チャイナマンスリーレポート

1月号

2010年1月1日 内藤証券中国部

新年のごあいさつ

新年おめでとうございます。

 この度の米国発世界経済危機を境に、日米欧先進国の退潮と中国をはじめ新興国の台頭が一段と進み、世界経済の主役交代が明らかになって参りました。購買力平価で見れば、既に先進国の経済シェアは50%以下に低下し、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)合計では米国を上回る経済規模に拡大しております。

 欧米各国は未曾有の財政出動と金融緩和により当面の危機を脱し、株価も相当程度回復を見たものの、未だ不安要因を抱えながら、本年の経済は1~2%の低成長に甘んじざるを得ないと予測されております。他方BRICsに代表される新興国経済は一時的には大きく落ち込んだものの、大幅な景気回復を見せました。特に中国は破格の政策対応が効を奏し、2009年は8%強、2010年も9%を上回る経済成長率が期待され、一部にバブルが懸念される中、日本を追い越しGDP世界第2位の経済大国に踊り出ることが確定的です。

 日本経済は対欧米輸出の激減を、中国を中心とする新興国向け輸出で多少カバーするものの依然低調で、企業リストラ、個人消費の不振、円高、デフレ等から脱却する有効な政策も期待薄であり、加えて国家財政悪化と人口減という2つの将来不安の中、新年を迎えました。

 このような環境下、皆様にとっての資産運用(保全)は、グローバルな見地で「成長国」、「成長企業」に投資することが賢明であることは言うまでもありません。弊社は1995年から中国株式に取組み続け、日本に於ける中国株のパイオニアを自負しております。今後も成長発展が大きく期待できる中国企業、そして海外、特に中国をはじめとする新興国で売上と利益を伸ばしてゆくであろう日本企業に投資することが上策と確信いたします。

 本年も皆様のお役に立つべく役職員一同研鑽を続けて参る所存です。ますますのご愛顧をお願い申し上げ、新年のご挨拶と致します。



~2010年の中国株式市場見通し~

09年は政府目標の8%成長達成が確実視

 昨2009年の中国経済は世界的な金融危機・景気減速のなかで他の先進諸国に先んじていち早く回復基調に転じ、年間の実質GDP 成長率は政府目標の8%を達成したもようだ。総額 4兆元の内需振興策や金融機関の融資残高に対する総量規制の撤廃等、積極的な財政投資と適度に緩和された金融政策を活用することで内需の喚起に成功したことが背景だ。

 四半期ベースの実質GDP成長率をみると2009年第1四半期の前年同期比6.1%増をボトムに第2四半期には同7.9%増、さらに第3四半期は同8.9%増と順調な回復軌道を辿っている。 1-9月では同7.7%増で、政府が今年の年間目標とする8%を下回ってはいるが、通年で8%を超えるのはほぼ確実といえる。

 1-9月の実質GDP成長率の寄与度を見ると、総固定資本形成がプラス7.3%ポイント、最終消費がプラス4.0%ポイントに対して、純輸出がマイナス3.6%ポイントとなっており、依然とし て内需、特に投資が中心の成長という構図に変化はない。一方で外需は依然として足を引っ張っている状況だ。

不振を続けていた輸出にも復調の兆し

 ただ、その外需にも改善の兆しが見えてきた。最近の貿易統計を見ると、4月から8月まで5カ月連続で前年同月に比べて20%以上の減少が続いていた輸出だが9月は15.2%減、10月 が13.8%減、さらに11月には1.2%減と減少幅は大きく縮小している。輸出金額は2月の649億米ドルを底として徐々にではあるが増加に転じており、特に7月以降は1100億米ドル前後 の水準で推移している。欧米を始めとする先進国では個人消費の力が依然として弱く、外需の一段の増加は見込み難いものの、今後はリーマン・ショックをきっかけに輸出が急激に 落ち込んだ08年12月以降との比較になることから伸び率はプラス転換が予想される。

 一方、輸入は既に改善の方向にある。11月の輸入は前年同月比26.7%増と1年ぶりに増加に転じた。中国は加工貿易が多いことから輸入の動向がその後の輸出に反映される傾 向があり、足元での輸入の改善傾向は将来の輸出に対する明るい兆しと言える。

需要項目別実質成長率寄与度

2010年の成長率はさらに高まる方向へ

 回復2年目を迎える2010年も中国経済の成長率は一段と高まる方向にあると考える。特に年前半については投資、消費の内需の両輪が好調を持続するとみられるうえ、輸出の復調が期待されるなか、前年同期の成長率が低かったこともあり、実質成長率は2ケタの伸びが予想される。

