チャイナマンスリーレポート

9月号

2006年8月25日 内藤証券中国部

本土株

中国本土株の動き(短期) 中国本土株の動き(長期)

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値固めが進む

7月20日から8月18日までの上海総合指数の動きをみると、7月20日以降弱いリバウンドがあり、7月26日には区間のピークとなる1,686.65ポイントを付けた。しかしそこから急落、しばらく下げが続き、8月7日には区間の安値となる1,547.44ポイントまで下げた。その後は自立反発するものの、出来高は小さく、値固めの状態が続いている。


景気過熱が相場の焦点に

売り材料を整理すると、(1)景気過熱⇒金融政策、マクロコントロール⇒該当産業に属する企業の業績悪化、景気全体の悪化、(2)IPO多発などの需給悪化懸念。(1)に関しては、a)経済統計:GDPなどの四半期統計、固定資産投資、物価指数などの月次統計、b)政策:金融引き締め策、不動産業など産業ごとのマクロコントロール、共産党規律委員会を通じた懲罰、(2)に関しては、c)IPO多発による需給悪化、d)非流通株の流通化改革が行われた銘柄は通常1年間の売却制限が設けられるが、8月以降、売却制限の切れる銘柄がたくさん出てくるなど。


買い材料は資本市場改革の進展

一方、買い材料を整理すると、(4)政策、(5)企業業績の好転など。(4)に関しては、QFIIの枠拡大、銀行・保険会社への株式運用の規制緩和、株式ファンド拡大のための政府のサポート、証券会社への政府のサポートなど、(5)に関しては、M&A、地方政府による資産注入、増資などの財務支援による変化などを含む。


景気過熱に注目

ここ一ヶ月、投資家たちは、売り材料、特に、景気過熱に対して非常に敏感に反応してきた。株価が不安定なのは景気過熱が収まらないことの表れともいえよう。


不動産の上昇が目立つ

7月20日から8月18日にかけての上昇率ベスト5、ワースト5を以下の表に示す。中央がいくら厳しい規制をかけようとも、優良不動産企業への影響は軽微である。売られすぎた不動産を買い戻す動きから、上海B株も深センB株も不動産関連銘柄の上昇が目立つ。そのほか、好決算、無償増資を発表した黄山旅行開発、資産再編を発表したST大盈現代農業、広東電力、売られ過ぎの反動と業績回復期待からアモイ燦坤実業、大連冷凍機が買われた。一方業績悪化懸念のある銘柄は大きく売られている。ただし、業績の良い銘柄も売られている。上海振華港口機械は、価格の弱含み、A株でQFIIによる持ち株にまとまった売りが出たことから、深セン深宝実業は財務上のトラブルから株価は大きく下げている。


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経済過熱問題は今後収束へ

米国の利上げサイクルは終盤に近づいている。人民元切り上げ期待による海外からの資金流入が続く中国では、利上げをしたとしても、その上げ幅は限られる。8月18日、引け後に利上げを発表したが、この先利上げがあっても、1回程度ではないか。今後貿易黒字の伸び率は鈍化すること、物価水準は落ち着いており、今後も急上昇はしないであろうこと、マクロコントロールの効果が今後徐々に現れるであろうことから、経済過熱問題はこれ以上深刻にならないと考える。上昇トレンドは維持されると予想。(田代)


香港株

高値更新

7月20日から8月18日までのハンセン指数は、7月21日以降の6連騰で1万7,000ポイントの大台を迫ったが、8月8日までは狭いレンジでのもみ合いが目立った。8月4日以降は再び上昇し、16日は1万7,451.03ポイントと約6年ぶりの高値水準で大引けしている。H株指数は8月初頭にやや勢いを失う場面もあったが、8月16日には区間高値の7,063.12ポイントをつけた。レッドチップ指数もハンセン指数とほぼ同調。8月16日には2,615.01ポイントで引け、1998年3月以来の高値を更新した。


