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【中国株緊急レポート】足元での相場急落について

 4月中旬以降、中国株が大きく下落している。上海総合指数は4月14日に付けた直近高値3166.18ポイントから5月11日の2647.57ポイントまで、ほぼ一本調子の下げとなり、この間の下落率は16.4%に達した。また、ハンセン指数も5月7日に20000ポイントを割り込んで19920.29ポイントを付け、直近高値からの下落率は10%を超えた。ゴールドマン・サックスの訴追問題やギリシャの財政危機、更に米国市場での株価暴落など、不安定な世界金融も中国株安に影響したと見られるが、主因は依然として国内で燻り続ける金融引き締めに対する懸念と考えられる。

 特に4月中旬、中国政府が不動産ローンに対する規制強化の動きを示したことで、金融引き締め策への懸念が増幅された。実際、5月2日には預金準備率の引き上げが発表されており、当局は市中に出回っている資金を回収する動きも見せている。加えて、インド、ブラジルが相次いで利上げを発表したことも、中国の利上げを連想させたのだろう。

 また、5月11日に発表された4月の主要経済指標を見ても、当局が利上げに踏み切る可能性は高い。消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.8%上昇と比較的安定しているものの、CPIのうち食品価格は同5.9%上昇、生産者物価指数(PPI)も同6.8%上昇しており、物価上昇が問題となりつつある。さらに、金融機関による貸出増加額が7740億元に達し、事前の市場予想6000億元弱を大きく上回った。景気回復を受けて民間の資金需要が旺盛な証とも考えられるが、景気過熱を心配させる水準と言えよう。今月10日に中国人民銀行(中央銀行)が発表した第1四半期の金融政策執行報告書の中で、「財政と金融の領域における潜在的なリスクは軽視できない」と述べるとともに、物価についても「世界的な金融緩和のもとで中国の物価上昇圧力は高まっている」と指摘しているのもうなずける。ただ中国の場合、金融政策を決定するのは中央銀行ではなく、中国政府である。そのため、政府内には利上げに対する慎重論も見受けられることから、利上げがあったとしても短期間に連続して引き上げることはないと予想される。

中国の物価動向

 これらのことから考えて、当面は金融引き締めに対する懸念が相場全体の上値を抑える難しい局面が想定される。しかし、実際に利上げが発表されれば、短期的な株価調整があっても悪材料出尽くし感から株価は早期の回復に転じる可能性もある。また、足元で発表された各企業の09.12期、並びに10.1-3月期決算の内容は総じて好調だ。それゆえに、現在の株価調整局面は好業績銘柄を個別に物色する良い機会になると考えている。

金融機関の貸出増加額とマネーサプライ

 さらに、ギリシャの財政危機も現状では中国経済に対して、それほど大きな影響を及ぼさないと見ている。10日、欧州連合(EU)がIMFと連携して最大7500億ユーロの緊急融資枠を設定するとともに欧州中央銀行(ECB)による国債の買い入れを実施したことで、当面の危機は回避されつつある。このことはドイツ国債とギリシャ国債のスプレッドを見ても分かる。一時、2年もの国債で14%以上のスプレッドが存在していたが、5月11日時点で6%程度と、1ヶ月前の水準に近づいている。完全に平常時の水準まで戻ったわけではないが、最悪期よりは大きく改善した。

ドイツ国債とギリシャ国債のイールドカーブとスプレッド

 その上、中国の輸出における対EU比率は全体の2割程度にとどまる。一昨年のサブプライム問題による世界的な景気減速局面では先進国全体の経済が後退したことで、中国輸出の5割程度を占める米欧日向けに大きな打撃をもたらした。今回のギリシャ危機はEU域内に混乱をもたらしているものの、域外の信用不安へと発展しておらず、中国経済への影響もサブプライム問題の半分程度と見ることができる。加えて、新興国の景気回復は順調に進んでおり、EU向け輸出の減少分を補う可能性もある。ただ、ギリシャの財政が再建されたわけではなく、ユーロも対米ドル、対円で弱含んでおり、今後、この問題の進展に注意していく必要はあろう。

ユーロ為替(対米ドル、日本円)
中国の輸出における各地域・国のシェア

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