もこのラインで跳ね返されてきた。それを突破できたことから買い方が優勢となり、上昇トレンドを描くことになった。


相場の地合いは強い

急ピッチの上昇で利食い売りに押される場面もあったが、調整は軽微。その後数日で買い戻されており、相場の地合いは強い。

深センB株は香港株に引っ張られて上昇

深センB株がその他本土株に比べ強い。取引通貨が香港株と同じ香港ドルであり、今回のような需給相場では、香港株との連動性が高まる。急騰した香港株に引っ張られる形で深センB株は大きく上昇している。

リストラ、業績好調銘柄が上昇

この間の騰落率ベスト3を見ると、上海B株では、第一位は、大幅な事業リストラを行い、事業内容が「アパレル、繊維製品の生産・販売」から「旅行、不動産、商業地の総合開発、印刷、製紙、貿易」などとなる上海茉織華。第二位は、非流通株の解消が進行、業績好調、大型受注を獲得している上海振華港口機械。第三位は、積極的な事業拡大に取り組む江蘇新城不動産。その他、業績好調銘柄、リストラ銘柄などが買われた。一方、ワースト一位は、今上期大幅な赤字決算となることを発表した大化集団大連化工。二位は、これまで外資参入を材料に大きく上げてきたものの、材料出尽くしで大幅反落となった華新セメント。三位は経営不振が続く上海鳳凰自転車。業績面で不安のある銘柄が売られた。

長らく低迷を続けてきた国際コンテナが急騰

深センB株では、第一位は、コンテナ価格が急回復していると発表した中国国際コンテナ、第二位は、前期決算で利益倍増となった杭州スチームタービン、第三位は、業績回復により*STが取れそうだといった見通しが広がった*ST安徽古井貢酒。業績好調銘柄、リストラ銘柄が買われた。一方、ワースト一位は、経営不振が伝えられる山東航空、二位、三位は、今上期赤字見通しを発表した ST中魯遠洋漁業、*ST広東盛潤。業績不振企業が下げている。

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息の長い上昇相場が期待される

今回の上昇は何か特定の材料があったわけではない。(1)人民元切り上げ期待による本土への資金流入、(2)対外開放政策への期待、(3)内需経済への積極投資を促すような政策方針の発表、(4)銀行改革を始めとした国有企業改革の進展、(5)非流通株流通化を始めとした資本市場改革の進展などから、株価水準が押し上げられたと言えよう。いずれも中長期に株価を押し上げる材料である。息の長い上昇相場が期待できそうである。(田代)

香港株

主要3指数とも急上昇

3月20日から4月20日にかけて、主要3指数はともに急上昇。ハンセン指数は3月22日、月間最安値の1万5,642.81ポイントをつけた後、一時頭の重い展開となったものの、4月に入ると急騰。4月20日は約5年半ぶりの高値1万6,944.34ポイントを付けた。H株指数の安値は3月20日の6,460.97ポイント。その後は7,000ポイントを迫る勢いで上昇し続けたが、4月7日以降はいったん調整。13日以降は4連騰で一気に7,245.52ポイントに達し、H株指数が発表された1994年8月8日以来の高値を更新した。レッドチップ指数も急上昇。安値は3月22日の2,108.52ポイント、高値は4月20日の2,470.35ポイント。こちらも約5年半ぶりの高値となった。

人民元改革への期待高まる

中間選挙を意識している米国議会では、有力議員が3月28日に新たな通商法案を発表、一層の人民元改革を促す構えを見せた。また、国会で証言したアダムズ・財務次官は3月29日、米中首脳会談の結果によって、中国を為替操作国に認定する可能性があることを示唆した。それを受け、人民元先物(NDF)も、中国人民銀行が発表する人民元レートの基準値も上昇した。4月に入ると、第一四半期における中国の貿易黒字は対前年同期比で41.4%増えたことが明らかになった。「これまでの人民元高は貿易不均衡の是正には効かなかった」との見方が広がった。また、3月末時点の外貨準備高は前年同月比で32.8%増え、増加の勢いがとまらないことが明らかとなった。日増しに人民元上昇への期待は高まっている。

