チャイナマンスリーレポート

6月号

2007年5月1日 内藤証券中国部

馬鞍山鋼鉄(マーシャンアイロン)

―鉄道車輪が好調な業績を支える―
(0323 H株 内藤コード N2360売買単位:2000株)

中国屈指の鉄鋼メーカー

中国5大鉄鋼メーカーの1つ。1993年に香港と上海A株市場に上場。安徽、江蘇、上海が主要市場で製品の約9割は中国本土で販売。

高付加価値製品増産へ

2006年11月、上海証券取引所で55億人民元のワラント債(新株予約権付社債)を発行。調達した資金は、中国西部で生産能力500万トンの冷延・熱延薄鋼板生産ライン建設に充てる。本年6月竣工予定の新生産ラインの稼動により、家電、自動車製造用などの高付加価値製品の比率が高まる。

列車車輪のアジア最大手

列車車輪に関してアジア最大手。国内では市場シェアが客車車輪で9割、貨車車輪の5割。車輪の生産規模、技術力いずれの面でも業界トップ。
中国政府は11次5ヵ年規画で1.7万kmの新規鉄道網建設の計画をたてている。これにより、新規車両の需要は約4~5万台に達すると予想される。また、政府は鉄道網を拡大するとともに鉄道輸送の効率化にも力を入れている。貨物輸送について1両当たりの積載量が100~120トンの重貨物列車の製造を目指しており、同社の「大型鉄路列車用車輪鋼および核心技術の研究」プロジェクトが科学技術部の「国家高技術研究発展計画」(通称・863計画)に採用された。
さらに、海外20カ国・地域に進出しており、韓国では地下鉄用車輪の約8割が同社の製品。米国市場で今年に入りU-NIONTANK社から2600個のH36車輪を受注。GE社からはF27車輪の開発・設計・加工の委託を受けた。また、オーストラリアの「FMG」社のため、同社は国際的に最高レベルの一車輪当たり40トンの積載可能な車輪を製造し、「株洲南車集団車両厰」(株洲車両厰)が鉱石輸送車両として組み立てた。現地メディアによると株洲車両厰は今後6,500個の同車輪を追加注文する見通し。2009年までに90万個の列車関連部品の生産を目指している。

2006年増収減益

2006年の純利益は17.71%減の約23億9500万元。鉄鉱石、電力価格の値上げや、下期に入り鋼材価格の低迷などが減益の主因となったが、第4四半期に減益幅を縮小させた。特に車輪関連の販売好調を受け、同製品の売上構成比が通期で6.6%まで拡大し、粗利益率も前年比15.28%増の42.40%。そのほか、技術革新によるコストダウンや付加価値の高い製品の開発・増産などによって、2006年の業績は市場予を上回った。



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2007年への展望

2007年1-3月決算で30.32%の増収、79.53%の増益。線材の価格上昇や車輪関連の旺盛な需要が業績の改善に寄与している。
2006-2010年は技術改造と製品構成の見直しに注力する方針。2007年末までに利益率の高い薄板の生産能力を500万トン拡大する見通し。自動車・電気・機械に向けた生産規模の増強と製品の品質向上による販売単価の上昇で増益基調に転じると見る。

現在の株価

年初から同銘柄は有力な鉄道設備関連株として市場で注目されているが、車輪関連事業の好調を株価はまだ十分に織り込んでいないと思われる。


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中海発展 (チャイナシッピングデベロップ)

―原油戦略備蓄の構築が発展機会をもたらす―
(1138 H株 内藤コード N2960 売買単位:2000株)

大手の船舶輸送会社

主要事業は、中国沿海・遠洋・長江の貨物輸送。原油・石油製品、石炭輸送が主力。06年7月に中国石油化工(0386)と輸入原油の輸送で長期契約を締結した。
そのほか、貨物輸送代理、船舶リース・取引、コンテナ製造・補修、船舶部品の代理購入・販売、船舶技術コンサルティングなどの事業にも注力。

原油戦略備蓄の構築が発展をもたらす

石油消費大国である中国は、石油の安定供給を確保するため、4段階のレベルで石油備蓄体制を整備中。第1レベルにおいて、鎮海、舟山、大連、黄島に国家戦略石油備蓄基地(総備蓄能力1000万t)を相次いで竣工、うち鎮海、舟山基地は既に備蓄作業を開始した。第2期の石油備蓄基地も候補地選定作業を開始しており、それらが完成すれば中国の総備蓄能力は2800万tに達する見通し。
5大石油グループと石油製品の大規模ユーザーによる石油備蓄に加え、商務部は年内にも大手石油企業以外の民営石油企業15社に原油輸入免許を交付、企業の石油備蓄義務を奨励することを明らかにした。これらの国策が、原油輸送のトップ企業である中海発展に歴史的発展をもたらすだろう。

