チャイナマンスリーレポート

1月号

2006年12月29日 内藤証券中国部

本土株

~史上最高値更新~


拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

上海総合指数は史上最高値更新

11月20日から12月20日までの上海総合指数は、高値警戒感から横ばいとなった11月下旬、利上げの噂が広がり軽い押し目となった12月上旬を除き、力強い上昇トレンドを描いた。12月13日には場中で、14日には終値ベースで、5年半ぶりに史上最高値を更新、そのまま20日にいたるまで、高値更新を続けている。B株についてもA株と同様の動き。ただし、上海B株は押し目がやや深く、総合指数や深センB株と比べれば、上昇の勢いは弱い。

経済工作会議は目新しさなし

翌年の経済運営について話し合われる国務院主催中央経済工作会議が、12月5日から7日にかけて行われた。マクロ経済調整の継続などを含む8項目の基本方針が打ち出された。そもそも何か大きな材料が出るのではといった期待感があったわけではない。内容には何も目新しいものはなかったものの、そのことで売り込まれることもなかった

米中経済戦略対話では中国の粘り強さが目立つ

12月14日、15日、米中戦略経済対話が開かれた。米国からは、ポールソン米財務長官を代表として、バーナンキ連邦準備理事会議長、シュワブ通商代表部代表などが参加、呉儀・中国副首相らと会談を行った。中国が為替制度や知的財産権保護などの構造的な問題を是正すると共に、米国が中国の改革に協力することで合意した。米国は改革の速度を増すように求めたものの、中国は経済の混乱を理由に慎重に進めることを主張、最後まで妥協することはなかった。人民元レートは会議前から上昇、15日まで高値更新基調が続いた。その後はやや落ち着きを取り戻しているが、大きく戻る気配はなく、20日にはまた高値更新となっている。

業績、個別材料で買われる

11月20日から12月20日にかけての上海B株の上昇率ベスト5をみると、好業績が期待される中国第一鉛筆、華新セメント、黄山旅行開発、第三世代移動通信の事業者ライセンスが早ければ今年末から2007年第一四半期にかけて発給されるとの見方が広がった東方通信、上海郵電通信設備などがランクインしている。一方、深センB株の上昇率ベスト5をみると、リストラの始まったST中魯遠洋漁業、新規プロジェクトが立ち上がること、大手機関投資家が大量に株を保有したことがわかった無錫威孚高科技、オランダのBurg社買収を発表した中国国際コンテナ、リストラ期待の大きい*ST海南珠江控股、業績好調な長安汽車などが大きく上昇している。

業績不振で材料のない銘柄が軟調

11月20日から12月20日にかけてのB株の下落率ワースト5をみると、赤字見通しの大化集団大連化工、上海塩素アルカリ化工、リストラの行方が不透明なST大盈現代農業、まったく買い材料の見当たらない黄石東貝電器、買収先不動産の評価を修正した*ST上海鼎立科技などの上昇率が低い。一方、原油価格下落を織り込み上げすぎた反動で山東航空、資金繰りの悪化している深セン物業発展、重慶建設摩托車、ペプシ合弁企業の出資持分を一部売却すると発表した深セン深宝実業、販路縮小を余儀なくされたアモイ燦坤実業などが下げている。


純粋B株企業に注目

A株市場はIPOラッシュが続いている。そのことが需給悪化を招くのではなく、相場のブースト役となっている。IPO銘柄の中には上場初日終値で公募価格を7割も上回る銘柄も出ている。資金は高速回転しており、市場全体に広がっている。A株市場は未曾有の大相場を形成している。当局はこの時期に少しでも多くの国有企業が資金調達できることを望んでいるはずだ。需給悪化するまでIPOをやらせ、その後で政策発動させるといった手法をとれば、非常に効率的である。非流通株流通化の最後の仕上げとして、純粋B株をどうするのかといった問題が残っている。政策発動となれば、A、B株統合やB株消却などに繋がると見込まれ、B株株価に大きな影響を与えそう。株価が下落トレンドとなりそうな時点で、こうした政策が発動される可能性がある。純粋B株に注目。(田代)




香港株

~新高値を試す展開~


拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

歴史的な高値圏

11月20日から12月20日の香港市場を見ると、ハンセン指数は11月23日に史上最高値の1万9,265.32ポイントをつけたが、11月28日は急落。終値の1万8,639.53ポイントは区間安値。その後は1万8,700~1万9,000ポイント近辺でもみ合った。12月20日は1万9,240.12ポイントで引けている。
レッドチップ指数はハンセン指数とほぼ同じ。11月24日に3,148.31ポイントで引け、1997年末以来の高値となったが、11月28日は急落。その後は3,020~3,120ポイントあたりで推移。12月20日の終値は3,125.06ポイント。
H株指数は12月4日まで、主に8,400~8,600ポイントで推移。12月中旬に急騰し、一気に9,000ポイントの大台に乗せた。12月20日は9,430.28ポイントで引け、終値ベースの過去高値を更新。区間安値は11月28日の8,133.78ポイント。


