チャイナマンスリーレポート

9月号

2007年9月1日 内藤証券中国部

長安汽車(チョウアンオートモービル)

―躍進が期待できる2008年―
(200625 深センB株 内藤コード N0850 売買単位:100株)

中国4位の自動車集団

同社は傘下にスズキ、フォードとそれぞれ合弁会社を有し、05年にはフォード、マツダと合弁で長安フォードマツダエンジン(以下エンジン工場、長安自動車が50%出資)を設立。06年はグループ全体の自動車生産台数が70.9万台で、中国第4位の自動車グループ。

出遅れ感が強かったフォードとの合弁事業

他の外資系合弁自動車メーカーと比べて、長安フォードの事業展開は順調とは言い難い。合弁企業の本格稼動が03年であり、当時はVW、GM、日産が既にそれぞれ上海汽車、第一汽車、東風汽車と合弁会社を設立し、中国での量産、販売体制も整えていた。また、長安フォードがこれまで中国で販売した車種(Fiesta、Mondeo)も不振だった。フォードの中国市場での目標は、10年までに市場シェア10%を達成することであるが、06年、長安フォードマツダの市場シェアは3.5%、フォードが33%出資しているマツダの中国シェアと合わせても5.4%に止まる。

フォードが中国戦略を強化

フォードが中国事業を強化している。05年下半期に中国で新車種のFocusを発売し、06年、中国市場での販売の58.8%をFocusが占めた。Focusの成功をきっかけに中国市場で新型車種の投入を強化している。ブランド戦略では、これまでフォードの単一ブランドからフォード、マツダ、ボルボの多ブランド戦略に転換している。
07年に稼動するエンジン工場も08年には企業収益に貢献し始めると見込まれる。また、08年には長安フォードの南京工場も本格稼動し、マツダⅡの量産を始める予定で、長安フォードのエコノミーカーの市場シェアを高めると期待される。

中国市場でのシェア拡大の可能性が高い

06年の長安フォードの販売台数は13.55万台、市場シェアで3.5%。主要メーカーも上海GMが10.6%、上海VWが9.1%、一汽VWが9.0%に止まり、現段階で下位のメーカーでも今後市場シェアを拡大させるチャンスはある。06年の長安フォードマツダの乗用車販売台数は業界トップの伸び率(115.5%増)となった。また、フォードの10%シェア目標を達成するためにも、今後長安フォードマツダが年平均40%成長と、業界平均を上回るペースで販売拡大する必要がある。

08年は高成長が期待できる一年

新車の投入と生産体制強化の効果が08年に現れる。最も注目されるのはMondeoのニューモデルである。同モデルはこの6月に欧州市場に投入したばかりだが、9月には中国で発売予定。フランスの専門誌である「Auto Plus」が行った各社の新モデルに対する比較では、新Mondeoが最高の評価が得ており、ニューモデルが中国市場でも高い評価を得る可能性が高い。これまで販売が低迷していたFiestaも08年に欧州、米国、中国などで新しいモデルを投入する予定。マツダブランドに関しては、07年1月に長安フォードマツダがマツダⅢの販売権を獲得し、約1年間中断されていた生産が再開される。新しい販売網の構築も08年に軌道に乗る見通し。08年には南京工場でマツダⅡの生産も始まり、主力製品のラインが拡大すると見られる。

収益性が向上する余地も大きい

他の自動車メーカーよりも長安フォードの生産コストは低い。ただ現在、同社はまだブランド力を確立する途上のため、販売費用を考慮した1台当りの利益では他社に劣っている。今後ブランドの確立につれて販売費用の削減余地は大きい。
また、08年稼動予定のエンジン工場の恩恵も注目される。これまでフォードの中国自動車生産に関してエンジンの調達は輸入に依存していた。南京工場での国内生産が達成できれば、大幅なコスト削減が出来る。




拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

北京首創置業 (ベイジン・キャピタル・ランド)

