チャイナマンスリーレポート

7月号

2007年7月1日 内藤証券中国部

交通銀行(バンクオブコミュニケーションズ)

―貸出急増、管理能力の向上も業績にさらに寄与―
(3328 H株 内藤コード N3328売買単位:1000株)

中国国内5位の商業銀行

同行は、1908年に創業され、数度の再編を経て現在の至る。中国国内第5位の商業銀行である。総資産1兆8,179億人民元(07年3月末)、従業員数6万1,995人(同)、支店・事務所102(06年末)を有する。

07年1-3月期の資産構造の特徴

07年3月末の総資産は、06年末比5.9%増の1兆8,179億人民元、貸出残高は同10.4%増の1兆227億人民元、預金残高は7.2%増の1兆5,148億人民元に達した。07年1-3月期の資産構造の特徴として、まず、総資産に占める預金、貸出、債券の割合が、各々06年末の82.4%、54.0%、23.1%から、3月末の83.3%、56.3%、24.8%に上昇したことがある。
次に、総資産に占める満期保有目的債券の割合が2006年末のゼロから55.2%に大幅に増加した一方、売買目的債券の割合が84.6%から27.8%に大幅に減少したことである。この変化は、同行が債券構造を調整したことが主因である。

高収益の07年1-3月期業績

07年1-3月期の純利益は31.0%増の38億人民元で、1株利益は0.08人民元、1株純資産は2.07人民元となった。純利益増加の要因は、金利収入の増加である。07年1-3月期、同行の金利収入は110億人民元と、前年同期比25.2%増となった。
さらに、非金利収入も増加し、07年1-3月期の非金利収入は前年同期比109.1%増の18億人民元となった。
そのうち、手数料・仲介料収入の割合が最も大きく、12億人民元(前年同期比94.5%増)に達した。非金利収入の増加の背景には、(1)カード業務において、カード数とカード使用金額が増加したこと、(2)フィナンシャル・アドバイザリー業務の急速な発展を受け、アドバイザリー料が増加したこと、(3)中国資本市場の好調により、資産信託管理や投資信託の受託業務が急速に拡大したことがある。
07年1-3月期の資産信託管理の規模は06年末より23%増の1425億人民元に、受託した投信・組合は06年より15本増の141本に、投信販売規模は440億人民元(市場シェア4.8%)に達した。一方、収入に対する費用の割合は、06年の36.1%から07年1-3月期の34.0%に低下した。これは、収入の大幅増とオペレーション・コストの減少による。

自己資本比率とコア自己資本比率の逆方向の変化

07年3月末の自己資本比率は、06年末の10.83%から12.57%へと1.74%ポイント上昇した一方、コア自己資本比率は2006年末の8.52%から8.07%に低下した。これは、3月に250億人民元の劣後債を発行しTier2資本を補充したと同時に、貸出の急増でコア資本を消耗したことがある。ただし、同行は07年5月にA株上場を実現したため、今後、自己資本比率とコア自己資本比率は共に上昇すると予想する。

業績予測の上方修正

貸出の急速な伸びと費用収入比率の低下を考慮し、同行の07年の純利益予測を167億人民元とする。これにより、07年の1株純利益は0.34人民元、1株純資産は2.54人民元と予測する。同行の07年の予想PER 24.5倍となる。予想PERやPBRが高いものの、管理能力が向上しており、業務が急速な発展していることから、今後の株価上昇を期待する。




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~大型油田・ガス田の発見が相次ぐ石油業界~

石油はどの国でも最も重要なエネルギー資源である。中国にとっても経済発展にかかせない資源であり、石油の確保は国家の安全保障にもつながる。そのため、近年、中国の石油産業は政府の後押しと受け、経営規模を拡大させてきた。

3大グループが支配する石油業界

90年代半ばまで、中国の石油企業は先進国の石油企業と比べ規模の面で競争力が劣っていた。そのために、中国石油業界は98年に業界再編を行った。
陸上地域の油田を主に開発する「中国石油天然気集団公司」(CNPC)と「中国石油化工集団公司」(SINOPEC)、海洋地域の油田を主に開発する「中国海洋石油総公司」(CNOOC)が地区ごとに川下部門を組み入れ、3大グループが形成された。また、事業制限を廃止し海外進出も視野にいれた。民間の石油会社も存在するが、資金力や技術力のいずれの面でも国有石油会社の独占体制を打ち破るのは難しい。
現在、CNPCは川下分野を充実させながら、川上分野で長期的な優位性を保つため原油開発の投資規模を拡大させ、埋蔵量と生産量の増加を進めている。SINOPEC は石油化学事業を強化する上で、石油埋蔵量が少ないため川上分野に力を入れている。CNOOCは海上油田・ガス田の探査・採掘を増強するほか、陸上での開発や国外の油田買収にも注力している。