期初は経済指標の堅調さを好感

香港特別行政区政府は11月21日、2006年7-9月期の域内総生産(GDP)が前年同期比6.8%増と発表。4-6月期は5.5%増だった。ファンダメンタルズの堅調さが改めて浮き彫りとなった。それが好感され、11月22日は主力銘柄が幅広く買われた。ハンセン指数は過去最高値を更新。レッドチップ指数も急伸。H株指数は2001年の指数算出方法が改訂された後の最高記録を塗り替えた。上昇の勢いは11月23日に引き継がれ、3指数とも高値圏で推移。


高値警戒などで一時急落

一方、歴史的な高値水準に対する警戒感も高まった。また、29日は指数先物の最終取引日。11月27日の米国株式市場でダウ工業株30種平均が大幅に続落すると、28日の香港株式相場は急落。ハンセン指数、レッドチップ指数、H株指数はそれぞれ2.94%安、3.67%安、4.47%安。本土系銘柄が大幅下落し、中国移動(0941)が4.16%安、中国建設銀行(0939)が6.42%安、華潤創業(0291)が6.63%安などと目立った。その後は米国株が持ち直し、香港市場も回復。


「米中戦略経済対話」に因んで人民元高が進む

12月14~15日、第1回「米中戦略経済対話」が開かれ、ポールソン・米財務長官やバーナンキ・米連邦準備制度理事会議長などが訪中。貿易不均衡問題などで意見交換した。人民元の先高観が高まり、人民元対米ドルの為替レートが昨年の切り上げ後の高値を連日更新。H株上昇の追い風となった。

IPOラッシュによる需給悪化懸念は軽微

ここ一ヵ月で17社の新規株式公開(IPO)が続いたほか、既存株の増資も多かった。過密ともいえる資金調達活動に対し、需給悪化懸念も一部にあったものの、その影響は軽微。一方、優良企業のIPOは海外資金を誘引できるとの見方が浸透。IPO後に大量の資金が香港市場に滞留し、取引の活発化が期待された。実際、これらの銘柄はいずれも高い人気を集め、上場初日から株価は急騰、市場全体の取引活性化に寄与した。

通信株に明暗

11月20~12月20日にかけての個別銘柄の動きを見ると、本土系通信株の中国網通(香港)(0906)、中国聯通(0762)は急騰し、ハンセン指数を押し上げた。3G(第三世代携帯電話)の導入観測とそれに伴う業界再編に対する期待感は高いようだ。一方、中国移動(0941)は中国独自の3G基準の普及を担う見通し。他社よりも投資コストが大きいとの見方から、利益確定売りが膨らんだ。また、資産売却案が否決された香港系通信大手の電訊盈科(0008)も安い。

レッドチップは業績不振銘柄が軟調

レッドチップでは、北京地下鉄関連事業の参入などが好感された北京発展(控股)(0154)、業績改善やリストラが期待された首長科技(0521)などが急騰。不動産部門が好調な越秀投資(0123)も大きく上昇。半面、2006年9月中間決算で22.94%減益の神州数碼(0861)、欧州事業は赤字が続いているTCL通訊(2618)などは軟調な展開となった。p


H株は好業績への期待感が高まる

H株では、国有法人株の譲渡などが国務院国有資産監督管理委員会に承認されたと発表した交大昆機科技(0300)、華東地区での販売価格上昇が確認された安徽海螺水泥(0914)、第11次5ヵ年計画の恩恵を受けそうな第一トラクター(0038)は、業績拡大の期待感で急騰。一方、急騰していた中国南方航空(1055)、中国国際航空(0753)は利益確定売りに押された。外資系証券会社のレーティング引き下げを受けた聯華超市(0980)なども安い。p


高値挑戦へ、調整リスクも高まる

人民元の先高感、強気な企業業績予想(本土企業と外資企業の税率統一もその要因の一つとされている)を背景に、海外資金の流入と滞留はしばらく続こう。当面、ハンセン指数が2万ポイント、H株指数が1万ポイントを試すような展開になるであろう。ただし、PERが同セクターの国際優良株を大きく上回っている中国人寿保険(2628)のような一部の銘柄に株価調整リスクが高まっていることも看過せない。p


一方、中長期的には新規上場の中国交通建設(1800)、株洲南車(3898)などの寡占企業に対する期待が大きい。非公開化の可能性のある工銀亜洲(0349)、A株上場が進む平安保険(2318)、業績拡大基調の江蘇高速道路(0177)、再編効果に期待できる中国糧油国際(0506)にも注目したい。(陳)p




広告審査済

中国株取引のリスク
株価や為替の変動等により損失が生じるおそれがあります。
中国株取引の手数料について
中国株の手数料は、国内手数料、現地手数料、為替手数料と3種類の手数料があり、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は中国株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
中国株は、クーリング・オフの対象にはなりません。
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。
本サービスを提供するのは金融商品取引業者である内藤証券株式会社
(加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会)(登録番号:近畿財務局長(金商)第24号)です。