チャイナマンスリーレポート

5月号

2007年5月1日 内藤証券中国部

中国聯通(チャイナユニコム)

―CDMA収益力アップ、「分割」如何にかかわらず、投資妙味がある
(0762 レッドチップ 内藤コードN7620 売買単位:2000株)

中国2位の携帯電話キャリア

06年業績は前年に比べ、売上高が8.3%増の942.9億元、純利益が24.3%減の37.3億元。CDMA事業の収益力向上が将来成長のポイントとして明確に現れてきた。06年CDMA事業の税前利益は10.3億元となり、05年の2.1億元の赤字から黒字転換を達成。


06年業績は市場予想を上回った

GSM事業の売上高は前年比12.5%増加して531.3億元となった。ユーザー当りの月間使用額を示すARPUは前年の48.5元から49.2元と小幅上昇している。
CDMA事業の売上高は前年比2.1%減少の251.1億元。高額レンタル・ユーザーの契約満了にともない低料金のマス・ユーザーが大幅に増加し、ARPUが前年の75.1元から65.9元に大きく低下したことが減収に繋がった。
移動通信付加価値業務の売上高は前年比39.5%増の172.5億元となり、移動体通信事業全体に占める割合は前年の17.0%から22.1%まで上昇した。
06年末時点のユーザー数は前年から11.4%増加して1億4236.6万人となり、市場シェアは31.3%を占めた。事業部門別ユーザー数と前年比伸び率は、GSMが11.4%増の10587.3万人、CDMAが11.5%増の3649.3万人。


GSM事業反発、CDMA事業は「収穫期」へ

GSM事業のARPUは05年までほぼ一貫して低下基調にあったが、06年から底打ち・反発の兆しを示した。これまでGSM事業の成長率を抑制していたのはARPUの下落。06年のGSM事業の税前利益伸び率が前年比2.3%増にとどまり、売上の伸びである前年比12.5%増に比べて低い水準となったのも、その流れが背景にある。しかし、07年、08年のGSM事業のARPUは引き続き改善してユーザー数も堅調に伸びるとみられる。したがって、将来GSM事業の純利益成長率は少なくとも売上成長率と同じか、上回る水準になると予想している。
CDMA事業は立ち上げ期にかかった巨額の営業費用の償却がほぼ終了、「収穫期」入りしたことがほぼ確認された。

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業界再編と企業分割から目が離せない

中国通信業界の再編と中国聯通の分割は必然となり、また聯通の「分割」を材料に同銘柄に投資するロジックに賛同するものだが、その前提となる再編・分割については以下の様に考えられる。

  1. 中国聯通がCDMA事業を売却、GSM事業を残したままW-CDMA免許を取得して、中国網通と合併する
  2. 中国電信が聯通のCDMA事業を買収、CDMA2000免許を取得する
  3. 中国移動は現有ネットワークのまま、TD-SCDMA建設を行う

分割した場合、中国聯通と中国網通の合併新会社の資産価値/株は、現在の中国聯通のそれを上回ることになろう。また中国電信がCDMA事業を買収した後の中国聯通の資産価値/株も、現在の価値を上回るはずだ。
仮に再編・分割がない場合でも、中国聯通のファンダメンタルズの改善に注目される。中国移動がTD-SCDMA建設という重しを負担する以上、競合の中国聯通には追い風となる。また、同時にCDMA事業の収穫期入りとGSM事業の改善が評価されることになるだろう。


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中興通訊(ZTE コーポレーション)

―新しい成長ドライバーとなる3G(第三世代)携帯電話ビジネス
(0763 H株 内藤コード N0763売買単位:200株)

中国最大級の通信機器メーカー

ZTEは中国最大級の通信機器メーカー。主な事業はワイヤレス機器、ネットワーク機器、携帯端末、デジタル機器の製造のほか、ソリューションサービスも行っている。同社は特にCDMA関連機器の分野において競争力が強く、2006年のCDMA設備の出荷量が世界1位、CDMA端末も中国国内2位。

関連設備供給の最大手

ZTEはTD-SCDMA規格の通信機器設備において、最も技術力が高い企業であり、ソフトウェアのアップグレードでHSDPA(3Gの技術をベースにした、更に高速なパケット通信を実現する技術)への対応や、室内通話の品質、ネットワーク建設コストといった点で競合他社より優位性を持っている。TD-SCDMAの通信インフラにおいて、各主要技術での蓄積が深く、他社より幅広い製品を提供。また、ZTEはこれまで小霊通(中国版PHSの名称)の主力端末メーカーとしても実績があり、携帯電話端末でもより高機能の製品を設計、生産する能力が高い。

