チャイナマンスリーレポート

6月号

2010年6月1日 内藤証券中国部

本土市場
売られ過ぎの訂正局面が近い

 5月の本土株式市場は中旬まで下げ基調が続いたものの、以降は安値圏での一進一退の動きとなった。

 4月終盤から下値模索が続いていた上海総合指数だが、5月に入っても基調は変わらず、6日には終値で2739.7ポイント、前日比4.1%の急落、翌7日には同1.9%安の2688.3ポイントと続落、約8ヵ月ぶりに2700ポイントを割り込んだ。2日に中国人民銀行が今年3度目の預金準備率引上げを発表、さらに北京市、深セン市で不動産引締め策が公表されるなど一段の引締め強化が嫌気されたほか、欧州での財政不安拡大による世界的な株安の余波も受けた。

 その後、いったんは下げ止まりの気配も見えたが、17日には前営業日比5.1%安と今年最大の下落率を記録、終値は2559.9ポイントと概ね1年ぶりの安値水準に。欧州の信用不安が再び拡大、前週末の欧米市場が急落したことに加え、国内でも当局がさらに厳しい引締め策を打ち出すとの見方が広がり、景気の先行きに警戒感が高まったことが背景。ただ、月末にかけては下落ピッチも弱まり、安値圏での一進一退の動きに。

 一部欧州諸国の信用不安で欧州全体の景気が減速、ようやく回復軌道に乗り始めた外需の腰折れにつながり、一方で金融引締めが内需の落ち込みを招き、中国経済全体が二番底に向かうという悲観シナリオを株価は織り込んでいるようだ。ただ、冷静に考えれば、仮に08年のように輸出が再度落ち込む気配をみせれば、金融引締めはペースダウンあるいは停止されるはずであり、場合によっては追加的な財政刺激策が採られる可能性さえある。株式先物取引に絡んだ投機的な動きが下げを加速させている側面もありそうで、バリュエーションからみても株価は売られ過ぎの局面にあると思われる。下げ過ぎの訂正局面が近いものと考えている。(5/25 村上)

香港市場
割安感が一段と強まる

 5月の香港株式市場は、上旬の急落の後いったん持ち直したものの、下旬にかけては再度下値を探る動きとなった。

 4月中旬以降、下落基調が続いていたハンセン指数は、5月に入ると下げ足を早め、3日から7日まで5日間の続落、7日の終値は19920.2ポイントと今年2月19日以来の20000ポイント割れとなった。中国本土の預金準備率再引上げ、不動産に対する引締め強化など本土要因に加え、一部欧州諸国の財政不安による世界的な株安が背景。

 週明けの10日には欧州連合(EU)が、7500億ユーロの財政支援策を決定したことで、欧州発の信用不安に対する懸念が和らぎ、終値は20426.6ポイントと大台を回復、その後も20000ポイント台での推移となった。しかし、それも長続きせず17日には再び大台を割り込み、20日には終値で19545.8ポイントと本年の安値を更新した。ユーロ安が止まらず、一部欧州諸国の信用不安が欧州全体の経済に対する先行き不安にまで拡大、欧米株式市場の下げが続いたためだ。月末にかけても不安定な海外市場の動きを受け、底値模索の展開に。

 中国本土では依然として引締め懸念が払拭できず、欧州の信用・経済不安もなかなか沈静化しない。こうした状況下では香港市場への本格的な資金流入は期待し難いが、一方で大幅な株価下落と好調な企業業績を背景に株価の割安感が強まっている。例えば、直近の予想PERは12.9倍と過去の通常の株価レンジの下限(平均-1標準偏差)である12.5倍に接近している。ちなみに、06年以降でこのレベルを下回ったのはリーマン・ショック後の株価急落時(08年9月~09年3月)のみである。つまり、現状の株価は当時のような「100年に一度」と言われた経済危機を織り込む水準近くまで売り込まれていることになる。早晩、水準訂正の動きが期待されよう。( 5/25 村上)