 固定資産投資に関しては、内需振興策による効果の薄れとともに伸び率が鈍化するのではないか、との懸念があることも事実だ。だが、都市化の進展に伴い、都市部での住宅需要は拡大傾向にあり、地下鉄など都市交通網の整備も急務だ。一部産業には過剰設備の問題があるものの、先進国に比べて遅れているインフラを充実させるため固定資産投資は高い伸びを続けよう。

 また、消費に関しては、自動車購入に対する税制優遇策が延長されるうえ、家電購入に対する優遇策も継続の方向で、底堅い動きが続きそうだ。さらに、今年5月から10月末まで開催される「上海万博」も個人消費拡大に寄与しよう。今回のテーマは「Better City,Better Life」(より良い都市、より良い生活)。都市での生活様式が観光客を通じて中国全土に広がることで個人消費の大きな転換点になると期待される。

 輸出についても前述の通り回復の方向であり、年前半にかけて伸び率は前年比でプラスに転換、後半についても世界景気の回復とともに堅調な推移が予想される。昨年の中国経済は大型の内需拡大策を背景に固定資産投資の実質成長率寄与度が9割を上回るというややいびつなかたちでの成長を遂げたわけだが、本年については内外需のバランスのとれた成長への移行が予想される。政府の年間成長目標は昨年と同じく“8%前後”に置かれているが、9%を上回る成長が期待される。

実質GDP成長率のイメージ(四半期ベース)

中国本土株式市場の展望

 昨年の中国本土株式市場は、4兆元の大型内需拡大策あるいは個別産業振興策等による景気の早期回復期待、加えて金融機関の貸出急増に伴う豊富な流動性等を背景に7月末までほぼ一貫して上昇基調を続けた。

 ちなみに、上海総合指数の年初から8月4日のザラ場高値3478ポイントまでの上昇率は80%を超えた。しかしながら、相場はその後急落、9月1日のザラ場安値2639ポイントまで24%の大幅な下落となるなど、今回の上昇局面で初の本格的な調整場面を迎えた。①金融政策の方向転換に対する懸念、②マクロ経済に対する期待感の後退、③政策当局によるバブル潰し政策の本格化に対する不安感、などが背景である。

 ただ、その後は、温家宝首相や中国人民銀行が「適度に緩和された金融政策の維持」を繰り返し強調したこと、金融機関の貸出残高増加額が8月、9月と前月を上回ったこと、秋口以降に発表された主要経済指標が景気回復持続を示唆する内容だったこと、などからいったんは反発に向かった。一方、年末にかけては再度、弱保ち合いの動きとなったが、年間を通しては71%(12/18現在)の大幅な上昇を記録した。

 続く2010年も中国本土株式市場は引き続き堅調な推移が予想される。特に年前半については、内需の好調持続に加え、外需の復調で09年第4四半期、10年第1四半期と成長率は2ケタに復帰、景況感も一段と好転する一方で、金融は緩和状態が続き株価は上昇基調を鮮明にしよう。

 ただ、株式市場には金融政策の方向転換、いわゆる“出口戦略”や、為替政策の転換(人民元高容認)に対する問題が控えている。輸出の本格回復は第2四半期以降にずれ込むと見られることから、金融政策や為替政策の転換が早急に行われる可能性は少ない。しかし、金融緩和を背景に不動産などの一部産業では資産バブルの形成が心配されており、1米ドルを6.83元近辺に固定していることでユーロ等に対して人民元の割安感が強まっている。そのため、今年中に金融政策や為替政策の方向転換が行われる可能性は高い。実施時期については夏前ごろ、物価上昇が懸念されるようになってからだと考える。

 実際に、金融緩和が解除されれば、株式相場は調整局面に陥ろう。人民元高も輸出企業の株価を押し下げる要因となる。だが、高い経済成長を背景に調整は一時的なものにとどまり、秋口から年末にかけては、2011年に向けての企業収益続伸期待、世界景気の本格的な回復軌道入りなどを背景に再び上昇局面に入るものと考えている。

各国指数の騰落率

香港株式市場の展望

 一方、昨年の香港株式市場だが、本土市場の上昇に伴い本土関連株が買われたほか、米国株式市場の堅調も支えとなり順調な展開となった。米国を中心とした世界の金融市場安定化を背景に新興国株式市場へのリスクマネー回帰が続いており、こうした投資資金が株価を押し上げたようだ。本土市場の急落に引きずられるかたちで8月には調整局面を迎えたが、9月中旬以降は本土市場の復調、米国株式市場の高値更新を背景に上昇基調を継続、11月中旬にはザラ場で23000ポイント台を回復。その後は本土市場の下げもあり、弱含みの動きとなったものの、年間を通しては47%(12/18現在)の上昇を記録した。