TD-SCDMAのテスト導入プロジェクトで大規模受注

主要情報通信機器メーカーが参加する中国移動の3Gネットワークの建設プロジェクトへの設備供給入札の中で、ZTEは8都市のうち6都市のプロジェクトを落札し、総合受注シェアが46%と1位となったと見られる。

巨大なビジネスチャンスが期待できる

ZTEにとって3Gプロジェクトは成長のきっかけになると思われる。TD-SCDMAネットワーク建設に関して、中国移動の資本支出は2007年で約250億元、2010年までに約1877億元に上る見込みである。仮に資本支出の50%が通信設備に向けられ、ZTEがそのうち40%のシェアを獲得する場合、関連受注額は2007に約50億元、2010年までに約375億元が見込まれる。これは弊社の2006年予想売上高約230億元と比較して、大きな売上貢献効果が期待できる。また、中国移動のTD-SCDMAネットワークがカバーするユーザーは、2010年で約1億人になると見られており、端末市場の拡大も見込める。

重要なのはプロジェクトの継続性

通信設備事業においては初期シェアの重要度が高い。特にモバイル通信ではシステムの整合性から、初期に受注を獲得できたメーカーは、第2期、第3期と継続的な受注を受ける場合が普通である。今回受注は、即座に同社の売上高、利益に大きく寄与できなくても、今後の事 業展開への押し上げ効果を十分評価できる。


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合理的な水準のマージンが見込まれる

今回の発注規模が全体で約267億元、うち中国移動からは約250億元が見込まれ、その中で、無線システムが約70億元、コアネットワークシステムが約20億元、端末が約40億元、その他インフラ設備は約120億元に上っている。無線システムで52%、コアネットワークで20%、端末で25%のシェアを獲得する場合、同社の受注額が約40億元、2007年12月期で計上できる部分は約34億元と見込まれる。利益率の面では、今回の受注は粗利率約40%、税引後純利益が7%の水準が見込まれる。

会社発展のマイルストーンとなる今回の受注

TD-SCDMAは中国独自開発の新規格であるが、中国政府の推奨と中国移動による運営という状況では、今後中国主流の3G規格になる可能性が高い。ZTEはTD-SCDMAでの先行投資を通じて、同方式における技術力と受注実績が最も高い企業になり、今後中国の通信市場発展の最大の受益者になるだろう。今回の受注成功はZTEにとって、中国最大の機器メーカーになるチャンスを与えている。


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上海錦江国際酒店発展(ジンジャンインターホテル)

―安定した2006年度業績―
(900934 上海B株 内藤コード X4660 売買単位:100株)

中国最大のホテルチェーン

同社は、高級ホテルから格安ホテルの経営・運営受託、レストランなどを展開する中国最大のホテルチェーン。「錦江」と「錦江の星」ブランドの直営ホテルを事業展開している。

安定した2006年度業績

2006年12月期の業績は安定的に推移した。同年度の売上高は前期比3.0%増の9.3億元、粗利益は同3.3%増の6.4億元、純利益は同12.5%増の2.16億元、EPSは0.359元となった。ホテル経営事業による売上高は前期比7.17%増加した。4つ星・5つ星ホテルの年間平均稼働率は前期比1%ポイント低下し、74.0%となったものの、年間平均室料は1,093元と、前期比3.7%上昇した。2つ星・3つ星ホテルでは、稼働率と室料は共に前期比やや低下した。4つ星・5つ星の直営ホテル(4ホテル)の純利益の前期比伸び率は、各々+7.1%(湯臣)、+15.8%(揚子江)、+8.1%(海倫)、-12.3%(建国)である。ホテル運営受託事業による売上高は前期比3.43%増の9,357万元となった。運営受託対象は92ホテルに達し、客室数は約2600室増加した。
レストランチェーン事業では、赤字が大幅に縮小した。2006年12月期の営業収入では、上海ケンタッキーが前期比13.3%増の15.4億元、上海新亜大家楽が同6.1%増の1.9億元となった。2006年末、上海ケンタッキーは191店舗、「大家楽」は5店舗、「新亜大包」は67店舗、上海吉野家は8店舗、「静安面包房」(弊社が30%の株式を保有)は55店舗であった。また、高級ホテル向けの高級レストラン「錦廬」が2006年6月に錦江飯店で開業し、顧客に好評である。