特集 調整を続ける中国株式市場
金融引き締め策に対する懸念が燻る中国市場

 4月中旬から軟調な動きを続けていた中国株市場は5月に入っても基調は変らず、20日にはハンセン指数で19545.83ポイントを付け、年初来安値を更新した。ゴールドマン・サックスの訴追問題、米国市場での株価暴落、更にはギリシャの財政危機に端を発したユーロ問題など、不安定な海外要因も中国株安に影響したと見られるが、主因は中国本土で依然として燻り続ける金融引き締めに対する懸念と考えられる。

 特に4月中旬、中国政府が不動産ローンに対する規制強化の動きを示したことで、年初から株式市場に流れていた金融引き締め策への懸念を増幅させた。また、中国の金融政策に大きな影響を及ぼす物価の上昇も問題となりつつある。4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.8%上昇と、政府目標の3.0%を下回るものの、前月(3月、+2.4%)よりも0.4ポイント拡大。また、CPIのうちで食品価格が同5.9%上昇、生産者物価指数(PPI)も同6.8%上昇しており、インフレ圧力は一段と強まっている。10日に中国人民銀行(中央銀行)が発表した今第1四半期の「貨幣政策執行報告」の中で、「財政と金融の領域における潜在的なリスクは軽視できない」と述べるとともに、物価について「世界的な金融緩和のもとで中国の物価上昇圧力は高まっている」と指摘しており、中央銀行の方針は利上げに傾いているように思われる。

 ただ、中国の場合、金融政策の決定権は中央銀行ではなく、国務院(政府)にある。そのため、政府内には利上げに対する慎重論も見受けられることから、利上げがあったとしても短期間で連続的に引き上げられることはないと予想される。

割安感の出始めたハンセン指数

 これらのことから考えて、当面は金融引き締め策に対する思惑によって一喜一憂する相場展開が想定される。しかし、実際に利上げが実施されれば、短期的な株価調整があっても悪材料の出尽くし感から株価は早期に回復に転じる可能性もある。

 さらに、足元で発表された各企業の09.12期、並びに10.1-3月期決算の内容は総じて好調であった。加えて、直近で株価が大きく下落したことを受けてファンダメンタルズから見た割安感が出始めている。5月24日時点でハンセン指数の予想PERは12.9倍にとどまり、前回の調整時に付けた2月8日の12.8倍と同じ水準だ。07年の中国株急騰時、08年後半からのサブプライムローン問題発生時を除いて、過去の予想PERは概ね平均値から±1標準偏差内で収まっている。これに当てはめれば、今回の調整もハンセン指数で19000ポイント程度では止まると考えられる。

 また、個別株を見れば、この調整局面の中でも比較的堅調な株価の動きを示している銘柄もある。下表に2000年来の高値を今年4-5月に更新したものをまとめてみた。業種的には医薬品、小売が多い。医薬品関連はディフェンシブであるとともに政府の医療改革推進を受けて高成長が続くと見られているのだろう。一方、小売に関しては物価上昇が名目ベースでの小売売上高を押し上げることで業績にプラスに働くと判断されているようだ。これらの銘柄も足元では株価が大きく調整しているが、外部環境が落ち着けば市場で再度注目される可能性も高い。ユーロ問題等から欧米の株式市場は軟調な展開を続けているだけに外部環境に注意を払う必要はあるが、大きく売り込まれた場面では好業績銘柄の安値を拾いたい。(5/24 有井)

2000年来高値を今年4-5月に更新した銘柄

青島ビール(チンタオブルアリー)

00168〈N2060〉香港

中国トップクラスのビール会社、海外での知名度も高い

 中国で最も長い歴史を持つビールメーカー。前身は1903年に英国人とドイツ人によって設立されたビール工場で設備と原料をドイツから輸入して生産していた。日本のアサヒビールと業務・資本提携を結んでいる。09年末で国内18の省・市・地域に53のビール生産工場を展開。主力ブランドの「青島ビール」は世界で70以上の国と地域に展開、最も有名な中国ブランドのひとつ。

 「1+3」ブランド戦略を引き続き推進中。1はプレミアムブランドとしての「青島ビール」、3は第2ブランドの「漢斯」、「山水」、「ロウ山」でこの4銘柄の販売拡大により平均販売価格の引き上げを図る方針。09.12期には第2ブランド合計の販売数量が261万キロリットル、前年比1.5%減とやや低調だったものの、「青島ビール」の大幅な伸びで平均販売価格は3,005元/キロリットル、前年比2.4%の上昇となった。

