チャイナマンスリーレポート

7月号

2006年6月27日 内藤証券中国部

本土株

中国本土株の動き(短期) 中国本土株の動き(長期)
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下落

本土株を代表する指数である上海総合指数の動きをみると、5月後半下落したものの6月上旬には戻しており、5日には1,685ポイントの区間最高値を付けている。しかし、その後は急落、14日には1,531ポイントの区間最安値を付けている。特に7日の下げは▲5.3%と、史上2番目の下げ率となった。値幅制限が10%である本土株としては極めて大きな下げとなった。6月中旬には戻してはいるが、戻り幅は下げ幅の4割程度に留まっている。上海B株指数、深センB株指数は上海総合指数と比べ、更に動きが悪い。


IPO再開

今回の下げの要因として、まず、A株市場での需給悪化懸念の台頭があげられよう。19日に深センに上場した中工国際を皮切りに、新規公開(IPO)が再開された。超大型銘柄となる中国銀行がH株に続きA株でも上場する計画を明らかにしたほか、さらに規模の大きい中国工商銀行もH株上場後A株を上場すると計画している。既存のH株の中でも、神華能源、中国国際航空、交通銀行などがA株上場を計画しており、今後、長期にわたり、大型ファイナンスが続く可能性が強まっている。


世界同時株安

本土株は、本土投資家が主体の市場ではあるものの、インドを始め、米国、日本など、世界同時株安の間接的な影響は免れなかった。特に、海外の機関投資家が自由に売買できるB株市場では、一部の優良株に対してまとまった売りが出たようだ。そのほか、不動産投資抑制策、銀行預金準備率の引き上げなどの政策も株価を押し下げる要因となった。


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低位株が買われ、優良株が売られる

過去一ヵ月(5月19日~6月20日)の株価動向をみると、張裕葡萄酒以外は低位株の上昇が目立つ。リストラ実施、リストラ期待、悪材料消化による自立反発など、上昇要因は様々である。張裕葡萄酒は販売好調から買われた。一方下落率の大きな銘柄には、優良株が多い。個別要因の詳細については弊社HPのニュース欄(検索機能を利用)を参照。ただし、需給面で外国人投資家の売りが影響しているといった面が強いと思われる。


政府のマクロコントロールに注目しつつも、押し目買いか?

先月と見方は変わっていない。ただし、予想していたよりも厳しく不動産投資抑制策がとられたこと、世界同時株安の影響を間接的ではあるが受けたことなどが、大きく下げた要因である。不動産に関しては、先月指摘した銘柄は指数に負けている。引き続き注目したいのであるが、中央がこれ以上の不動産投資抑制を打つ可能性もある。今回指数に勝った銘柄は投機的な銘柄が多い。リストラ情報に基づき、こうした銘柄に注目するといった考え方もあるが、今回ワースト5に入っている優良株を拾ったほうが賢明だと考える(田代)。


香港株

3指数とも大幅下落

5月19日以降の主要3指数はともに大幅下落。ハンセン指数は6月7日までの間、15,800~16,000ポイントのレンジでもみ合っていたが、6月13日には今年1月4日以来の安値圏まで下落した。その後若干回復を見せたものの、6月20日は15,609ポイントで引けている。H株指数もほぼ同様の動き。6月6日以降は6日続落。6月14日には5,901ポイントと、1月17日以来の安値となった。また、レッドチップ指数は6月5日までは反発する場面もあったものの、その後急落。6月14日には、3月10日以来の安値となる2,030ポイントを付けている。


金融引締への警戒感強まる

米国経済の減速懸念、米金融政策の先行き不透明を背景に、投資家のリスク許容度は低下した。米国では、各種経済統計が発表されたが、景気減速の兆候を示すものとインフレ懸念を招くものが混在。一方、“インフレは風邪ではなく、ガンだ”と、米国の識者はインフレに対する警戒感は強い。バーナンキ・米連邦準備制度理事会議長をはじめとする幹部たちもインフレへの警戒感を示し、利上げ継続の見方が広がった。また、欧州、日本でも金融引締の兆しがあり、世界的な流動性の縮小、リスクマネーの縮小が懸念された。


新興市場で株価が大幅に下落

5月19日には、国際商品相場が急落。一方、週明けの22日には、米ドル対アジア通貨の為替レートが上昇し、アジア主要株式相場は軒並み急落。とりわけ、インド株式市場では、売りの急拡大で主要株価指標が10%強下落し、ムンバイ証券取引所は一時売買を停止した。