米の利上げ休止を好感

米国時間7月19日の議会証言で、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の景気減速に配慮した発言が目立った。利上げ休止の観測が広がったものの、8月8日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、様子見ムードもあった。利上げが見送られ、8月9日は3指数とも大きく上昇。15日、米国の物価指標が市場予想を下回ったため、利上げ再開の可能性が低くなったとの見方が広がり、16日には、3指数とも区間の高値をつけた。


決算発表も材料視された

主力銘柄の決算発表も材料視された。ハンセン指数構成銘柄では、匯豊控股(0005)、中国移動などの大型株がほぼ市場コンセンサス通りの決算内容を発表し、地合いを固めた。H株も6月中間決算の発表が続々。大唐国際発電(0991)、平安保険(2318)などの決算内容は一部の市場予想を上回ったものの、馬鞍山鋼鉄(0323)、復地(集団)(2337)などは減益。


マクロコントロール強化への警戒感も

一方、固定資産投資と銀行貸出の伸び率は依然として高水準にあり、中央政府は土地と銀行与信の管理を再三に強調し、抑制策を強化している。金融引き締めへの警戒感が消えず、相場の重しとなった。


中国移動が指数をけん引

7月20日から8月18日にかけての騰落率ベスト5、ワースト5を下図で示す。8月17日の決算発表に期待感が高かった中国移動は11.2%高、引き続きハンセンとレッドチップ指数をけん引。これまでは「売られすぎ」とされた聯想集団は、4-6月決算が市場予想を上回ったこともあって、10.1%高。米国の利上げ休止を好感し、恒隆地産や恒基地産などの金利に敏感な不動産銘柄も買われた。一方、外資による買収・非公開化期待がなくなった電訊盈科は▲4.0%安と続落。ハンセン指数の構成銘柄から外される徳昌電機も▲2.0%。


H株では広州薬業が目立つ

H株では、広州薬業が22.6%高と目立った。傘下企業に対する支配権を強化するほか、投資家が新製品に対する期待感も高いもようだ。6月中間決算が黒字転換となった深セン中航実業は、自社株買いの実施もあって、19.7%高。欧州系証券会社がレーティングを引き上げた中国外運も16.6%高と目立った。反面、6月中間決算が赤字になる可能性を明らかにした中国航空科技工業は▲28.1%。7月の全国自動車販売が減速していることを受け、東風汽車集団も▲15.1%。そのほか、米系大手証券が持株比率を下げた東方電機も▲11.1%となった。


レッドチップでは中国光大国際などが急騰

レッドチップでは、中国誠通発展集団が34.9%高と上昇率の首位を占めた。払込剰余金の取り崩しで累損を穴埋めする計画が承認されたほか、増資の成功も会社の体質改善に対する期待感を高めたようだ。そのほか、環境保護関連の中国光大国際が29.9%高、6月中間の黒字転換期待が高まった中保国際が28.1%高など、急騰銘柄が目立った。反面、経営面での根本的な改善が見込まれず、円通控股、方正数碼などは急落している。


消費関連に注目

8月18日、中国人民銀行(中央銀行)が利上げを発表した。優良銘柄への悪影響はそれほど深刻でないと思われるが、市場は当面ディフェンシブなセクターに注目しよう。多額の預金を保有している平安保険などは利上げ局面でも有利だと思われるが、航空、高速道路、不動産などは厳しそう。反面、食品、観光、ホテルなどの消費関連の一部が市場の関心を集めよう。招商銀行のH株IPO(新規公開)など、複数の資金調達行動が資金需給悪化の懸念を引き起こるかもしれないが、逆に海外から資金を誘引し、取引の活発化を促進することも可能であろう。(陳)


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株価動向
中国株の動向(短期)
中国株の動向(短期)
中国株の動向(中期)
中国株の動向(中期)
中国株の動向(長期)
中国株の動向(長期)

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