中核ブランドの「青島ビール」が好調な伸び

 09.12期の業績は、売上高177.6億元、前年比12.5%増、営業利益18.4億元、同55.8%増、純利益12.5億元、同79.2%増と極めて好調。年前半の景気低迷を受けて業界全体のビール生産量が前年比4.7%増と伸び悩むなか、同社の販売量は591万キロリットル、同9.9%増と順調な伸びを維持。なかでも中核ブランドである「青島ビール」は295万キロリットル、同21.9%増と全体を大幅に上回る伸びで、同社の販売量全体に占めるウエイトは前年の45.0%から49.9%に高まった。「青島ビール」は同社の他のブランドと比較して粗利益率が高く(40%程度で他ブランドの20%台前半の倍近い)、こうした製品構成の改善が大幅増益につながった。

 続く、10.12期についても景気回復に伴う外食支出の増加が期待されるほか、マーケティングの一段の効率化、流通機能の強化、製品ミックスの好転、などを背景に好業績持続が予想される。なお、10.1-3月期は売上高41.4億元、前年同期比8.6%増、純利益2.9億元、同42.7%増(中国会計基準)と好調なスタートを切っている。

茂業国際(マオイエ・インターナショナル)

00848〈N0848〉香港

深センを拠点とする中国の大手百貨店

 深センを中心とした中国の南部と南西部を拠点に展開する大手百貨店。本拠地の深センから成都、重慶といった内陸部の大都市に店舗網を拡大している。09年末時点で、22店舗を展開している。中国の百貨店はテナント販売が中心だが、同社も総売上高の90%がテナント販売。09.12期の商品別売上げ構成比は婦人服・紳士服45%、化粧品・宝石が19%、靴・革製品が14%、スポーツウエアや子供服、玩具、家電製品などその他が22%。

 09.12期業績は、前年比14.0%増収、純利益は一時的な損益を除くベースで同7.1%増益。08.12期の20%を上回る増益と比較すると、業績の拡大ペースは大幅に鈍化したが、この主因はテナント料率の低下。新店舗では百貨店としてのブランドが十分に確立されていないことが多いため、既存の店舗に比べてテナント料率が低くなる傾向にあるが、経済情勢の厳しかった09.12期にはこの傾向が一段と強まり、新店舗のテナント料率が大きく低下した。

09.12期下期から既存店売上高が急回復

 注目されるのはテナントの既存店売上高が09年下期から急回復していることだ。ちなみに、既存店売上高は09年上期の前年同期比0.6%増に対し、09年7~9月が同4.1%増、10~12月が同19.2%増と年末にかけて尻上がりに増加した。中国経済は09年半ば以降に復調し、消費者の消費意欲も戻り始めたため、中高級品を扱う百貨店の業績改善に追い風が吹き始めた。そこへ、値引き、現金還元、販促のクーポン制などを相次ぎ実施したことで、消費者の購買意欲を大きく後押しし、売上高の急増につながったもようだ。

 同社はこれまでの値引き戦略を控え、メンバーシップ制を前面に出したマーケティング戦略を打ち出し、テナント料率と収益性の改善に努めている。値引きを抑制しても、消費者の購買意欲を刺激し続けられるかどうかが、今年の大きな経営課題だが、幸い中国全土で雇用が持ち直しに向かい、消費者マインドが向上しているため、大きな不安はなさそうだ。

聯華超市(リャンファ・スーパーマーケット)

00980〈N0970〉香港

中国最大級の小売店チェーン

 上海を中心に全国規模で小売店網を展開する大手企業。大型総合スーパー(ハイパーマート)、スーパー、コンビニといった3つの形態で主に事業を手掛け、09年末時点で22の省及び直轄市にハイパーマート132店舗、スーパー2818店舗、コンビニ1980店舗の販売網(フランチャイズを含む)を持つ。ただ、東部地域の出店数が全体の8割以上を占め、経済規模の大きい沿海部を営業基盤とする。特に上海市はハイパーマート32店舗、スーパー1741店舗、コンビニ1289店舗を展開する重要な拠点となっている。なお、09年の売上構成比はハイパーマート54.3%、スーパー38.8%、コンビニ6.5%。