 本年も本土市場同様に堅調な動きとなろう。このところ人民元の先高に対する期待もあり、香港への大規模な資金流入が続いてきた。当局は香港ドルレート維持のための為替介入に追われており、市中の流動性は一段と拡大している。バブルに対する警戒感が一部上値を抑える可能性もあるが、春先にかけて上昇局面が続くものと予想する。その後は、夏場の調整を経て、年末にかけては再度上昇局面を迎える展開となろう。(村上)

中国旺旺(ワンワンチャイナ)

00151〈N0151〉香港

知名度高い「旺旺」ブランド

 「旺旺」ブランドの食品・飲料を生産販売する台湾系の投資持ち株会社。主力製品は米菓(せんべいなど)、飲料(乳飲料、缶コーヒー、炭酸飲料、茶飲料、粉ミルクなど)、スナック菓子(キャンディー、アイスキャンディー、ゼリー、ボーロなど)、酒類。「旺旺」ブランドは中国本土での知名度が高く、独特の男の子のロゴマークも浸透している。09.6期(中間)の売上げ構成は、米菓21.3%、飲料48.1%、スナック菓子30.1%、その他0.5%。

 09.6期(中間)の業績は、売上高7.98億米ドル、前年同期比12.5%増、純利益は1.21億米ドル、同6.4%減と増収減益に。ただし、前年同期の不動産売却収益と為替差益を差し引けば、本業の純利益は同13%の増加。米菓部門の減収を飲料製品の好調で補い、全体の売上げを押し上げた。利益面では粗利益で3.08億米ドル、同16.7%増、粗利益率も前年同期の37.2%から38.6%に上昇。主原料のパーム油、包装資材など原材料価格の下落に加え、米菓製品と乳製品の値上げが寄与した。ただ、新製品の広告宣伝費が嵩んだほか、販売人員の増強で販売費用が大幅に増加した、などから純利益では減益に。

新製品投入、内陸部の中小都市への販路拡大で成長を目指す

 上半期の業績は増収減益となったが、下半期以降は増収増益基調に転ずる見通し。景気回復に伴う消費の拡大により、米菓部門とスナック部門の売上げ好転が期待できるうえ、飲料部門では、新製品の投入で増収を図る。同社のターゲット顧客層である子供、若者、主婦に受けの良いパッケージの新製品を開発し、市場シェアを獲得する戦略だ。

 地域戦略面では、今後、消費の急成長が見込まれる内陸部の中小都市の販売網を一層拡充する方針。中小都市の市場を開拓するため、同社は販売人員数を07年の7,771人から08年には14,316人、営業所数を308カ所から329カ所に増やした。こうした販売力増強の効果が今後徐々に表れてくるとみられる。

ヤン州煤業(ヤンゾーコールマイニング)

01171〈N0120〉香港

華東地方で最大規模の石炭会社

 山東省に本拠地を置き、石炭の採掘から加工販売までを手掛ける大手炭鉱会社。08年の年間生産量は3551万トンに達し、華東地方において業界最大規模の石炭生産量を誇る。主力商品は高品質の低硫黄炭で、大部分を発電所や鉄鋼プラント、化学プラント向けに出荷する。08年末時点での可採埋蔵量は約20億トン。また、石炭輸送用に鉄道路線を保有し、近年は小規模ながら発電や石炭化学への事業展開も遂げた。

 09.6期(中間)の業績は売上高で前年同期比25.7%減、純利益で同48.2%減と、大幅な減収減益であった。主因としては石炭販売量が同4.6%減少したことに加え、平均販売単価も1トン当り494元と同22.8%低下したためだ。景気減速を背景に主要顧客による石炭需要の後退が大きく響いた。また、販売管理費が同29.4%増加するなど、コストの上昇も利益を押し下げる結果となった。

景気拡大を受けて、石炭需要、価格ともに回復基調

 足元の景気回復を受けて石炭需要は好転しつつある。同社の石炭販売量は第3四半期に前年同期比10.7%増と2桁の伸びを示し、1-9月累計でも同0.4%増加した。販売単価に関しても改善の兆しが見える。第3四半期の平均販売単価は1トン当り523元と同34.0%下落したものの、09年上期と比較すれば5.9%の上昇となっている。さらに、電力会社を主要顧客とするため、直近での電力消費量の増加も追い風だ。09年上期で減少していた電力消費量は1-11月累計で同4.8%増加、特に9月以降は前年同月比2桁増の伸びを続けており、石炭需要を押し上げていると考えられる。加えて、石炭のスポット価格が強含んでいることもプラス要因。ただ、09年通期の業績は減益となった模様。しかしながら、最悪期を脱しており、今後は業績が徐々に回復するものと見込まれる。