上海市の高級ホテルの供給過剰が懸念

同社のホテルは大半が上海にあり、室料と稼働率は共に比較的高い水準にある。しかし、上海における4つ星以上の高級ホテルがやや供給過剰になっている現状を考えると、今後、稼働率が低下する公算が大きく、とりわけ特色があまりはっきりしない建国飯店にとってプレッシャーが大きい。ただし、今後2年間は、上海市の高級ホテルが需給均衡に向かう時期でもあるため、室料の低下の可能性は比較的小さい。ホテル運営受託事業では、今後も年間15%の伸びが予想されるものの、短期的には会社業績への寄与度は大きくない。レストランチェーン事業では、中華レストラン事業が2007年に収支均衡に転じ、2008年には会社の利益に貢献する一方、ケンタッキー外食事業は、今後3年間、15~20%の成長が予想される。


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投資収益が期待できる

申銀万国証券への出資金(1億元)については、2005年に全額資産減損引当に計上したものの、戻し入れの可能性がある。長江証券への出資金(1.77億元、長江証券に対する株式保有比率6.01%)は、短期的に投資収益をもたらしうると予想する。長江証券が上場する場合、上場後の増資で弊社は現在と同じ株式保有比率を維持する可能性がある。一方、弊社は、2007~2010年に、6つの中低級ホテルからの資本撤退を予定しており、比較的大きな投資収益の計上が予想される。


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江鈴汽車(シャンリンモーターズ)

―記録的な生産・販売高だが、利益は目標に届かず

(200550 深センB株 内藤コードN3050 売買単位:100株)

小型車の主力メーカー

江鈴汽車は中国江西省の自動車メーカーで、国家重点プロジェクトの自動車メーカー(14社)の1社。小型車およびその部品の生産のほか、エンジンや鋳造部品も製造する。また、いすゞ自動車との合弁会社で小型トラックも生産。主力車種に、JMCシリーズの小型車、ピックアップ/SUV車の「陸風(Landwind)」、ミニバンの「全順」などがある。

記録を更新した2006年の生産・販売台数

2006年の生産・販売台数は、同社の史上最高を更新し、自動車の生産台数は8万4,121台、販売台数は8万5,214台となった。生産販売率は101.3%と、前年比3%上昇したが、四半期別でみると、第1~3四半期は低下が続き、第4四半期に急速に回復した。ただし、生産・販売台数は記録を更新したものの、市場シェアは低下した。これは、競合他社も急速に生産・販売を拡大したことを反映しており、同社にとって市場競争のプレッシャーは依然大きい。
一方、生産・販売規模の拡大により、各種費用が増加し、前年比+30%以上の9.6億元となった。特に、値下げによる販売促進により、販売費用が大幅に増加した。また、管理費用も増加した。これらが、同社の収益に一定のマイナス影響を与えた。
2006年の売掛金は3.3億元と、前年比+16.1%、買掛金は13.4億元と、同+23.1%となった。生産・販売が好調であったことにより、一部の在庫が消化されたため、在庫は前年比-4.82%の5.96億元にとどまった。弊社の負債は全般的に増えているものの、水準が高くないため、短期的な返済能力は比較的高い。キャッシュフローなどの指標も弊社の経営状況が全体的に良好であることを反映している。また、2006年本決算のROEは19.85%と高い水準を維持しており、今後もこの傾向が続くと予想する。

2007年は安定した成長に

弊社の生産設備は業界平均よりもやや老朽化が進んでいるが、そのおかげで減価償却費が比較的低く、コストを抑える要因となっている。弊社の目玉プロジェクトである「二車一機」(SUV車、ピックアップ、エンジン。総投資額18.98億元)は、すでに9.11億元の投資が実施されたが、全部は固定資産化していない。将来、固定資産化すれば、生産設備の更新になる一方、減価償却費を高め、コストを増大させることになる。ただし、2006年の経営・収益状況から、弊社は投資しながら固定資産化する方法を採用しているため、コスト増の圧力は経営状況が比較的良い時期に消化される。このため、弊社は、2007年も安定した成長を維持し、EPSは0.79元になると予想される。
同社は今後自動車業界の回復とともに堅調に業績が推移すると考えられる。派手な業績の変化等は望みにくいが、ROEや負債比率などの財務諸表が良好で経営が全体的に安定していることや配当利回りの良いことから長期保有に向くと考えられる。
同社の配当は10株につき3元の現金配当の予定であり、4月20日の株価で配当利回りは3%以上になる。権利落ち日は未定。




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