チャイナマンスリーレポート

12月号

2006年11月30日 内藤証券中国部

本土株


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~政策発動への期待高まる~
上海総合指数は力強く上昇

10月20日から11月20日にかけての上海総合指数は、中国工商銀行の上場(10月27日)による需給悪化懸念のあった10月下旬と、高値警戒感から利食い売りに押された11月10日前後に小さな押し目があったものの、総じて強い上昇トレンドを描いている。深センB株も上昇トレンドにあるが、11月中旬以降の戻りが弱い。上海B株は10月に入ってからずっと高値圏でのもみ合いが続いている。


中国工商銀行上場成功

10月27日、中国工商銀行がH株、上海A株同時上場を果たした。A株の公募価格は3.12元。上場初値が3.4元で、その日の終値は3.28元。大きな陰線をつけたことでその後の株価形成が危ぶまれたが、11月3日以降、QFIIによる欧米系の積極的な買いが入った模様。10日以降株価は急騰、20日は終値で3.92元に達している。A株市場最大のIPOが成功したことによって相場は大きく活気付いている。


B株の動きは鈍い

9月中旬、A、B株統合の噂により急騰したB株であるが、その後まったく進展がないことから、株価上昇の速度は鈍化している。A株は、社会保障基金、外国人投資家(QFII)など機関投資家の資金が株価を押し上げており、銀行株を中心に大型株が買われているが、小型株の値動きは鈍い。B株は制度上、国内の機関投資家は買うことができない。また、B株には外人機関投資家が“買える株(大型株)”が少ないことなどが原因で動きはいまひとつ鈍い。


不動産、大型優良株が買われる

10月20日から11月20日にかけてのB株の上昇率ベスト5をみると、不動産が上海で3社、深センで2社がランクインしている。経済過熱が沈静化しつつあり、マクロコントロール強化に対する懸念が薄らぎつつあること、前月下げすぎた反動などが上昇要因である。不動産以外では、上海振華港口機械、浙江東南電力、張裕葡萄酒、中国国際コンテナ、杭州スチームタービンなど外国人投資家が好む時価総額の大きい優良銘柄が買われている。


1~9月決算で業績悪化銘柄が売られる

10月20日から11月20日にかけてのB株の下落率ワースト5をみると、1~9月期の業績が赤字拡大または赤字転落であった銘柄が6割。そのほとんどが今期赤字予想を発表している。そのほかでは、純粋B株で前月大きく上昇した華源凱馬、経営陣が紀律違反の疑いで、当局から調査を受けている上海海欣集団、資金繰りの悪化している重慶建設摩托車、生産が事実上停止していると発表した承徳帝賢針紡などが大きく下落している。


純粋B株企業の非流通株流通化が焦点に

中国工商銀行の上場は成功した。株価が安定するまでには、まだ数ヵ月程かかるかもしれないが、当局の関心は次のテーマ、つまり“非流通株流通化の最後の仕上げとして、純粋B株をどうするのか”に移りつつある。年内にも問題解決に向けた議論がマスコミを賑わす可能性もある。A、B株統合やB株消却など、B株株価に大きな影響を与える政策発動に繋がるだけに噂レベルから要注意。(田代)




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香港株


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~出遅れ銘柄に注目~
高値更新が続く

主要3指数は10月20日から11月20日にかけて、上昇トレンドを維持し、歴史的な高値を記録した。ハンセン指数の区間安値は10月20日の1万8,089.85ポイント。11月15日は初めて1万9,000ポイントの大台に載せ、17日は1万9183ポイントで史上最高値を更新。レッドチップ指数の区間安値は10月23日の2,792ポイント。11月16日は3,154ポイントで1997年12月以来の高値を更新した。H株指数の区間安値は10月27日の7,406ポイント。11月17日は8,321ポイントで指数調整後(2001年)の高値を塗り替えた。


