チャイナマンスリーレポート

12月号

2007年12月4日 内藤証券中国部

上海電気(シャンハイエレクトリック)

―国際競争力持つ総合重電設備メーカーへ―
(2727 香港H株 内藤コード N2720 売買単位:2000株)

発電・地下鉄車輌等の重電設備機械メーカー

 同社は発電設備および大型機械設備メーカー。主要業務は、電力設備、輸送設備、電機設備、環境関連設備の製造、販売。大手重電グループとして、傘下に60以上の企業を持ち、上海機電 (900925)、上海ディーゼルエンジン(900920)等は同社の子会社。

技術投入と改良で生産能力向上

 07年上期は258.5億人民元の売上高を実現(前年同期比22.0%増)、純利益は17.6億人民元(50.0%増)、EPS0.148人民元、BPS1.51人民元。
 金融収支が前年同期比284.8%増の9.4億人民元で大幅増益の主な要因となった。各事業も環境関連設備を除いて堅調に推移しており、各事業部門(環境関連を除く)の営業利益は前年同期と比較し増加している。
 電力設備事業は売上高ベースで同社の6割を占め、07年上期に1.2万メガワット(MW)の発電設備を販売し、同事業の売上高は前年同期比18.0%増の154.1億人民元となった。しかし、外注比率を抑えるために研究開発費を増加させたことで、同事業の営業利益は0.4%の増加にとどまった。だが、上期の新規受注は1.6万MW(270億人民元)に達し、07年6月末時点で電力設備の受注残は6万MW以上と好調を維持している。売上高の3割弱を占める電機設備はエレベーターや工作機械の好調な販売を受けて売上高で前年同期比19.8%増、営業利益で34.3%増となった。さらに、輸送設備事業では上海をはじめとする地下鉄需要の増加により事業規模は急激に拡大しているが、売上高に占める割合が1割弱で利益貢献度はまだ小さい。

国際競争力持つ総合重電装備メーカーへ

 現在、中国政府は老朽化した小型発電設備を閉鎖し、大型発電設備の建設をすすめている。その中で同社は1,000MWの原子力や火力発電設備の製造能力を持っており、特に原子力発電設備建設技術では同市場で優位に立っている。また、電力需要が旺盛なインド等への事業展開も積極的に行っており、インドでの合計3600MW(約10億米ドル)の火力発電設備建設やタンザニアでの石炭火力発電設備建設の契約を締結した。
 電機設備事業は、主力のエレベーター業務で三菱電機との合弁により年産能力1万台の工場が年末に稼働予定で、更なるシェアの拡大に寄与するだろう。また、工作機械においては低価格製品から高級な電子制御工作機械のメーカーに移行するため、技術開発等を進めている。
  輸送設備事業では鉄道車両の製造にとどまらず、地下鉄輸送システム全体を提供する有力企業となるべく事業展開を行っている。環境関連設備事業は脱硫・脱硝システム、都市生活ゴミ処理システム、排水処理システム、ごみ焼却及び中小規模発電機の排煙浄化処理システム、太陽発電・電池等に力を入れている。

中国の原子力発電計画が業績向上の鍵に

 07年11月、中国政府は「国家原子力発電発展専門計画(05年-20年)」を正式に許可したと報道された。この計画によれば、2020年までに中国の原子力発電能力を4000万キロワット(KW)に拡大させ、原子力発電の発電設備全体に占める割合を現在の2%から4%にする。現在、中国では906万KWの原子力発電施設が稼働中で、790万KWの施設が建設中であり、今後2300万KWの設備が新規に建設され、投資額は15年間で4500億人民元に上る見通しだ。
 同計画では、初期段階では海外の先進技術を導入するが、その後、自主設計・製造・運営するシステムを確立する方針を示しており、国内の加圧水型原子力発電技術を世界的な水準まで引上げることも目標としている。
 同社もこの原子力発展計画に積極的に参加しようとしており、今後の事業拡大が見込まれる。
 また、上海A株市場に上場している子会社の上海輸配電(600627)を吸収合併することで上海A株市場に上場する計画を発表しており、今後の資金調達手段の多様化を図っている。