高まる石油消費量

近年、中国の石油消費量は大幅に増加しており、03年には日本の石油消費量を上回った。06年世界の石油消費全体の9%を占める石油消費大国となった。中国政府は環境問題への取り組みを表明しているが、同時に経済発展を優先させる姿勢も示しており、今後も中国の石油消費量は増加していくと予想される。
また、93年から中国は原油の輸入国となっている。06年の原油輸入量は前年比16.9%増の1億4,000万トンになり、対外依存度は47%に達した。さらに、CNPCは2010年まで年間増加率を6.5%と予想している。中国の石油消費が世界の原油価格を押し上げる一因ともなっている。

石油備蓄体制の確立

中国は石油の安定供給を確保するため、4段階のレベルで石油備蓄体制を計画している。第1レベルは国家石油戦略備蓄体制。06年に4大国家戦略石油備蓄基地を相次いで竣工し、総備蓄能力は1000万トン。CNPCの関係者によると、石油インフラの完成と大型油田の発見をきっかけに甘粛省と河北省の曹妃甸地区に新たな国家戦略石油備蓄基地も作る見通し。
また、商務部は大手5社以外にも15社の民営石油企業に原油輸入許可書を交付し、民間企業による石油備蓄を奨励する予定。

大型油田・ガス田が相次いで発見

中国は資源の輸入増に関する批判をかわすために、自国で資源開発にも積極的に取り組んでいる。3大石油グループは、07年に約3350億元を国内外での油田・ガス田の探査、開発に投入する計画。近年、中国石油企業は外資と協力し、探鉱技術を高めてきた。
その結果、07年に大型油田やガス田が相次いで発見されている。CNPCはすでに探査しつくしたと思われた区域で、埋蔵量が10億トン超の「冀東南堡油田」を発見し、5月下旬にも新疆ウイグル自治区のジュンガル盆地で300億立方メートルのガス田を発見した。中国石油天然気(中石油:0857)と中国石油化工(中石化:0386)は共同で四川省達州市にある中国最大級のガス田を発見している。

A株上場を追い風に石油産業拡大へ

香港で上場している石油大手3社のうち、中国石油化工(中石化:0386)はすでに上海A株市場にも上場している。6月20日終値で中石化のA株とH株の株価はそれぞれ14.94元、8.46HKDと大きな差がある。
A株市場の好調を受け、石油探査・開発や油田資源の買収などを加速している中石油、中海油は巨大な投資資金を補うためA株への上場意欲が強まっている。
現地メディアによると、中国証券監督管理委員会(CSRC)が5月、香港・海外市場に上場する大型企業6社について、今年下半期のA株上場を奨励する方針を固めたもよう。そのなか、中石油、中海油がある。
中石油の蒋潔敏・総裁兼副董事長(現董事長)は1月、A株上場についてすでに6年にわたって研究し、弊社はアジアの収益性が最高である企業として、A株市場に戻すべきだと語った。中海油総公司の傅成玉・総経理は3月、香港上場子会社の中海油、中海油田服務(2883)、中海石油化学(3983)が本土A株市場への上場を計画していることを示した。

経営環境は好転

08年に企業所得税率(法人税率)が25%にされることは、各社にとって有利。特に、06年本決算で実効税率が30.2%の中海油と29.8%の中石化は企業所得税法改正の恩恵を受ける見通し。
また、これまでの石油製品の価格は政府に統制され、原油価格が高騰しても販売価格に転嫁できず、石油精製事業は06年の業績が赤字に陥った。これを解決するために、07年から新たなメカニズムを導入。新メカニズムでは世界の主要産油地である北海ブレント(イギリス)、ドバイ(中東)、ミナス(インドネシア)の原油価格をもとに、石油精製事業の一定の利潤を考慮して、国内の燃料油小売価格を決定する。

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中国石油化工(シノペック)


―川上事業を強化して、更なる拡大へ―
(0386 H株 内藤コード N1980 売買単位:2000株)

石油・化学の最大手

アジア最大の石油・化学メーカー。事業は、川上の原油・天然ガスの探査・油田開発・生産・貿易から川下の石油精製・燃料油と石油化学製品の生産販売までおこなう。香港、ニューヨーク、ロンドン、上海A株市場に上場。06年8月、12月にはそれぞれH株、ハンセン指数構成銘柄に採用された。

川上事業の強化

石油・天然ガスの生産は中国の第2位。特に、天然ガス事業は高成長の見通し。同社は06年4月、四川省の東北部にある堆積層で中国国内として2番目に大きいガス田「普光気田」を発見したと発表。同ガス田では、確認された天然ガスの埋蔵量は2510億7500万立方メートルに上り、うち約75%の1883億400万立方メートルが技術的に採掘可能。天然ガスの生産量は、08年に商業ベースで年間40億立方メートルを上回り、10年までに年間80億立方メートルに達する計画。天然ガス輸送のために、同社は「川気東送」(四川省の天然ガスを東部に送る)インフラのプロジェクトに取り組んでいる。同プロジェクトは、油田プラットホームの設置や油井の開発、パイプラインの敷設などを行うため、総投資額は約632億元に上り、10年に竣工する予定。