―不動産業界の中でも群を抜く成長力―
(2868 H株 内藤コード N2860 売買単位:2000株)

全国展開で躍進する中堅不動産会社

北京を中心に事業を展開する中堅の不動産開発会社。事業リスク低減ため、積極的に全国展開を行う。特に経済発展の著しい渤海湾、中国南西部、揚子江デルタで事業を拡大。政府の不動産投資規制の強化には建設のスピードアップと全国展開の加速で対応。
資本市場を通じた資金調達などで財務体質の改善を進めるとともに、調達した資金で積極的な用地取得を図り、中長期的な利益成長力の確保に努めている。

業界屈指の利益成長力を誇る

都市への人口集中、所得水準の向上を背景に、マンション需要は拡大しており、不動産価格も上昇トレンドに大きな変化はない。そうした中で、不動産各社は好業績を維持しているが、同社の純利益はアナリスト予想の平均で07年が249%増の9億2,800万人民元、08年が21%増の11億2,300万人民元、09年が48%増の16億6,300万人民元と予想されており、高い成長率が見込まれている。

北京市以外で開発用地の取得を積極化

こうした中長期の高い利益成長を支えているのが、開発用地の積極的な取得である。中でも、北京市以外での用地取得には目を見張るものがある。05年7月から07年5月までに全国8ヵ所で開発用地259万平方メートルを取得したが、そのうち北京市内の用地はわずか1件に過ぎない。
07年5月現在、開発用地358万平方メートルを保有し、そのうちの72.3%を過去2年で取得した。06年の開発不動産の完成面積は33.2万平方メートルだったことから、過去2年に、その8倍程度の開発用地を取得したことになる。同社がこの間の用地取得を如何に積極的に進めたかを理解することができよう。また、豊富な開発用地を背景に、今後、物件の完成面積が急増し、これが今後3年間の利益成長を支える。
一方、保有する開発用地に占める北京の比率は04年末の100%から現在では32%に低下しており、脱北京が急速に進んでいる。北京以外では天津21%、成都18%、沈?12%、太原10%、無錫6%となっており、地方都市での用地取得が活発化している。一般的に地方都市の開発プロジェクトは北京に比べ、採算性が高く、収益力の向上につながる。

資本市場からの調達で財務内容も改善

しかし、同社の財務内容はかなり悪く、これが開発用地取得の障害となっていた。だが、06年10月にH株を3億1,200万株発行し、8.5億香港ドルを調達。さらに07年7-9月、シンガポールのGICリアルエステートを戦略的パートナーに招き、同社関連会社のレコパール社に対し第三者割当増資で3億7,620万株(株価2.80香港ドル)を発行し、9億2,000万香港ドルの資金を調達する予定。財務体質が改善するとともに、同社は積極的な用地取得を継続することができる。

バリュエーションは割安

8月20日現在、07年の予想EPS0.390人民元で計算すると、予想PERは11.8倍である。これに対し、中国の不動産業界でトップを争う万科企業(200002)と中国海外発展(0688)の07年予想PERはそれぞれ33.7倍、28.5倍(ブルームバーグより)となり、同社のバリュエーションは安い。
さらに、今後も財務体質の改善と脱北京が急速に進むことを考えると、同社のリスクは大きく低下する。資本市場を通じた資金調達で、積極的な開発用地の取得方針も変わることはなく、同社の高い利益成長力がこれまで以上に評価される可能性は高い。好業績を謳歌する不動産業界は、08年、09年の利益成長を織り込む形で、各社とも株価が上昇している。同社の株価も今後の上昇が期待される。




拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

安徽高速道路(アンフィエクスプレスウェイ)

―ディフェンシブな道路株の中で割安感が目立つ―
(0995 H株 内藤コードN2550 売買単位:2000株)