 09.12期の業績は売上高が前年比3.3%増、純利益で同22.9%増。なかでも、ハイパーマート部門が好調であった。売上高では同9.5%増にとどまったものの、セグメント利益が同94.9%増の高い伸びを示した。一方、スーパーとコンビニはそれぞれ同2.9%、2.4%の減収と、苦戦を強いられた。もっとも、スーパー部門に関しては昨年子会社化した華聯超市の寄与でセグメント利益が同3.4%増加するなど、買収による効果が早くも現れたと言える。

販売網は更に拡大へ

 同社は今期の新規出店目標を500店舗とし、長江デルタなどの既出店地域を中心にハイパーマート15店舗、スーパー285店舗、コンビニ200店舗出店する計画を明らかにしている。加えて、実質筆頭株主の百聯集団から大型スーパーを上海市、江蘇省、浙江省などで展開する華聯吉買盛の事業資産を譲渡される可能性もあり、今後更に販売網は拡大していく見込み。昨年買収した華聯超市とのシナジー効果も現れ始めているだけに、店舗網の拡充は企業業績を押し上げる大きな要因となろう。また、現在開催されている上海万博も同社にとっては追い風だ。足元の入場者数は低調な模様だが、開催期間を通してみれば、上海市での個人消費を大きく増加させるものと期待される。同社は上海に幅広い販売網を持っていることで、この恩恵を大きく受けることとなるだろう。

特歩国際(エクステップ)

01368〈N1368〉香港

大手スポーツ用品メーカー

 「特歩(Xtep)」ブランドを中心にスポーツ用品の製造販売を手掛ける民営企業。自社ブランド以外では「迪士尼運動(ディズニースポーツ)」の製品も取扱う。福建省に製造ラインを置き、中国全土に幅広い販売網を持つ。09年末時点で「Xtep」の販売拠点は前年比1047カ所増の6103店舗に達した。また、同社の特色としてはファッション性を重視した商品戦略が挙げられる。加えて、広告宣伝に音楽イベントやテレビコマーシャル等を活用することで、そのファッション性に対する消費者の認知度を一段と高めている。09年の売上構成比はシューズ45.7%、衣料品52.9%、雑貨1.4%。

 09.12期の業績は売上高が前年比23.7%増、純利益で同27.4%増と、二桁の増収増益を達成した。売上の9割以上を占める「Xtep」では平均販売単価がシューズで同8.5%、衣料品で同9.9%上昇するなど、ブランド力強化の成果が見られた。利益面でも、コスト管理を徹底したことや利益率の低いOEM事業を止めたことで、粗利益率が前年に比べて2.0ポイント上昇して39.1%になった。しかし一方で、「Xtep」ブランドのシューズ販売量は同4.5%増と、低水準にとどまった。ただ、これに関しては新製品のシューズを発売したことによって足元で大きく改善している模様。

販売網の拡大で高い成長を維持

 今期、同社は販売拠点を800-1000店舗増加させる計画。特に、地方都市での強化に力を入れる。海外ブランドの支配力が強い大都市を避け、スポーツ用品市場の高い成長が期待される地方都市でシェアの拡大を目指している。さらに、旗艦店も5-8店舗増やす計画を立てており、ブランド力の強化へと繋がろう。また、上海万博では会場ボランティアが着用するユニフォームの提供を行っている。これによって万博会場を訪れる多くの観光客に対して同社のファッショナブルな商品をアピールする絶好の機会を得たと言える。地方都市でのライフスタイルの変化や個人所得の向上を追い風に、同社は今後も高い成長を維持する見通し。

中国南車(CSR)