新興市場からの資金流出懸念高まる

また、FRBの利上げ継続に伴い、米国の消費が冷え込み、対米輸出依存度の高いアジア諸国が打撃を受け易いとの懸念もある。新興市場からの資金流出懸念が高まり、“売りが売りを呼ぶ”といった“負の連鎖”も心配された。


香港市場は連れ安

一部では、商品市場で痛手を負ったヘッジファンドなどが損失を埋めるため、これまで急騰してきた新興市場の株式を売却しはじめたとの見方もある。足元の経済状況が堅調であるにもかかわらず、欧州、日本、米国でも株価が大幅に下落、不安定な相場展開となった。ハンセン指数が年初の安値水準まで下落するなど、香港市場も連れ安となった。


ハンセン指数構成銘柄はほぼ全面安

5月19日~6月20日までの個別銘柄の動向をみると、ハンセン指数を構成する33銘柄のうち、上昇銘柄は4つに限られた。「本土での業務展開が収穫期に入りつつある」と好感された東亜銀行(0023)が3.9%高と上昇率の首位に立ったが、そのほかの3つはリストラ絡み。大幅に下落していた電訊盈科(0008)だが、資産売却の商談が進んでいるとの報道を受け、企業体質の改善に対する期待感から、20日に急反発し、一ヶ月で3.0%高となった。港龍航空有限公司(ドラゴン航空)を100%子会社化すると発表した国泰航空(0293)は2.7%高となったほか、ドラゴン航空に出資している太古A(0019)も1.8%高。反面、業績見通しで大手証券会社の見方が分かれた駿威汽車(0203)は▲19.8%と大幅続落。主力車種に強力なライバルが出現したことなどが嫌気されたほか、値下げ競争の激化も懸念された模様。「成長鈍化のリスクがある」とされた招商局国際(0144)は▲14.4%。本土での不動産事業に注力している新世界発展(0017)は、中央政府による引き締め策が嫌気され、▲14.4%となった。ハンセン指数は▲4.3%。


H株指数は急落

H株も幅広く売られたが、受注の好調さ、コスト管理の向上などが好感され、外資系大手証券会社が大きく買い増した哈爾濱動力設備(1133)が8.1%高。傘下のA株企業の株価が急騰した中国航空科技工業(2357)は7.9%高。航空機部門に大幅増益の可能性があるとのうわさがあるが、正式な発表はなかった。指数構成銘柄がほぼ全面安のなか、販売好調な東風汽車集団(0489)だけが6.7%高と堅調。米系投資銀行の買い増しも買い材料となったようだ。一方、素材系の下落が目立った。不安定な金相場、ドル高期待、「資源税」の引き上げなどを嫌気した紫金鉱業(2899)は▲28.2%、霊宝黄金(3330)も▲26.2%。税優遇の撤廃が懸念された安徽海螺水泥(0914)は▲28.1%。H株指数は▲13.7%と急落。


レッドチップも総じて軟調

レッドチップも総じて軟調。ただし、ドラゴン航空に43.29%出資している中航興業(1110)は50.9%高と急騰した。国泰航空のドラゴン航空買収が好感された。業績堅調とみられた悦達控股(0629)は3.0%高。本土での土地保有量が多く、含み益の顕在化期待の高い中遠国際控股(0517)も3.0%高。反面、1-3月決算で68.9%減益となった中国製薬(1093)は▲31.4%。1-3月期、赤字となったTCL国際(1070)には製品の値下げ懸念が広がり、▲30.6%となった。米系大手証券会社がレーティングを引き下げた中国(香港)石油(0135)も▲24.7%。レッドチップ指数は▲6.3%。


当面は調整が続きそう

インフレ抑制の手を緩めない米連邦準備制度理事会は利上げ休止を8月の米連邦公開市場委員会に持ち込む可能性が高いようだ。リスクマネーの縮小は投機活動の抑制につながり、中長期的には市場に対してプラスである。金融引締の強化に動き出した中国人民銀行は目先の利上げを行わなかったため、人民元の為替レートの上昇加速を容認する可能性もありそう。内需関連セクターに引き続き注目。(陳)

香港株の騰落率ベスト5、ワースト5
中国株の動向(短期)
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株価動向

中国株の動向(短期)
中国株の動向(中期)
中国株の動向(中期)
中国株の動向(中期)

中国株の動向(長期)
中国株の動向(長期)

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