チャイナマンスリーレポート

6月号

2006年5月26日 内藤証券中国部

本土株

中国本土株の動き(短期) 中国本土株の動き(長期)

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急騰

本土株を代表する指数である上海総合指数の動きをみると、4月後半は高値圏でもみあった後、連休明けから急騰した。16日以降、小さな押し目を作ったものの、出来高は高水準で推移、依然として上昇トレンドを維持している。上海B株指数、深センB株指数は上海総合指数と比べ、やや弱いが、同じような動きである。

経済過熱とマクロコントロールが焦点に

この間、悪材料は多かった。(1)都市部での固定資産投資の伸びが高すぎること(16省3月累計で35%超)、(2)銀行貸出が不動産向けに集中し過ぎること(2005年末、人民元建て貸出金の14.8%、住宅ローンは8.9%)、(3)増資や新規公開が再開されること、(4)貸出金利が引き上げられたこと、(5)国家発改委が鉄鋼、銅精錬、紡織、自動車など生産能力が過剰とみられる6つのセクターについて、産業構造の調整を図る方針を示すだろうと述べたこと、(6)17日に開かれた国務院常務会議で、不動産市場の健全な発展を促すための施策が検討されたことなどがあげられる。

投資家は政府の資本市場育成策を評価

こうした悪材料に対して、a)非流通株の流通化問題について、年内にほぼ完了するめどが立ってきたこと、b)上市公司証券発行管理弁法、株式上場規則など、増資、IPO、非流通株の流通化問題に関して、ルール整備が進んだこと、c)暫く上昇相場が続いたことから新規口座開設が急増、“怖いもの知らず”の投資家が増えたこと、d)人民元切り上げ期待による海外からの資金流入に端を発した“金余り”を背景に、それまで不動産に流れていた投機的資金が株式市場に流れ始めていることなどから、株式市場は活況を呈している。

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不動産関連が大きく下落

過去一ヵ月の株価動向をみると、上海B株では、3G絡みで業績改善の可能性が噂される東方通信、四川省で汚水処理プロジェクトを建設すると発表した上海陽晨投資、足元業績好調な上海宝信ソフトなどが上昇している。深センB株では、上期大幅増収見通しを発表した常州ディーゼルエンジン、外資への法人株譲渡を計画中の武漢ボイラー、股権分置改革を発表、リストラ期待の高まる中国南玻集団などが上昇した。
一方、上海、深センとも、不動産関連が軒並み売られた。その他、大幅減益、減配を発表した上海海立集団、1~3月期業績の伸び率が大きく鈍化した杭州スチームタービンなどが大きく下げている。

上昇トレンドは維持される

“経済過熱問題がどの程度深刻であるのか”、“政府はどの程度の強さでもってマクロコントロールするのか”に、投資家の関心は集中している。現在の市場コンセンサスは、“実需があることから経済過熱はそれほど深刻でない”、“政府のマクロコントロールはそれほど強烈なものではない”といったところか。不動産株が下落している。開発型は厳しいが、賃貸の多い企業、香港や欧米など外国企業が取引先である銘柄は逆にチャンス。金橋、陸家嘴、招商局などに注目。(田代)

香港株

5月中旬から急落

香港株は4月の下旬が安く、その後連休をはさんで上昇、5月上旬に高値をつけた後、下落に転じている。ハンセン指数は、5月8日、2000年9月以来の高値となる1万7301.8ポイントを付けた。H株指数は5月12日、2000年の指数調整以来の高値となる7,377.9ポイントを付けた。また、レッドチップ指数は5月8日、2001年6月以来の高値となる2,470.8ポイントを付けた。

人民元切り上げは期待外れ

市場が注目していた米中首脳会談だが、さらなる貿易摩擦を避けたいとの両国の態度がうかがえたものの、人民元改革については具体的な方向性は示されなかった。それに失望感を表す投資家もいた。相場が急ピッチで上昇してきただけに、反動への警戒感も強まった。4月下旬はこうした要因から株価は下落した。

連休明けは世界同時株高

一方、5月に入ると、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを中止するのではないかとの観測が広がり、米国、日本とも株高となったほか、香港への資金流入も続いた。また、「労働節」連休明けの本土市場も急騰した。それらを好感し、H株指数をはじめ、3指数とも数年来の高値を更新した。

米国の金融政策に不透明感

米国時間5月10日にFOMCが開かれ、市場の予想通り利上げが決まった。市場が注目した声明文は更なる利上げの可能性を排除しなかった。インフレを警戒するFRBは双子の赤字を抱えながら、金融政策の先行きに不透明感を残したと市場は判断したようだ。一時的なドル安が生じ、その後は株価も下落、それがアジア各国の主要市場に波及。日本市場が軟調になったほか、香港市場でもこれまでの相場上昇をけん引してきた大型株に対する利益確定売りが膨らんだ。時価総額が大きいだけに、指数に対する押し下げ効果も大きかった。

ハンセン指数構成銘柄はほぼ全面安

4月20~5月19日の個別銘柄の動向をみると、ハンセン指数を構成する33銘柄のうち、29銘柄が下落。中国聯通(0762)が4.4%高と上昇率の首位に立ったほか、北米業務が好調と報道された匯豊控股(0005)も3.2%高。ユーロ高や有力証券会社のレーティング引き上げを受けた思捷環球控股(0330)は2.1%高。一方、先月も大幅に下がった徳昌電機は業績悪化がとまらず、▲15.7%と大きく続落。燃料高の影響を受けた中信泰富(0267)は▲14.4%。金利の先行きが不透明な中、銀行から多額のシンジケートローンを借り入れると報道された恒隆地産(0101)も▲13.9%と売られた。

H株は決算発表で株価に明暗

H株では、前期業績が黒字転換した交大昆機科技(0300)が43.4%高と急騰した。人民元高期待や投資の規制緩和などが好感された中国人寿保険(2628)も19.5%高と堅調。深セン中航実業(0161)も黒字転換から、株価は18.6%高。一方、94.8%減益の北青伝媒(1000)は▲30.4%。中央政府が不動産市場に対する抑制策を強めるのではないかとの懸念が高まり、これまで大幅に上昇していた北京首創置業(2868)は▲29.7%。84.4%減益となった洛陽玻璃(1108)も▲25.3%。

レッドチップは業績回復した銘柄が強い

レッドチップでは、前期業績が黒字転換した中国航天科技国際(0031)が28.8%高。189%増益であった方正数碼(0618)は18.6%高。44.8%増益の香港建設(0190)は8.4%高。本土での事業拡大や増資で債務を資本化したことも材料視された模様。一方、株価が大幅に上昇してきた中国海外発展(0688)は▲26.5%と急落。業績見通しは良いものの、不動産市況の過熱で抑制策がとられるとの予想から売られた。同じセクターの保利(香港)投資(0119)も▲25.8%と急落。

短期的には調整か

米国の金融政策運営が難しくなっている。原油、金、銅など、国際商品相場が不安定になっている。昨年株価指数が急騰したインドなどのエマージング市場も大幅な調整が生じている。香港市場は当面、中国銀行の大型IPOに注目が集まるであろう。ファンダメンタルズ面では悪材料はなさそう。調整が続くのであれば、押し目買いのチャンスであろう。(陳)

香港株の騰落率ベスト5、ワースト5

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株価動向
中国光大国際(0257.HK)

出所:ブルームバーグ社データより。

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