出所:ブルームバーグより。


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中国アルミ(アルミニュームオブチャイナ)

―販売量の拡大で持続的な安定成長へ―
(2600 H株 内藤コード N2600 売買単位:2000株)

中国のアルミ大手

 同社はボーキサイト(アルミニウムの原鉱)を精錬してアルミナ(酸化アルミニウム)を生産するほか、アルミナを溶解してアルミ地金まで一貫生産するアルミメーカー。アルミナの生産量では中国第1位、世界第2位で、アルミ地金の生産量は中国最大。アルコア(米国)が戦略的投資家として発行済み株式の7%弱(07年6月末時点)を保有する。
 07年4月に上海A株市場上場子会社2社を吸収合併することにより上海A株市場にも上場を果たした。香港ハンセン総合指数の構成銘柄。

販売価格下落で増収減益となった07年6月期中間決算

 同社の07年中間決算では、売上高は前年同期比31.4%増の365億元となったのに対し、純利益は5.2%減の64億元となった。
 製品販売量は順調に伸びているものの、販売単価の下落が減益をもたらした。07年上期のアルミナの販売量は前年同期比9.5%増の362万トン、アルミ地金の販売量は89%増の129万トンを記録したが、販売単価を見ると、アルミナは供給過剰から前年同期比25%安の2956人民元/トンの大幅な下落に見舞われ、アルミ地金は1万7122人民元/トンの2.6%下落となった。他社の新規アルミ精錬設備の稼動や輸出増値税(付加価値税)の還付率の引き下げ等による国内での供給過剰がアルミナ価格を押し下げた。

アルミナ現物価格の引き下げの影響は軽微

 07年9月中旬に、同社はアルミナの現物価格を3900人民元/トンから3500人民元/トンに引き下げると発表したが、収益への影響は少ないと見られる。
 まず、同社のアルミナは先渡取引を主としており、現物取引の割合が生産量の10%未満である。第二に、同社のボーキサイトの自給率が高いため、価格変動リスクへの対応能力が強い。第三に、アルミナの現物価格の引き下げは、同社系列以外のアルミメーカーの利益マージンを圧縮するため、他社の新規生産能力を抑制し、業界全体の再編を促進する。第四に、中国における同社系列以外のメーカーでは、ボーキサイトの調達先はほとんどインドネシアからの輸入に依存しているのに対し、同社系列は中国国内のボーキサイト資源を独占しており、国内で調達している。07年からインドネシア政府はボーキサイトの輸出規制を実施しており、今後、同社がアルミナの価格設定権を握ることになるだろう。
  このような点から、同社のアルミナの販売価格は07年後半より徐々に回復すると見られる。アルミ地金の販売価格については07年いっぱいまで低迷が続くものの、08年以降、過剰生産が徐々に消化されること、現在実施中のアルミ製造に対する政府の投資抑制政策の効果などで、次第に回復していく公算が大きい。

販売量の拡大で安定成長を維持する

 同社は、07年6月に30億人民元の短期債、20億人民元の長期債を発行した。調達された資金は、広西、貴州、山東のアルミナ工場の拡張工事等に使用される予定である。これら工場の完成により、同社のアルミナ生産能力は2010年までに1300万トンに達すると見込まれる。
 また、07年7月に包頭アルミ業股フン有限公司(600472)の買収予定を発表しており、今後も買収などを通じて、アルミ地金の生産能力を拡大し、2010年までに年産500万トンの生産体勢を整える見通しである。

 米国のサブプライムローン問題の影響から国際的に住宅建材の価格は軟調で、アルミや銅などの商品価格は弱含んでいるが、同社は一貫したアルミの生産体制を有しており、アルミ原料の自給率も高いため、価格変動リスクへの対応力を十分に持っている。今後、買収等を足がかりに、販売量の持続的な拡大を図り、中国経済の成長とともに、中長期的に安定した収益を保つことができると弊社では考えている。


出所:ブルームバーグより。


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安徽海螺水泥(アンフイコンチセメント)

