チャイナマンスリーレポート

2月号

2006年12月29日 内藤証券中国部

本土株

~もみ合いから上昇~



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上海総合指数は高値圏でのもみ合い

12月19日から1月19日までの上海総合指数は、前半力強い上昇トレンドを描いたものの、新年に入り、高値圏でのもみ合いとなっている。上海B株は新年以降、上昇スピードを加速させているが、16日以降軽い調整となっている。深センも同様である。


企業所得税率が25%へ

12月下旬から1月初めにかけての本土株上昇は、企業所得税軽減が主要因。12月25日、企業所得税(法人税)の実質税率を25%に統一することについて、全国人民代表大会常務委員会の会議で審議されることになった。中国本土では外国企業に優遇税率が適用されているケースが多い。33%の税率が適用される中国企業と比べ、税制面で有利な状況にあった。こうした格差が以前から問題となっており、25%という具体的な数字が明らかとなったことで、メリットを受ける銀行株を中心とした内需関連株が大きく買われた。

年末を控えドレッシング

加えて、2006年は5年ぶりの大相場となったが、今回の買い方の主役は個人投資家ではなく、ファンドを運用する機関投資家である。12月末までの運用成績がその後の資金集めの決め手になるだけに、業者間のドレッシングは熾烈を極め、市場は大きく上昇することになった。

主な上げ材料は?

1月に入ってから上海総合指数は、高値圏で“もみ合い”となっている。上げ要因は過剰流動性。人民元は連日高値更新を続けており、外貨準備高は1兆663億米ドルに達し、急激に増加している。その結果、12月末時点のM2は16.9%増と上昇傾向にある。

主な下げ材料は?

一方、政府は、急騰を続けるマーケットや、過剰流動性が生じていること自体に対して、危機感を抱いている。5日、中国人民銀行は1月15日付で預金準備率を0.5ポイント引き上げ、9.5%とすると発表。また、10日、国家環境保護総局は本土の4大発電グループのすべての建設プロジェクトについて、承認の停止・制限を実施すると発表した。相次ぐ違法建設により、環境汚染が悪化していることが背景である。16日には、国家税務総局が土地増値税の「清算方法」に関する細則を発表。「前払い納税」が主流だった土地増値税の本格的な「清算」が進むこととなり、不動産開発の期間内に地価が上昇すれば、デベロッパーの土地保有や開発で大幅なコスト増になるとの懸念が広がった。こうした下げ材料があったにもかかわらず、市場はそれらを1、2日で吸収、高値圏でのもみ合いを続けている。

統合の噂からB株急騰へ

10日、中国経済時報は、「春節以降、B株改革が実施されるだろう」とする記事を掲載した。①中国証券監督管理委員会(CSRC)は既に草案を作成している、②非流通株流通化の際と同様に、各社個別に解決案を考える、③改革によって、一時的にB株取引が停止される可能性があるといった内容。すぐさま、CSRCは内容を否定したものの、投資家のB株改革に対する期待は大きく、噂が出た時点で急騰し、その後も高値圏で推移している。

リストラ関連などが買われる

12月19日から1月19日にかけての上海B株の上昇率ベスト5をみると、業態変更を好感された金山建設開発、大株主の変更が好感された華源凱馬、大幅増益見通しを発表した上海ディーゼルエンジン、貸倒引当金の戻し入れが多額に発生することがわかったST大盈現代農業、業績急回復期待から黄石東貝電器などが上昇した。一方、深いセンB株では、原油価格の下落、不良債権回収の進展から山東航空、数少ない業績好調な農業関連銘柄として湖北沙隆達、業績好調が続く長安汽車、業績上方修正を発表した南山電力、純粋B株の中で早期に改革が行われるとの期待感から広東雷伊(集団)が買われた。

不動産、優良株が軟調

上海、深センともに、不動産関連銘柄である上海金橋輸出加工区開発、上海外高橋保税区開発、深セン特区不動産、招商局地産控股などの上昇率が低い。また、これまで相場を牽引してきた優良銘柄である上海錦江国際実業投資、上海振華港口機械、上海錦江国際酒店発展深セン赤湾港航、本鋼板材などが材料難から上昇率が低い。また、石家荘宝石電子ガラスは中国証券監督管理委員会から証券法違反で警告処分を受けたことから、上昇率が低くなっている。

誰にも上昇は止められない?