輸送能力増強、トップの座は更に確固たるものに

同社はタンカー69隻(340万載貨重量t:以下、t)を保有するほか、25隻(364.6万t)を建造中。建造中のタンカーは2010年までに引き渡され、その時点で原油輸送能力は倍増する。
06年末でバラ積み船を100隻(355万t)保有。06年に親会社から42隻(140万t)を購入、07年1月に全隻の引き渡しが完了した。

第1四半期は過去最高の利益水準を達成

中海発展のEPS(1-3月期)は前年同期比43.84%増の0.315人民元(中国会計基準)となり、四半期ベースで過去最高を記録した。主な要因は以下の通り。

  • 親会社からバラ積み船を購入したことで、バラ積み輸送能力が以前に比べて45%(140万t)増加した。
  • 07年の沿海バラ積み部門における電力向け石炭輸送契約の平均運賃が、前年比14%上昇した。
  • コスト削減に成功。海運事業の売上高が20%増加したが、輸送回転率が25%上昇したことによりコストは7.3%増にとどまった。
  • 老朽船舶の処分により5336万人民元の収益を計上、前年同期は1354万人民元であった。

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バラ積み部門は活況

バルチックドライ指数(BDI)は昨年から一貫して上昇基調にあり、今年の第1四半期に入ってから上昇ピッチが更に加速、直近は6000ポイント台を上回った。同社は10隻の遠洋バラ積み船を保有するため、バルチックドライ指数上昇の恩恵を直接受ける。
原油輸送指数は昨年第4四半期から軟化し、需要期であるのに低迷する状況だったが、2007年にワールドスケール・レート(WS)の運賃基準率が17.6%引き上げられたため、同社のタンカー部門売上高を前年とほぼ変わらない水準と予想する。
今年第1四半期の燃料単価は、前年同期や前四半期と比較して小幅下落。加えて、同社は軽油より割安な重油の使用促進、経済的な航路選択などを実施した。

今後の設備投資計画

2010年までに現在の695万tの輸送能力を1400万tに増強する計画をたてており、今後業績を押し上げると予想する。


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中信銀行(シティックバンク)

―シティックグループとのシナジー効果を最大化に―
(0998 H株 内藤コード N0998 売買単位:1000株)

中国国内7位の商業銀行

同行は、中国を代表する総合金融グループ中信集団(CITICグループ)傘下の商業銀行で、1987年4月に中信実業銀行として設立された。2005年に中信銀行に名称変更。06年末の総資産は7,069億人民元と、商業銀行で中国国内7位の規模を誇る。中国「銀行家」誌による商業銀行競争力ランキングにおいては4位。国内に446支店、456ヶ所の出張所、1,645台のATMを有する。リスク管理の強化により、同行の不良債権比率は04年末の6.29%から06年末に2.50%に低下した。

CITICグループ傘下の最大の子会社

上場以前、同行の株主はCITICグループ(株式保有比率80%)、CITICグループ傘下の香港上場の中信国際金融(同15.17%)、スペインの大手銀行BBVA(同4.83%)の3社のみであった。CITICグループは、中国の対外開放の窓口として79年に設立され、現在、銀行、証券、投資信託など金融事業のほか、事業会社など44の子会社を傘下に持ち、香港や欧米など海外にも進出している。06年末時点、総資産9,292億人民元、純利益60.9億人民元と中国最大手の総合金融グループである。 
同行は、グループ最大の子会社として、グループのブランド力、商品やネットワークを活用できる。同行の孔頭取はグループの会長で、常副会長はグループの副会長兼社長である。グループとの緊密な関係は、同行がグループの総合金融サービスというプラットホームを活用する上で役に立つ反面、コーポレート・ガバナンス面に問題をもたらす可能性は否めない。

