チャイナマンスリーレポート

7月号

2006年6月27日 内藤証券中国部

富士康国際(2038.HK)

台湾系携帯電話メーカー

台湾の大手電子メーカーである鴻海精密工業股フン有限公司(鴻海)が実質支配する携帯電話端末ベンダー。鴻海は業界屈指のパソコン、通信機器、電子製品の製造サービスサプライヤーであり、台湾証券取引所に上場している。その傘下の携帯電話業務を統括する子会社が富士康国際である。主にODM(相手先ブランドによる設計・生産)方式での一貫生産を行う。近年は世界範囲での携帯電話普及を背景に、業績は堅調。


業績概要 (単位:百万米ドル)
  2001 2002 2003 2004 2005
売上高 7.64 272.41 1,090.62 3,308.27 6,364.50
営業利益 3.22 36.82 106.00 195.10 433.15
純利益 3.22 35.01 101.60 181.32 385.70
世界各国に生産拠点を持ち、規模も大きく、総合的な競争力は強い

同社の競争力は高い。アジアでは北京、杭州、深セン、欧州ではハンガリー、アメリカではメキシコなどに生産拠点を持ち、生産能力は大規模であり、製造コストは安い。厳格な品質管理のもとで、設計から、部品製造、組立まで一貫生産体制を構築しており、合理化で高い効率を確保。市場の変化への対応力も高い。

主要取引先は業界大手

最大の供給先はノキア社とモトローラ社。IT市場調査会社である米Gartner社によると、この2社の市場シェア(2005年)はそれぞれ、32.5%、17.7%に達しており、合わせて50%強である。大手メーカーとの提携関係が強固であることから、安定的に大口の受注がある。

研究開発を強化

2005年5月、台湾の携帯電話端末大手の奇美通訊股フン有限公司(奇美通訊)の支配権を取得すると発表。その後は持株比率を76.3%に引き上げ、支配力をさらに強化した。奇美通訊は、携帯電話の設計、製造、テスト、先端無線技術の応用などを手掛ける有力業者。今回の買収により、富士康国際の設計能力の向上、市場競争力の強化につながった。

2005年は92.4%増収、112.7%増益

2005年は92.4%増収、112.7%増益を達成。最大の要因は携帯電話の消費拡大と、それに応じた生産能力の拡大。とりわけ、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に代表される新興市場で、携帯電話端末および携帯電話料金の低廉化が市場拡大をもたらし、アジア、欧州向けの売上は急増した。一方、成熟市場では、カメラ、MP3などの音楽プレーヤー、電子メール、PDAなどの機能を備えた携帯電話端末に対する買い替え需要も堅調だった。

2005年の地域別売上高の伸び率 (前年比:%)
  アジア 欧州 アメリカ
売上高 169.1 187.7 19.4
営業利益 116.9 173.0 42.8
2006年は98.0%増収、68.5%増益へ

2006年は98.0%増収、68.5%増益を予想。その主な前提条件は以下の通り。

  1. 中国、インド、ロシアなどの新興市場の市場拡大が継続(5月末時点で同社の受注額は前年同期比約倍増している)
  2. 西欧、北米、あるいは南アフリカ、中東の石油国などの成熟市場では、ハイエンド製品の買い代え需要が堅調
  3. ただし、低価格化も進み、粗利益率は5~15%低下する
市場の変化に伴いチャンスも拡大

携帯電話業界では、大手企業の市場寡占度が高く、上位6社で78.4%を占めている。西欧、北米など成熟市場がハイエンド商品の技術開発やデザインなどで競争が激化している一方、新興市場でのローエンド商品は消費拡大とともに粗利益率が圧迫されている。端末ベンダーは規模の経済を追求できなければ、特定需要における競争力を強化するしかないと考えられる。

グローバル展開へ

富士康国際は大口取引先の需要拡大に応じて、デザイン力の向上を図りながら、インド、チェコなどにも新たな生産・研究施設を建設している。また、年内にもソニー・エリクソン社(2005年の市場シェアは6.2%、世界5位)のODM発注を受ける可能性が高いと報じられている。実現できれば、さらなる規模の経済を享受できよう。

株価は調整中

キャッシュリッチだが、設計や生産能力向上のためのM&Aや設備投資が控えている。本土拠点の労働条件改善や税制改正などによるコスト増加も考えられる。そのため、配当を出す可能性は低い。また、5月中旬以降、相場全体が調整局面に入り、同社の株価も6月初頭の高値圏から約30%下落。予想PER(2006年ベース)は20倍前後まで下がった。押し目買いのチャンスである。(陳)

業績推移と投資指標


株価推移:

拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的とした上記日時における弊社の意見です。政治、経済、為替などのリスクを十分にご理解頂き、投資に関する最終決定は、お客様ご自身でなさるようにお願い致します。また、弊社が信頼出来ると考える情報源から得た各種データなどに基づいてこの資料は作成されていますが、その情報の正確性および完全性について弊社が保証するものではありません。加えて、この資料に掲載された弊社の意見ならびに予測は、予告なしに変更することがありますのでご注意下さい。

広告審査済

中国株取引のリスク
株価や為替の変動等により損失が生じるおそれがあります。
中国株取引の手数料について
中国株の手数料は、国内手数料、現地手数料、為替手数料と3種類の手数料があり、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は中国株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
中国株は、クーリング・オフの対象にはなりません。
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。
本サービスを提供するのは金融商品取引業者である内藤証券株式会社
(加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会)(登録番号:近畿財務局長(金商)第24号)です。