大型IPOによる需給悪化懸念は限定的

注目の中国工商銀行(1398)のIPO(新規株式公開)が10月下旬に行われた。資金調達額は過去最高の220億米ドル(追加発行額を含む)相当。公募は好調、公開価格はA株、H株ともに価格レンジの上限で決定され、幹事証券会社や機関投資家は過去最大規模のIPOが市場にもたらす影響を見越し、それなりの準備をしていた。10月27日の上場は無難な船出となり、大量の資金が香港に流入、それが大きく回転しマーケット全体を押し上げた。


米国株が好調

一方、米国では、主要企業の1-9月期の決算内容がよく、原油安も好感され、10月下旬からダウ工業株30種平均は連日史上最高値を更新。10月24日から25日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)も金利の据え置きを決め、株式市場は活気づいた。景気後退のリスクはあるものの、グローバル展開の巨大企業が好業績を維持するだろうとの見方が広がり、主力株は堅調な展開となった。そうした流れを香港株式市場も引継いでいる。


金融引き締め策は無視

中国人民銀行(中央銀行)は11月3日、ここ5カ月で3度目となる預金準備率の引き上げを発表し、11月15日から実施。ただし、投資家はほとんど反応しなかった。大量な資金流入を背景に、週明けの11月6日、ハンセン指数は先物主導で急上昇し、初めて1万8,900ポイントの大台を突破して引けている。


人民元高、原油安も追い風に

11月7日に開かれた米国の中間選挙で、民主党が12年ぶりに議会の主導権を奪還した。貿易不均衡解消を迫るのは必至。人民元切り上げ圧力はこれまで以上に高まるだろうとの見方が台頭。実際、人民元の対米ドルレートが2005年7月の切り上げ以降の高値を連日更新。それを背景に銀行、不動産などの内需株が急騰している。


中国移動がハンセン指数をけん引

10月20日から11月20日にかけて個別銘柄の動きを見ると、実質筆頭株主から港湾と隣接土地の権益を買収すると発表した招商局国際(0144)、好決算を発表した香港交易所(0388)などが買われた。時価総額2位の中国移動(0941)も堅調で、ハンセン指数をけん引。一方、増資を発表した裕元工業(集団)(0551)、恒隆地産(0101)、成長率鈍化が嫌気された香港中華煤気(0003)などが売られた。


H株は業績重視の展開

1-9月期決算が大幅増益となった中国南方航空(1055)、第三世代携帯電話(3G)導入スケジュールの公表が好感された中興通訊(0763)、複数の機関投資家による買い増しが報道された湖南有色金属(2626)などが急騰。半面、1-9月期決算で黒字転換を達成したにもかかわらず、上海先進半導体(3355)は急落。また、資金が大型主力株に集中するあまり、最近急騰した広州薬業(0874)、交大昆機科技(0300)など利益確定売りが膨らみ、大きく反落した。


レッドチップではリストラ銘柄が急騰

業績改善が明らかとなった華凌集団(0382)、リストラが完了した香港建設(0190)、親会社への資産売却を発表した広東製革(1058)などが急騰。一方、粗利益率下落が懸念された冠捷科技(0903)、テレビ事業不振のTCL多媒体(1070)、非公開化見通しが後退した中石化冠徳(0934)などは下落。


出遅れ銘柄に注目

H株指数が高値圏で推移しているが、PERが約17倍で、BRICsのほかの3カ国(インド、ロシア、ブラジル)の代表的な株価指標と比べて割高感はない。人民元高の加速期待を背景に、海外から資金流入は、しばらく続くであろう。来年以降、中央政府は外資企業と本土企業の税率一本化を段階的に実施、法人税率の引き下げようとしている。実質税率の高い銀行が最も恩恵を受けるとされ、株価は急騰している。1-9月期の企業業績が好調な中国石油天然気(0857)、大唐国際発電(0991)、東風汽車集団(0489)、駿威汽車(0203)、深セン高速道路(0548)、江蘇高速道路(0177)など、出遅れ銘柄に注目したい。(陳)




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株価動向

中国株の動向(中期)
中国株の動向(短期)

中国株の動向(長期)
中国株の動向(中期)

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