 また、同社は豪州の石炭会社フェリックスの買収を計画している。この買収が実現されれば、石炭の埋蔵量や生産量の増加を通じて業績回復のスピードを速めることとなろう。

中国工商銀行(ICBC)

01398〈N1398〉香港

中国を代表する最大手の商業銀行

 4大国有商業銀行の一つ、総資産、預金及び融資残高において国内最大手。1984年に中国人民銀行(中央銀行)から商業銀行業務を引き継いで設立され、国有企業や政府系機関と深い繋がりを持つ。近年はインターネットバンキング業務にも力を入れる。09年6月末時点で国内1万6000カ所以上に拠点を有し、顧客数は企業で344万社、個人で2億500万人に達する。法人向けの融資と預金残高の市場シェアは、それぞれ12%、14%。

 09年9月末時点で総資産が前期末比19.6%増の11兆6697億元になった。また、中国政府による積極的な金融緩和策を受けて総融資残高も同22.1%増の5兆5805億元と、大きく伸びた。融資残高の内訳では法人向けが3兆8770億元、個人で1兆930億元、手形割引で3987億元、海外その他で2117億元となっている。一方、自己資本比率は12.6%と、同0.5ポイント低下した。ただ、融資残高の急激な拡大を考慮すれば、良好な状態を保っていると言える。その上、不良債権比率(総融資残高に占める割合)が前期末の2.29%から1.68%に低下、不良債権に対する引当率が同130%から148%まで上昇するなど、財務内容は全体的に見て一段と向上している。

自己資本規制強化は新たな商機に

 09.1-9期決算では純利益が前年同期比7.9%増の1000億元になった。長引く低金利政策の影響で純金利収入は同9.4%減少したものの、純手数料収入が同18.7%増加したこと、貸倒引当金が大幅に減少したことなどによって増益を維持した。

 現在、株式市場では国内銀行に対して自己資本規制強化の観測が出ている。銀行監督管理委員会は否定しているが、融資の急増を抑えるため大手行の自己資本規制が13%まで引き上げられる可能性は高い。ただ同行の場合、自己資本比率が比較的高く、増資による株式希薄化の影響は限定的と見られる。逆に、他行が自己資本比率の悪化で苦しむ中、強いブランド力や強固な財務内容を背景に法人融資の拡大など、大きな商機をもたらすこととなろう。

蒙牛乳業(チャイナモンニュウデアリー)

02319〈N2319〉香港

中国大手乳製品メーカー

 「蒙牛」のブランド名で有名な大手乳製品メーカー。牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、粉ミルク、チーズ等の製造販売を手掛け、09年6月末時点で乳製品の年間生産能力が574万トンに達する。09年上期の売上高構成比は、超高温殺菌(UHT)牛乳52.4%、乳飲料24.4%、ヨーグルト8.2%、アイスクリーム13.7%、その他1.3%。

 09.6期(中間)は売上高が前年同期比11.7%減、純利益で同13.6%増となった。減収要因としては牛乳添加物OMPの未承認問題等に絡んでUHT牛乳の販売額が同18.4%減少したことによる影響が大きい。ただ、OMPに関してはその後になされた専門家の調査で当局の承認を受ける必要があるものの、生乳由来の天然成分であり、健康上の問題はないとの結論が出ている。また、UHT牛乳以外の商品では乳飲料、アイスクリームの売上高がそれぞれ同5.2%、同6.8%と小幅ではあるが減少した。逆にヨーグルトは穀物やナツメ入りの新商品が人気を呼び、販売額で同8.0%増加したが、全体の減収要因を覆すまでには至らなかった。一方、利益率には向上が見られた。原材料である生乳の価格低下に加え、商品構成比率の変化によって粗利益率は同2.6ポイント上昇の26.7%となった。

消費者の信頼回復を受け、乳製品市場は再度拡大へ

 08年のメラミン混入事件で大きく傷ついた乳製品業界の信頼は回復しつつある。事件後に当局の厳しい監督の下、各企業は製品の品質管理を厳格化している。同社でも検査体制を強化するなど、信頼回復に努めてきた。その結果、09年上期の売上高は08年下期と比べ19.0%増加しており、最悪期は脱したと言える。今後は国民所得の向上に伴い、乳製品市場は再度拡大へと向おう。また、同社は09年7月に中糧集団と投資ファンドからの出資を受け入れた。これによって懸念されていた資金調達に対する不安は払拭された。加えて、農産物の加工等を手掛ける大手国有企業の中糧集団が資本参加することで、品質管理の向上や企業イメージの改善に繋がり、同社に大きな恩恵をもたらそう。