―公共投資・建設投資増大の恩恵をフルに享受―
(0914 香港H株 内藤コードN0060 売買単位:2000株)

中国最大のセメント会社

 安徽省を拠点とする中国最大のセメントメーカー。06年末のセメント生産能力は6500万トン、06年の生産量は5693万トンで、国内生産シェアは4.7%。
 中国ではセメントメーカーが乱立しており、その大半を中小メーカーが占めている。そのため、政府は業界再編を進めており、大手メーカーが土地取得やプロジェクト認可で優先されるなど、政府の支援を受けて再編のリード役を担っている。このような環境下で、同社は最新鋭設備の導入による生産性の向上と生産能力の拡大、コージェネレーション(廃熱利用の発電)システムによるエネルギーコストの削減で、競争力の強化と中長期的な利益成長の持続を目指している。

07年1-9月期業績は前年比61%増益

 07年1-9月期業績(中国会計基準)は、売上高が前年同期比12.7%増の129.7億人民元、純利益が61.0%増の15.0億人民元となった。販売数量の増加と平均販売単価の上昇が売上高を押し上げ、コージェネシステムの利用拡大によるエネルギーコストの削減効果で粗利益率を向上させた。また、販管費の抑制で営業利益は前年同期比37.2%増の19.8億元となり、増収率を大きく上回る伸びを示した。
 07年第3四半期でも、売上高は前年同期比15.1%増の46.2億人民元、純利益は78.8%増の6.2億人民元となった。販売数量は前年同期比11%増の2200万トン、平均販売単価も3.5%上昇し、好調な業績を持続している。

業界見通しは良好

 セメント業界の設備投資の伸びは過去2年間減少した。そのため、セメント中間製品(クリンカー)の生産能力は06年に8490万トンの増加にとどまり、前年の増加分を17%下回った。今後数年、クリンカー生産能力の増加ペースは鈍化を続ける見通しだ。一方で、地方や農村部改革、都市化、インフラ投資で、セメント需要は増大を続けるだろう。08年北京オリンピックや三峡ダムの工事でセメント販売は過去最高を更新しているが、今後も地方や農村部のインフラ投資に弾みがつき、セメント需要は高い伸びを続け、セメント価格は09年には06年と比較して4割程度上昇していると見られる。

中央政府の大手優遇姿勢が鮮明

 政府は生産性の向上と環境への配慮から中小メーカーの統廃合や老朽化したセメント工場の閉鎖を進めているが、これは業界再編を促し、同社にとって有利に働くだろう。
 これまでのところ、中小メーカーの設備閉鎖は国家発展改革委員会や地方政府の設定したスケジュールを前倒しで進んでおり、過当競争が緩和されつつある。
 さらに、中国の第11次5カ年計画ではセメント業界の単位当たりエネルギー消費量を期間中に25%、年平均5%削減することを目指している。旧式の設備を新しい乾式製造設備に更新してコージェネシステムを利用することで目標が達成できると中国政府は見ており、2010年までに新型乾式製造設備をセメント業界全体の生産能力の70%にする計画を立てている。しかし、06年末時点での業界全体の新型乾式製造設備は53%に過ぎず、今後、最新鋭システムの導入によって大手メーカーが躍進する可能性は大きい。

着実な増産投資と積極的なコージェネ導入

 同社は着実な増産投資を進めており、セメントの生産能力を07年末には8500万トンへ、10年には1億2000万トンへ引き上げる計画だ。
 廃熱を利用するコージェネシステムの導入も積極的に進めており、同システムの発電能力は06年末の43メガワット(MW)から07年末には128MWへ、08年末には400MWへ拡大する見通し。これにより石炭コストの上昇を吸収できるだろう。
 着実な増産投資と積極的なコージェネシステムの導入でセメント需要拡大の波に乗り、中長期的な利益成長を目指すというのが、同社の成長戦略と言える。内需関連銘柄として、同社は株式市場で引き続き注目を集めるだろう。


出所:ブルームバーグより。


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中国海洋石油(シノック)