01766〈N1766〉香港

大手鉄道車両メーカー

 中国二大鉄道車両メーカーのひとつ。機関車、マルチプル・ユニット(動力分散方式の鉄道車両:MUs)、高速鉄道車両などの製造を行う。筆頭株主を国務院直属の中国南方機車車両工業集団とし、主要顧客に中国鉄道部や鉄路局を持つ。ただ、出荷先は国内だけでなく、欧米や東南アジア等へも輸出する。また、鉄道車両以外に風力発電設備、建設機械などの新規事業も手掛ける。09年の売上構成比は機関車30.9%、MUs17.4%、貨車12.7%、客車9.9%、都市型鉄道及び地下鉄用車両9.6%、新規事業10.8%、その他8.7%。

 09.12期の業績は売上高が前年比30.0%増、純利益で同21.2%増と、二桁の増収増益を達成した。世界的な景気減速を受けた荷動きの鈍化で貨車の需要が大きく落ち込んだものの、他の部門が好調であった。特に、08年に発表された内需振興策等の影響で機関車部門の売上高が同73.3%増、都市型鉄道及び地下鉄用車両部門で同70.3%増など、高い伸びを示した。

鉄道インフラ整備の拡充を受け、高成長を維持

 今年、中国鉄道部は全国鉄道整備計画に基づき、鉄道インフラ整備等に8000億元以上の資金を投入すると見られる。それによって、中国の鉄道網は4000km以上延長される見通し。これに伴い、政府による車両設備の買付金額は今年も1500億元程度になると推測される。また、都市部の鉄道網整備では全国25都市の整備計画が中央政府から既に認可を受けている。そのため、16年頃までに総延長で2500km、総投資額で1兆元規模に達する見込み。

 このような環境の中で、同社は今後数年間において年平均3割前後の増収を維持するものと予想される。また、同社自身でも中国の高速鉄道ブームや海外事業の拡大を通じて大幅な増収を見込んでおり、12年の販売目標を09年実績の2倍超となる1000億元に設定している。09年末時点で受注残を980億元保有し、国内において高速鉄道や地下鉄向け車両などの分野で高い競争力を持つだけに、目標の達成も充分に可能であろう。

中国電力国際発展(チャイナパワー)

02380〈N2381〉香港

中国5大電力会社の一角

 電力事業を展開する中国政府系の投資持ち株会社。国務院国有資産監督管理委員会が直接管理する国有企業「中国電力投資集団公司」の支配下にある。5大国有発電会社の支配企業では初めてのレッドチップ上場企業。山西省、安徽省、江蘇省、河南省などに複数の発電所を保有。また、親会社の発電所5カ所(遼寧省、安徽省など)を受託管理している。火力発電事業が中心だが、近年は水力発電をはじめ新エネルギー事業への参入にも積極的。

 09.12期の売上高は前年比13.5%増の109.4億元、純利益は5.2億元と前年の6.9億元の赤字から黒字に転換。増収の要因は、電気料金の引き上げのほか、買収した発電所の売り上げ計上など。利益面では、燃料の石炭価格の安定化でコスト増に歯止めがかかったことが、黒字転換を後押しした。ちなみに燃料コストは71.3億元、前年比1.1%の微増にとどまった。

電力需要の増加で更なる収益改善に期待

 2010年は世界景気の回復基調が続き、中国経済も堅調に推移すると見られ、中国の電力使用量は引き続き増加する見通し。同社の10.1-3月の発電量も前年同期比23.7%増の106億KW時と、大幅に増加している。昨年央以降の景気回復に伴い発電量の比較ベースが高くなってくるため、年後半は増加率が鈍化しようが、年間を通しては順調な拡大が期待できる。同社は今後の電力需要増に対応するため、09年11月から四川省と広東省の火力発電所で発電機の増設工事を実施しており、今後、発電量の増加に寄与する見通し。

 一方、コスト面では、国内石炭価格が底を打ちつつあり、今後上昇に転じる可能性が高い。国際価格の高止まりに加え、東部沿海地域の火力発電需要の増大、最近の炭鉱事故の頻発などが背景である。このため、2010年の電力業界は再び燃料コストの上昇に見舞われる可能性がある。こうした状況を受け、同社をはじめ中国の電力業界は、政府に電力料金の引き上げを要請したもようであり、7-9月期には結論が出ると見られる。今後、その動向に注目したい。

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