イ柴動力(ウェイチャイ・パワー)

02338〈N2338〉香港

大型トラック・建設機械用エンジンの大手メーカー

 大出力ディーゼルエンジンの大手メーカー。積載重量が15トン以上の大型トラック向けや積載重量5トン以上の建設機械向けでは中国最大のエンジン供給業者。M&Aなどを通じて、川下のトラック完成車事業へも進出している。

 09.6期(中間)の業績は前年同期比24.7%減収、純利益で同26.3%減益と不振だったが、1-9月累計では売上高が254.4億元、同10.5%減、純利益は23.8億元、同18.1%増と引き続き減収ながら2ケタ増益に転じた。例年7-9月期は季節的に販売閑散期であるにもかかわらず、業況は大きく改善している。ちなみに、7-9月期における同社の粗利益率は27.3%と過去最高水準にまで回復している。その背景は、①大型トラックの販売台数が引き続き拡大し、相対的にマージンの高い大型トラックエンジンの販売好調、②大型トラック用エンジン中心に販売価格が上昇傾向、などである。

環境好転で10.12期業績も続伸へ

 今後もトレーラーや大型トラックなど、同社製品の供給先の販売は回復基調が続く見通し。09年上半期にインフラ建設プロジェクトが大量に着工し始め、トレーラーの販売加速に火をつけた格好だが、足元の主要トレーラー製造企業及び主要部品メーカーの受注状況を見る限り、10-12月期以降もトレーラーの出荷台数は相対的に高水準を維持できると思われる。

 また、大型トラックの販売台数も足元高成長軌道に戻っており、10年にかけても順調な伸びが続きそうだ。背景は、中国経済が来年にかけて再度、高成長軌道に復帰する可能性が高く、物流需要の堅調な伸びが予想されることに加えて、買い替え需要も期待できるため。国内の大型トラック保有台数は約250-300万台と見られるが、償却期間を5年とすれば、毎年の買い替え需要も50万台前後と推定される。このため、本年も大型トラックの出荷台数は概ね10%程度の成長が期待される。

北京首創置業(ベイジン・キャピタル・ランド)

02868〈N2860〉香港

北京市を本拠地とする大手不動産デベロッパー

 住宅や商業施設等の開発を中心に事業展開する大手不動産会社。親会社は北京市政府系の北京首都創業集団で、市政府との強い繋がりを持つ。中高級物件の住宅開発を主力とし、近年は本拠地とする北京市以外での不動産開発にも力を入れる。09年6月末時点で保有開発用地が662万㎡、そのうち約9割を住宅向けが占める。開発用地の地域別構成比では北京6.4%、天津20.4%、瀋陽20.2%、成都16.1%、重慶12.2%、西安19.7%、無錫5%。

 09年上期の業績は前年同期比1.0%減収、純利益で2.6%減益。08年の販売が契約ベースで面積、金額ともに前年比半減となっていたことが大きく響いた。一方、09年の不動産販売は大幅に好転している。年初は低調であったものの、3月以降は販売額を大きく伸ばし、上期での販売額(契約ベース)は前年同期比189%増の50億元に達した。同社では年間販売目標額を当初の60億元から80億元に引き上げているが、下期に入ってからも好調な販売状況が続き、11月末時点で契約額は年間目標額を3割以上も上回った。09年通期では前年比200%前後の増加となろう。

積極的な開発用地の取得を受け、今後の収益拡大に期待

 09年11月に同社は北京市で住宅や商業施設の開発を行う子会社を完全買収すると発表した。同子会社は北京市で「A-Z Town」プロジェクトを手掛けており、09年末には竣工した模様。今回の買収によって同プロジェクトは今期以降の業績拡大に大きく貢献しよう。さらに、広東省仏山市と浙江省湖州市の不動産プロジェクトも発表した。両プロジェクトを手掛ける不動産企業に合弁パートナーとして資本参加し、住宅用地で約139万㎡(同社持分68%)、オフィスやホテル等の用地で約74万㎡(同60%)の開発を行う。

 現在、不動産市場への投機的な資金流入を抑えるため、政府は規制強化の動きを見せている。しかし、中国では都市化の進展に伴い、都市部での不動産需要は拡大しており、その恩恵を同社も大きく受けて中長期的に安定した成長を続けよう。

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