主な収益源は法人向け業務

法人向け業務の収益が、同行の収益の柱。06年の営業収益に占める法人業務の割合は79.8%、貸出と預金に占める法人向けの割合は79.7%、82.9%であった。非金利収益に占める法人向けの割合は68.4%である。同行は法人業務について、「優良業界・優良企業」、「主力市場・主力顧客」というハイエンド戦略をとっており、支店数の約70%は長江デルタ、環渤海地域、珠江デルタなど経済的に豊かな地域に置かれている。01-05年の中国の銀行貸出の伸び率は、東部沿海地域が年平均+18.8%と、全国平均の同+14.7%を上回っている。05年末時点、銀行預金と貸出に占める東部沿海地域の割合は60.9%、59.8%である。東部沿海など豊かな地域における同行の法人業務は今後も好調に推移しよう。
04年以降、個人向け業務にも力を入れ始めた。個人向け業務の収益は04年の11.7億人民元から06年の23.9億人民元に増え、年平均伸び率は43%であった。ただし、収益全体に占める個人業務の割合はまだ低く、06年の貸出、預金、非金利収益に占める個人の割合はそれぞれ0.4%、17.1%、13.8%にとどまった。


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非金利収益の特徴

06年の非金利収益は、手数料、仲介料、為替差益が主であった。法人業務が主力であることを反映し、法人向けの非金利収入が大きく、特に国際決済業務と投資銀行業務が突出している。同行は、CPの引受業務を行う数少ない銀行のひとつである。06年に18社の計383億元のCPを引き受けた。クレジット・カード業務も急拡大している。03年にクレジット・カードを発行して以来、06年末までの累計発行枚数は228万枚に達し、06年だけで101万枚を発行した。クレジット・カードの取扱高は05年の29億人民元から06年の76億人民元へと162%の大幅増を記録した。


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大唐発電(ダータンパワー)

―旺盛な電力需要とコスト削減―
(0991 H株 内藤コードN3250 売買単位:2000株)

大手発電会社

5大発電グループの1つ、中国大唐集団公司傘下。北京、天津、河北省など中国北部を中心に、全額出資の火力発電所4か所を保有するほか、内モンゴル自治区、山西省、甘粛省、雲南省などにも28社の発電子会社を保有している。2006年12月に上海A株市場にも上場を果たした。

A株の上場を追い風に高成長へ

上海A株市場で5億株の株式を発行し、諸費用を除く約32億7900万人民元を調達した。調達資金は、広東省潮州市など6カ所での発電プロジェクトの建設などに充てる計画。旺盛な電力需要を背景に今後も発電量の拡大戦略は継続する。
今回の資金調達で、地域の電力会社から全国規模の電力会社に変化していく。

多角化により安定的な利益を保つ

現在、中国では石炭による火力発電が中心だが、近年、同社は雲南省などで水力発電も手がけている。また、2006年6月には、四川省での水力発電プロジェクト2カ所の建設に参加することを発表した。同地域は水資源が豊富で水力発電に適しているうえに、華東や華中地域の電力需要が今後も旺盛なことから、収益力の向上も見込める。
そのほか、原子力、風力発電への投資も進めている。2014年までに火力発電の比率を現在の95%から66%程度まで引き下げる目標を立てている。

2006年2ケタの増収増益

2006年の業績は38%の増収18%の増益。発電量に関しては、本土系H株の電力企業5社中、同社の伸び率は32%でトップとなった。

コスト削減

発電量が増加する一方で、燃料コストの削減に取り組んでいる。2006年7月、石炭の採掘・生産を主力事業とする「大同煤砿集団有限公司」と共同で発電所を建設すると発表した。また、2007年3月に内モンゴル自治区の石炭会社の出資分40%を買収すると発表。石炭生産業者との提携や石炭会社に出資するなどによって、石炭の調達コストの低減を目指している。


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2007年の第1四半期も好調

2007年1-3月の発電量(連結ベース)が前年同期比38.59%増の275億3100万キロワット時(kWh)だった。卸電力量は38.83%増の259億4300万kWh。北京市や周辺地域での旺盛な電力需要を追い風に、収益力が強化されており、1月に主要株主と内モンゴルに発電会社を設立すると発表した。
経営規模の拡大に伴い、今後も業績は順調に伸びていくと見られる。
さらに、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が2007年1月15日に発表した「2007年S&Pグローバル株選定30銘柄」に唯一の電力銘柄として選ばれた。S&Pはこれらの銘柄が今年、世界の同業他社をアウトパフォームすると予想している。
5月18日現在、同社の株価は、A株とH株に1.84倍(弊社ホームページより)の差があり、A株の方が高い。単純には比較できないが、今後、同社のH株は見直される可能性がある。
また、同社は2006年本決算で株式分割と現金配当の予定案を発表しているが、権利落ち日は未定(5月18日現在)となっている。


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