安徽省で事業を展開する高速道路の運営会社

主に安徽省で有料道路、高速道路の建設・運営・管理を手がける。
安徽省は経済発展の著しい江蘇省、浙江省に隣接しており、中国の経済成長とマイカーブームに支えられ、安定的な発展を遂げている。安徽省の省都である合肥と江蘇省の省都である南京を結ぶ全長134キロメートルの合寧高速道路が収益の柱。06年における合寧高速道路の通行料収入は前年比9.1%増の6.17億人民元で、全通行料収入の38.1%を占めた。
安徽省では2015年にかけ、全長2,000㎞以上の高速道路建設計画が進められており、優先的な参画が期待される同社の中長期的な成長性は高いと考えられる。

交通量は緩やかな増加を続ける見通し

河南省から江蘇省へ至る安徽省内のルートの交通量は今年に入って伸び悩んでいる。また、高界高速道路でも年内に補修工事が開始される可能性があり、交通量の減少につながる可能性がある。
一方で、宣広高速道路では補修工事が完了し、07年1-5月にはトラックの通行量が減少したために単価が低下したものの、交通量の増加でこれを補い、通行料収入は緩やかな増加を維持した。
今後、同社全体としての通行料収入は交通量の拡大に伴い、緩やかな増加を続けるだろう。

07年の税率は33%に上昇するが、08年には25%に低下

これまで同社の企業所得税(法人税)は15%の優遇税率の適応を受けてきた。しかし、07年に33%の企業所得税率が適用されることを、7月下旬、同社は明らかにした。これに伴い、07年1-3月期の企業所得税が3,275万人民元増加し、純資産と純利益は同額減少すると発表している。
しかし、33%の企業所得税率が適用されるのは07年だけである。08年以降は企業所得税率が25%に一本化されるため、同社の税率も25%に低下する。そのため、業績面で大きな影響が現れるのは07年の決算に限られる。アナリスト予想の平均でも、07年の1株当たり純利益(EPS)は前年比16%減の0.469人民元に落ち込む見込みだが、08年のEPSでは0.545人民元に回復すると予想されている。(ブルームバーグより)

ディフェンシブなセクターとして注目

米国のサブプライムローン問題を発端にして世界的な金融収縮が懸念され、8月のアジアの株式市場は大きく動揺した。ただ、米国FRBが金融市場の安定を図るために公定歩合の引き下げに動き、それでも市場の動揺が収まらなければ、FFレートを引き下げ、本格的な利下げに踏み込む姿勢をみせている。このため、世界の株式市場は早晩、落ち着きを取り戻すことが期待されよう。
金融収縮の影響で世界経済の先行きにまだ不透明感が残る中、株式市場が落ち着きを取り戻せば、投資家はやはり収益の安定的な拡大が期待されるディフェンシブなセクターから押し目買いに入ることが予想される。高速道路株はそうしたディフェンシブなセクターの一つとして投資家から注目されることになろう。

株価は割安

ディフェンシブなセクターとして注目される可能性が高い高速道路業界において、安徽高速はその割安感で投資家の注目を集めることになろう。
07年の予想EPS0.480に基づいて予想PERを計算すると、8月20日現在、同社は12.5倍であり、浙江高速道路(0576)の19.3倍(ブルームバーグより)を大きく下回っている。
8月の株価調整局面は、後で振り返れば、押し目買いの好機だったことが確認されるとみている。




拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

上海陸家嘴金融貿易区開発(リッカーツイ)

―上海万博を追い風に高成長―
(900932 上海B株 内藤コードX3160 売買単位:100株)

不動産開発の大型国策企業

主に「上海陸家嘴金融貿易区」(陸家嘴金貿区)で、不動産開発・販売・賃貸、土地使用権の譲渡などを手がけている上海の不動産中核会社。同貿易区のある浦東新区は05年6月、国務院から「総合改革地域」に指定され、政府によるさまざまな政策支援が追い風になる。

