中国見聞録

中国を読み解く

2010.04.23
第3回「上海万博」

■上海万博の概要と特徴  史上最大規模の「上海世界博覧会」(上海万博)開催が近づいてきた。開催期間は2010年5月1日から10月31日までの6カ月間。目標来場者数は7000万人と、過去最多を記録した1970年「日本万国博覧会」(大阪万博)の6400万人を上回る。1日あたり平均で約40万に上る見込み。会場の面積は328ヘクタールで、2005年の日本国際博覧会(愛知万博)の約2倍の広さだ。

 「より良い都市、より良い生活」(Better City, Better Life)というテーマの下、持続可能な都市化のモデルケースを示す「ベストシティ実践区」を設け、世界の主要都市が出展するという試みが行われる。また、「環境への配慮なくして都市の持続的発展はない」との観点から、「愛知万博」に続き環境負荷の軽減を重視。「低炭素万博」を目指し、会場及びその周辺には電気自動車などの次世代エコカーが多数配置されるほか、LED照明も多く使われる。

■「上海万博関連企業」  上海万博開催は、会場を中心とする周辺地域のインフラ投資や、万博に訪れる観光客による消費拡大などの経済効果があると考えられる。上海万博は間もなく開催されるので、インフラ投資に関連する企業よりも、ここでは消費拡大によって恩恵を受けると思われる銘柄を挙げる。公式の目標来場者数は7000万人だが、来場者数が1億人を超える可能性もあると上海市政府高官が示唆した。

○大衆交通集団(900903)  上海市のタクシー最大手の大衆交通集団は、観光客増加による消費拡大の恩恵を受けると考えられる。同社の2009年末のタクシー保有台数は約9000台。タクシーのボディーカラーはミントグリーンで統一され、フォルクスワーゲン(VW)の「サンタナ2000」などの車両を採用している。2009年12月本決算は、前年比で約60%増益。主力事業の成長が安定しているほか、投資収益も前年を大幅に上回ったことなどが主因。

○上海錦江国際酒店(02006)  上海錦江国際酒店は上海市を本拠地とする大手ホテル企業。「和平飯店」などクラッシックホテルのほか、豪華ホテルなども経営。また、「錦江之星」ブランドのエコノミーホテルチェーンも展開している。2009年6月末時点で、管理運営するホテルは493軒、客室数は8万2642室(建設中も含む)。上海万博の開催までには、主力ホテルの改装が終了する見込み。そのほか、子会社の上海錦江国際酒店発展(900934)は「ケンタッキーフライドチキン」や「吉野家」などを合弁展開している。

■開催直前の現地の雰囲気  上海事務所の現地社員は「上海万博開催への機運は日増しに高まっている」と語った。確かに、私が上海へ訪れた時も(4月6~9日)、万博グッズを専門に販売するショップを多く見かけた。一方、万博会場やその周辺では、まだ工事中のところも散見された。果たして、5月1日までにすべて準備が整うのか。「メンツ」を重んじると言われる中国だけに、恐らく昼夜を問わない突貫作業で間に合わせるのだろう。

(中国部 佐藤一樹)

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