米中の貿易不均衡、中国の過度に輸出に依存した経済体質などはいずれも構造問題であり、簡単には直せない。欧米投資家の間では米ドル安懸念が広がっている。政府が強固な市場介入を続け、人民元上昇速度を現在のようなゆっくりとしたものとし続けるならば、長期に渡り、人民元高が続こう。そして、金融市場の自由化を進めない限り、過剰流動性は解消されないであろう。政府は、利上げなどの金融政策、産業、企業に対するピンポイントでのマクロコントロールなどを通じて、経済過熱や過剰流動性を和らげようとするだろうが、そのたびに株価は反応する。しかし、①資金流入、②循環物色による活発な資金回転は維持され、A株の上昇トレンドに変わりはない。B株については、政策待ち。B株は、改革に関する噂で急騰したばかり。同じパターンでの上昇が断続的に続くと予想する。(田代)

香港株

~しばらく調整か?~



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中国成分が大きいほど株価は弱い

12月19日から1月19日にかけての主要3指数の動きは明暗を分けている。年末から、年初2営業日目である1月3日までの主要3指数は、いずれも好調、史上最高値を更新、強い上昇相場を形成した。一方、4日を境に3指数とも急落、1月11日にかけて大きく下落した。その後の戻りは、ハンセンがもっとも強く、最高値付近まで回復している。レッドチップは下げた分の半分ぐらい戻したに過ぎず、H株は戻りが弱く、依然として安値圏に近い水準で低迷している。

消費関連、香港系不動産が強い

12月19日から1月19日にかけての個別銘柄の動きを見ると、香港マーケットは全体的に好調なことから、香港交易所、申銀万国香港などが高い。今年は消費が拡大するとの期待、ディフェンシブ銘柄へのシフトが進んだことなどから王朝酒業、青島ビール、広州薬業などが買われ、原油価格下落から、航空関連である中国東方航空、中航技術などが買われた。また、ハンセン指数採用銘柄では、販売好調が伝えられる香港系の不動産である新世界発展、恒隆地産、信和置業、長江実業などが高い。個別に見ると、上場直後であること、内容の良さから株洲南車、増資を発表した北京発展(香港)、中油燃気などが大きく上昇している。

本土系不動産が安い

一方、復地(集団)、北京北辰実業など本土系不動産が下げている。石油価格下落から、中国石油化工、中国海洋石油なども安い。個別では、10月以降子会社の銀行再編で急騰したものの、進展がみられないことから失望売りが出た中国光大控股、好材料はすべて出尽くしとして大手証券会社からレーティングを引き下げられた招商局国際、成長鈍化懸念から富士康国際などが安い。

本土と香港では温度差あり

H株、レッドチップに関しては、基本的な経済環境は同じでありながら、株価の方向性に差が出ている。高値を記録した1月3日時点での、H株指数の実績PERは21.9倍、レッドチップ指数は19.1倍。いずれも歴史的な水準から見ればもっとも高いレベルとなっている。一方、ハンセン指数は14.9倍。歴史的にみれば、まだそれほど高くない水準である。こうしたバリュエーション上の差が、ハンセン指数の戻りが早く、レッドチップ指数、H株指数の戻りが遅い理由であろう。PERが決算を織り込み始める3月、4月までは、どちらも積極的には買いにくい。純粋香港株についてはまだ買えそう。足元の不動産販売の状況がいいことから、香港系不動産が好調である。春節を前にして、小売セクターも物色対象に。



マカオ関連や旅行関連も含め、しばらく低迷していた純粋香港株に注目。H株、レッドチップについて、これまで上昇してきた保険、金融は要注意。本土系不動産については政策面での不安がある。配当利回りの高い銘柄、電力、道路セクターなどに注目したい。(田代)

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