上海の金融エリアを本拠地

1990年に設置された陸家嘴金貿区は、浦東新区の中心地にあり、「金融貿易区」と命名された唯一の国家開発プロジェクト。上海市を国際金融の中心都市へ発展させるのは中国の国策である。
区内にはオフィスビルが約150棟。床面積は620万平米、賃貸率が93%以上に上っている。多国籍企業をはじめ、国内外の約390社の金融機関が進出している。現在、進行中の30件のプロジェクトは床面積が250万平米。今後、計画されている不動産プロジェクトは約25件で、床面積は約200万平米に達する。

優良資産の注入

同社は積極的に不動産開発などの事業に注力している。07年6月、筆頭株主との折半合弁会社が、同株主から「新上海国際博覧中心有限公司」(国際博覧公司)の出資持分50%を買収すると発表した。
国際博覧公司は上海市にある大規模展示場「新上海国際博覧センター」(SNIEC)の建設、運営を手がけている。SNIECは06年通年の売上高は3億6800万人民元、純利益は1億3900万人民元。10年に拡張工事が完了する予定で、室内、屋外の展示面積はそれぞれ20万平米、13万平米に拡大される見込み。10年上海万国博覧会の開催をにらみ、同社は収益性が高い展示事業への投資を強化している。

主力事業の転換を推進

06年12月本決算は56.32%増収、3.25%増益。主力の土地使用権譲渡事業は収入が大幅に減少したが、不動産販売額は約23倍増、不動産賃貸収入が8.08%増となった。使用権譲渡用の土地が減少していることに対して、同社は04年から不動産の販売と賃貸を強化している。販売と賃貸事業の割合は売上高ベースで04年の26%から06年には70%まで上昇した。

07年~08年の展望

足元の業績は好調。07年1-3月期決算は売上高が342.43%増の4億2434万2140人民元、純利益が247.71%増の1億6225万5847人民元だった。07年通期でも増収増益の基調を維持する見込み。
07年4月、上海市浦東新区にある商業・オフィス用向け開発用地の使用権を、15億元で中国石油化工集団公司に売却したと発表。また、06年11月に子会社と共同で上海市浦東新区・金橋鎮にある商業・ホテル用地約2万2000平米を購入した。延べ床面積約4万4000平米の商業・ホテルビルの建設予定を発表しており、今後業績に寄与する。
賃貸事業は、07年、08年に賃貸可能面積がそれぞれ前年比42%増の26万平米、77%増の46万平米を上ると見込まれる。

今後も経営基盤拡大の見通し

「陸家嘴地区2007年経済工作推進会議」の席上、陸家嘴金貿区について東部地域への拡大計画が明らかになった。これまで、同社は同貿易区の開発で土地使用権の譲渡、不動産の開発・販売・賃貸、インフラ工事などを主導しており、開発区建設の全般について優れた経験・ノウハウを持っている。陸家嘴金貿区の拡張を好機に市場拡大から中長期的にも高成長の見通し。




拡大上表をクリックすると別枠で大きな表が開きます

この資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的とした上記日時における弊社の意見です。政治、経済、為替などのリスクを十分にご理解頂き、投資に関する最終決定は、お客様ご自身でなさるようにお願い致します。また、弊社が信頼出来ると考える情報源から得た各種データなどに基づいてこの資料は作成されていますが、その情報の正確性および完全性について弊社が保証するものではありません。加えて、この資料に掲載された弊社の意見ならびに予測は、予告なしに変更することがありますのでご注意下さい。

広告審査済

中国株取引のリスク
株価や為替の変動等により損失が生じるおそれがあります。
中国株取引の手数料について
中国株の手数料は、国内手数料、現地手数料、為替手数料と3種類の手数料があり、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は中国株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
中国株は、クーリング・オフの対象にはなりません。
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。
本サービスを提供するのは金融商品取引業者である内藤証券株式会社
(加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会)(登録番号:近畿財務局長(金商)第24号)です。