チャイナマンスリーレポート

5月号

2006年4月26日 内藤証券中国部

招商局地産控股(200024.SZ)

政府系デベロッパー

中央企業の招商局集団有限公司(招商局集団)が実質支配するデベロッパー。本拠地である深セン市蛇口工業区を中心に、全国9ヶ所の主要都市で不動産開発を行うほか、蛇口では電力・水の供給事業も手がけている。


部門別売上高(2005年)   (単位:万元、%)
  売上高 前年比 構成比 粗利益率
不動産開発・販売 166,222 -23.3 63.8 28.7
不動産賃貸 23,528 19.8 9.0 47.5
電力・水供給 70,826 2.3 27.2 17.9
政策実行の担い手

蛇口工業区の開発はこれまで、ほぼ招商局集団が寡占的に進めてきた。同社はもともとグループの主力企業である。中央政府は、国有企業の経営の効率化を図る一方、国有資産の流失を防ぐといった目的から、2004年6月、招商局集団など有力中央企業を中心に国有企業が保有している不動産物件の再編を進めると発表した。こうした中央の政策に基づき、同社の業務内容はデベロッパー中心となった。


良質な物件、強いコスト競争力

一般のデベロッパーは入札などを通じて土地使用権を入手するが、同社は招商局集団から優良物件を取得できる。また、コストが安いだけではなく、良質な物件の安定的供給も可能である。


2005年は23.5%減収、17.2%増益

2005年は23.5%減収、17.2%増益。その要因は以下の通り。

  1. 石油化工部門を切り離したため、売上が縮小。
  2. マクロ・コントロール政策を受け、不動産開発・販売部門の売上を抑えたため、同部門の売上は23.3%減少。
  3. 需要自体は旺盛で、深セン市の分譲住宅価格は平均17.4%上昇、開発・販売部門の粗利益率を5.7ポイント押し上げた。
  4. 粗利益率の高い賃貸業務へのシフトが進展し、同部門の売上は19.8%増加。

2006年は42.9%増収、23.3%増益へ

2006年は42.9%増収、23.3%増益を予想する。前提は以下の通り。

  1. 販売が安定的に伸びるほか、前期収益計上を遅らせた物件が今期業績に寄与、深セン地区の売上が約40%増加すると予想。
  2. 深セン市以外での不動産販売を加速させ、その売上が約7億5,000万元に上ると予想。
  3. 賃貸業務、電力・水の供給業務は前年並みと予想。

収益の安定性が高い

地方の有力デベロッパーとして、バランスの取れた着実な発展戦略を持つ。寡占状況にあり、比較的不動産価格の変動リスクは小さいものの、それでも主力の深セン地区で賃貸業務を拡大し、収益の安定化を図っている。オフィス、マンション、別荘、工場建屋など、賃貸物件は多様である。蛇口での電力・水供給は安定的に伸びており、中長期的にみて、安定的な収益源となりそうである。


成長加速へ

今年、蛇口と香港を結ぶ「西部通道」が開通する。深セン市の地下鉄2号線は来年蛇口まで伸びる。交通の便が良くなることにより、蛇口の物件価値は急速に高まるであろう。区内の工場を徐々に移転させると同時に、住宅、テナント、オフィスなどの商業用物件の開発が進むであろう。深セン地区が今後も同社の業績をけん引しよう。マクロ・コントロールの影響で、全国展開を控えてきたが、市況が安定しつつあることから、上海市、江蘇省、福建省での展開を今後加速する方針。筆頭株主による資産、資金の支援も期待され、中長期的な発展の余地は大きい。(陳)

業績推移と投資指標

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長安汽車(200625.SZ)

大手自動車メーカー

重慶市を本拠地とする大手自動車メーカー。実質筆頭株主の中国南方工業集団公司は国務院が直接管理する大型国有企業。軽自動車、乗用車、MPV(多目的車)などの生産・販売を手がけている。2005年は47万4,625台の自動車を販売、本土市場全体の8.2%を占めている。


軽自動車の市場シェアは1位

同社の主力製品は軽自動車を含む小型車。2005年、「長安之星」シリーズのバン、「長安」ブランドのトラックなど軽自動車の販売台数が全体の67%を占めている。小型ミニバン「CM8」を含めれば、70%になる。外資との合弁でも軽自動車を生産しており、競争の激しさが増した2005年もシェア35%と6年間連続の1位を死守した。




外資との提携に積極的

フォード系との提携関係が強い。スズキとの合弁(長安鈴木)で「アルト」、「羚羊」、「スイフト」などの軽自動車、フォードとの合弁(長安福特)で「モンデオ」、「フィエスタ」などの乗用車を生産している。フォードの本土市場進出が加速し、2005年は欧州での人気車種「フォーカス」を導入。マツダも長安福特に資本参加し、「Mazda3」(日本名:アクセラ)の生産を開始した。今夏にもボルボのセダン「S40」の生産を重慶で開始する予定。


国内も拡張

江蘇省、河北省などに生産基地を持ち、生産能力と市場確保に力を入れている。2005年は、江鈴汽車(200550.SZ)の権益20.52%を取得。商品のバリエーションを広げ、地域展開を強化、市場競争力の向上を図っている。


2005年は3.5%増収、82.0%減益

2005年は3.5%増収、82.0%減益。その要因は以下の通り。

  1. 値下げ競争が激化、小型車部門が85%減益。
  2. スイフトの売れ行きが鈍く、長安鈴木が57%減益。
  3. モンデオは、国産化に遅れで税負担が増加したほか、値下げによる利益率低下で、長安フォードが73%減益。

2006年は14.8%増収、136.5%増益へ

2006年は14.8%増収、136.5%増益とV字回復を予想。

  1. 2005年10月以降、販売は回復。フォーカスの売れ行きが好調なほか、長安鈴木の在庫処分も順調。
  2. フォード、マツダによる資本増強や新車投入のほか、長安鈴木は今期新たに5車種を投入する予定。市場競争力の高い商品が業績をけん引。
  3. 江鈴自動車の業績が堅調なため、投資収益が1億元以上発生。

最悪期が過ぎ、回復へ

業界全体では依然として生産能力過剰と競争激化の難題を抱えている。ただし、中央政府は多額の資金を農村部の道路整備に投じる計画だ。廉価な軽自動車の需要は今後増えよう。国産化率を高め、部品の調達コストを下げることが課題。環境保護、エネルギー節約指向の中央政府は小型車に対する規制緩和政策を打ち出しており、同社にとって大きな支援材料である。昨年は1-9月期の大幅減益を嫌気し、株価が大きく落ち込んだ。最近急回復を見せたが、以前の水準までには至っていない。非流通株の解消に向けた「股権分置」改革が実施すれば、A、B株の価格差がいったんなくなりそうであるが、業績回復に伴い、A株に割安感が出れば、B株も連高の可能性があろう。(陳)

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