06年売上高1兆元を突破

06年の業績は、売上高が30.70%増の1兆446億人民元となり、初めて1兆人民元を突破した。売上高では中国上場企業のトップ。精製部門は石油精製量が4.6%増の2億9465万バレルに達し、石油精製能力は06年で世界第3位。しかし、原油高騰に加え、本土の燃料油価格が低い水準で統制されていたため、精製部門は原価割れ。粗利益が1トン当り20人民元の赤字となり、利益を大きく圧迫した。一方、原油・天然ガスの開発部門や石油化学部門などの健闘が精製部門の損失を埋め、全体としては大幅増収増益となった。

07年への展望

07年1-3月期の業績は23.15%増収、112.57%増益(中国会計基準)を達成した。原油価格の下落により、今まで不採算だった精製部門の業績が大幅に改善された。営業利益増加への寄与率は85.8%となった。石油化学部門も増産、その中でもエチレンと合成樹脂の生産量はそれぞれ7.8%、13.9%増となった。
07年通期の生産目標は、原油が2.1%増の2億9110万バレル、天然ガスが10.1%増の2824億8000万立方フィート。石油精製は6.6%増の1億5600万トン、燃料油販売量は4.5%増の1億1700万トンを目指す。また、石油化学製品では、エチレンが645万トン、合成樹脂・合成ゴム等を合計して1913万トンの生産量を目標とする。
  08年に企業所得税率(法人税率)が25%に一本化されることは、同社にとって有利。06年の同社の実効税率は29.8%であり、企業所得税法の改正は減税に働く。06年本決算で法人税率25%として試算した場合、EPSは0.66元となる。





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中国石油天然気(ペトロチャイナ)

―積極的な海外投資で、資源確保へ―
(0857 H株 内藤コードN5000 売買単位:2000株)

石油最大手

国務院国有資産監督管理委員会の直接支配下にある「中国石油天然気集団公司」(CNPC)が筆頭株主。主要事業は、油田、天然ガスの探査、採掘。販売規模は中国本土で最大級。また、原油の精製、輸送、石油化学製品の製造・販売なども手がける。2000年4月にニューヨーク、香港市場にそれぞれ上場した。

06年の業績は市場予想をやや下回る

06年の業績は24.76%の増収、6.65%の増益となったが、市場予想を下回った。採掘コストの増加が川上事業の収益を圧迫した。1バレル当りの採掘コストは、05年の5.28米ドルから06年の下半期で6.10米ドルまで増加し、さらに、国際的な原油高によって輸入コストも上昇したが本土の燃料油価格は低水準で統制されていたため、精製部門が赤字となった。一方、天然ガスの採掘量が前年比22.5%増となり、好調な天然ガス部門が収益を支えた。

海外の油田権益を取得

同社は07年1月、親会社のCNPCとの折半合弁会社「中油勘探開発有限公司」を通じて、CNPCが保有する「PetroKazakhstan Inc.」株式67%の買収を完了したと発表した。買収総額は約27億3500万米ドル。これにより、同社は間接的にペトロカザフスタンの株式を保有する。今回の取引を通じ、海外で保有する油田・ガス田の権益が拡大し、既存事業とのシナジー効果も得られる。

渤海湾で巨大油田を発見

07年5月、同社は中国北部の渤海湾に面する冀東灘海地区で埋蔵量が過去30年間で最大規模となる「冀東南堡油田」(南堡油田)を発見したと発表。新油田は河北省唐山市に位置しており、北京市、天津市との距離はそれぞれ約260㎞、150㎞と比較的近い距離にある。埋蔵量(石油換算)は10億2000万トンに上り、原油品質も良好。確認済埋蔵量は4億507万トン、液化天然ガスの確認済埋蔵量は1401億立方メートル(石油換算:1億1163万トン)。胡文瑞・副総裁によると、同油田の第一期プロジェクトは12年に完成し、年間1000万トンの生産を目指す。

新油田は国内外に注目される

南堡油田は中国政府も注目しており、温家宝・首相は5月に現地を視察した際、この発見により「心が高ぶり夜も眠れなかった」と述べた。油田のある曹妃甸地区は新たな国家戦略石油備蓄基地なる見通し。
また、新油田の発見を発表した直後、投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社は株主総会で同社の株式を売却する議案を否決した。ダルフール紛争などを抱えるスーダンにCNPCが投資しているため、一部のマスコミや株主から同社株を売却すべきだとの声を受け、バフェット氏が全株主の判断に委ねたためだった。

最大級のガス田開発を手がけている

5月27日付の新華社電によると、四川省達州市で推定埋蔵量が3兆8000億立方メートル、可採埋蔵量6000億立方メートル以上の大型天然ガス田が発見された。同ガス田は中国最大級のガス田となる。同社は中国石油化工(0386)と共同で開発を手がけ、2010年までに天然ガスの年間生産量は240億立方メートルになる見通し。そのうち同社は90億立方メートルを生産する予定。

2007年好業績期待

07年1-3月期の原油・天然ガスの生産量は前年同期比3.7%増の2億7700万BOE(石油換算バレル)。原油はほぼ横ばいの2億900万バレル、天然ガスは14%増の4106億立方フィートだった。しかし、相次ぐ大型油田・ガス田の発見で、07年通期では川上事業が高成長する見通し。天然ガス事業が引き続き好調を維持するほか、原油生産も大きく伸びていくだろう。




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