―原油・天然ガスの開発投資を積極化、新しい油田の発見が相次ぐ―
(0883 レッドチップ株 内藤コードN7440 売買単位:1000株)

海洋油田を専門とする石油会社

 海洋の油田・ガス田の探査・生産を専門に行う中国第3位の石油会社。渤海湾、南シナ海東部が原油生産の拠点、南シナ海西部が天然ガス生産の拠点で、東シナ海でも事業を展開。07年1-6月の原油生産量は6810万バレル、天然ガスは997億立方フィートで、原油に換算した合計生産量は前年同期比4.5%増の8540万バレルだった。また、06年末の確認埋蔵量は原油が14億8980万バレル、天然ガスが6兆2316億立方フィートで、原油に換算した合計埋蔵量は25億2850万バレル。

07年下期業績は回復へ

 07年上期業績は、12.7%減収、10.6%減益で低調だった。売上高のうち、原油・天然ガスは前年同期比6.4%減の332.2億人民元にとどまった。原油・天然ガスの生産量は増加したものの、原油の平均販売価格が58.8米ドル/バレルで、前年同期を6.4%下回ったことが響いた。
 しかし、原油価格は07年半ばから回復し、7-9月期の平均販売価格は67.4米ドル/バレルで前年同期比9%上回った。また、7-9月期の原油・天然ガス生産は引き続き順調であり、原油が前年同期比0.3%増、天然ガスが17.9%増となり、合計で1日当りの生産量は3.8%増の47万7000BOE(石油換算バレル)を達成。原油価格が米ドル建てのため、米ドル安人民元高が収益のマイナス要因となっているものの、7-9月期の売上高は前年同期比1.8%減の183億人民元まで下げ幅を縮小している。現在、原油先物価格(WTI)が大幅に上昇しており、下期の業績は順調な回復が期待される。

新しい油田の発見が相次ぐ

 原油価格が高騰する中で、油田・天然ガス田の開発投資を積極化している。07年7-9月期には油田の掘削を大幅に増やし、開発投資は前年同期比42%増と急増した。掘削した油井の数は24本に上り、前年同期の2倍。12本で新たな油田・ガス田を発見し、11本で無事に調査を終了した。
 調査の結果は有望であり、今後、中規模以上の油田・ガス田へ発展する可能性を秘めたものが多い。07年7-9月の油田・ガス田の探査成功率は50%を確保した。錦州油田の2番目の油井が最も良好な結果を示しており、原油は日量3095バレル、天然ガスは同1300万立方フィートの潜在生産能力を持つ。こうした調査結果は錦州油田の潜在的な埋蔵量の大きさを示している。その他では進賢油田でも有望な油井が発見された。
  こうした有望油田の発見は同社の原油・天然ガスの確認埋蔵量の増加につながるだけでなく、同社の資源探査が如何に効率的に行われているかを示すものだろう。

中渤海湾での生産は今後5~6年で倍増へ

 会社側では今後5~6年の間に渤海湾での生産を倍増させる計画を進めている。新しい油田が相次ぎ生産を始めることで、渤海湾での生産は日量54.2万バレルに増加する見通しだ。
 渤海湾での生産は06年に日量26.9万バレルに達し、生産全体の39%を占めただけに、同地区の生産が倍増することは、同社の原油・天然ガスの生産の順調な拡大に大きく寄与しよう。渤海湾の確認埋蔵量は原油換算で11億バレルに達し、全体の60%を占めている。なお、渤海湾では28の油田・ガス田と60のプラットフォームが稼動している。

上海市場への上場を積極的に進める

 中国、インドなど新興国での原油需要の高まりと産油国の原油供給量の制約で、原油価格は中長期的に上昇トレンドを維持する可能性が高い。このため、原油価格の上昇トレンドが同社の業績を中長期的に支えることになるだろう。目先的には同社がチャイナモバイル(0941)と並んで、レッドチップ企業としては初めての上海A株市場上場を積極的に推進していることもプラス材料だろう。08年の年末年始にかけ、同社が上海A株上場の認可を受け、上場スケジュールが明らかになることが期待される。


出所:ブルームバーグより。


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