米国利上げ打ち止め観測強まる

3月末に発表された米連邦公開市場委員会の声明文ではインフレ警戒が強調されたが、連邦準備理事会のコーン理事は4月13日、金融引き締めの行き過ぎにはリスクがあると述べた。さらに、18日に公開されたFOMCの議事録で、委員のなかで「金融引き締めの終焉が近い」との認識が多かったことが判明した。それを受け、利上げの打ち止め観測が広がり、米国株式相場は急反発、それを好感し、香港市場は主力不動産株を中心に大きく上昇した。

海外投資規制の緩和に好感

4月中旬、中国人民銀行は間接的な海外株投資を承認すると発表した。一定要件を満たした投資信託会社などは、一定限度内で、中国本土の機関投資家や個人の外貨資金を集め、それを海外で運用できるようになった。しかし、人民元から外貨への交換はできないため、正確にはQDII(適格本土機関投資家)制度とはいえない模様だが、中国関連銘柄が恩恵を受けるのではないかとの見方が広がり、H株、レッドチップの優良株が物色された。

中国移動(香港)が好調

3月20日から4月20日にかけての個別銘柄の株価動向を見ると、ハンセン指数構成銘柄では、中信泰富が20.1%高とトップ。本土での不動産事業が有望とみられ、外資系投資銀行がレーティングを引き上げている。ただし、豪州での鉄鉱石採掘権買収に関しては、市場評価はいまひとつ。第一四半期の業績が好調と見られる中国移動(香港)は20.0%高。時価総額が市場第2位と大きいため、ハンセン指数とレッドチップ指数を押し上げた。本土での業務拡張が期待される東亜銀行は18.3%高。一方、業績の先行きが不透明とされた徳昌電機は▲7.3%。リストラ計画を明らかにした聯想集団は▲6.9%。中長期的には有望と見る関係者も多いが、短期的には支出増加が不安視された。7年来はじめて減益を発表した駿威汽車は▲1.5%。一部ではリバウンドを期待する声もあるが、主力製品が直面する値下げ競争の激化を懸念する意見の方が多いようだ。

素材関連が急騰

H株では、金相場の急騰を受け、紫金鉱業が106.3%高、霊宝黄金が74.4%高、江西銅業が63.1%高など、関連銘柄が急騰した。そのほか、A株市場の急騰で保有資産の価値増加が期待され、中国人民財産保険は37.1%高。海外投資規制の緩和で運用対象の裾野が広がり、収益改善が期待されている。反面、業績がさえなく、粗利益率の改善が見込めないとされた魏橋紡織は▲17.3%。減益率が市場コンセンサスを超えた中国南方航空も▲10.6%。前期31.8%減益となった江蘇高速道路は▲8.4%となった。

リストラ関連銘柄の上昇が目立つ

レッドチップでは、第三者割当増資で新たな筆頭株主を迎え、投資の見直しを行う可能性もあるとみられた招商迪辰(亜洲)は129.0%高。前期の利益が3倍増となった中国(香港)石油は80.4%高。筆頭株主から本土の中信銀行の出資持分19.9%を株式交換の形で買収すると発表した中信国際金融控股も43.4%高と急騰した。買収コストが低いほか、買収後の相乗効果が期待されている。一方、業績が期待できないとみられた方正数碼は▲18.6%、首長科技が▲14.9%、北京発展(香港)が▲14.0%。

本土企業のIPOが再び注目材料に

香港経済は堅調さを維持しており、ファンダメンタルズ面では不安材料は少ない。中東情勢、原油相場、米国の金融政策など、懸念材料は外部要因が多い。米国では景気拡大が続いており、FRBが物価上昇の抑制を強調しながらも過度な利上げを懸念している。利上げが打ち止めになれば、米国株式市場のみならず、香港市場にとっても支持材料になりうる。資金流入が続くなか、本土の国有企業のIPOが続く。大連港(2880)などは高い人気を集めているようだ。また、5月下旬に予定される中国銀行が広範な注目を集めている。調達金額が巨額であり、上場前後、H株の動き、特に金融セクターの動きが不安定になる可能性有り。(陳)

香港株の騰落率ベスト5、ワースト5

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中国株の動向(短期)
中国株の動向(中期)
招商局地産控股(200024.SZ)、ブルームバーグ社データより

長安汽車(200625.SZ)、ブルームバーグ社データより

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