中国株 業界レポート

食料品業界 ~内需拡大の恩恵を受ける巨大市場~

2010年6月25日

市場動向 ~世界最大の人口を背景に成長を続ける巨大市場~

09年1-11月の業界規模:

食品売上高:7903.64億元(前年同期比18.5%増)、飲料品売上高:6642.61億元(同19.9%増)

世界最大の人口を有する中国は、食料品の多くの分野で世界トップクラスの消費規模を誇り、広大な市場を持つ。中国の食料品業界は消費関連の中核セクターとして成長を続けており、09年の食品、飲料品の売上高は11月まででそろって20%近く伸び、高い成長率を維持した。今後も所得、消費水準の上昇なども加わり、内需拡大の恩恵を大きく受けるだろう。

業界の特徴 ~多くの企業が競争を繰り広げる~

生産・販売面:

全体的に景気の影響が比較的小さいディフェンシブなセクター。国有系、民営、外資を含む多くの企業が激しい競争を繰り広げている。中国企業の多くは中小企業で、採算性、産業集積度は概ね低く、食品加工の初期段階に従事。市場全体としてビールは夏場、白酒、ワインなどは旧正月前後に消費シーズンを迎えるなど、季節的要因が生産・販売に与える影響は大きい。

国際面:

世界の主要な食料品メーカーが巨大市場の攻略を目指して進出済み。飲料世界大手のコカコーラなどは中国内で高いシェアを持つ。アサヒビールが青島ビール(00168)との提携を強化するなど、日系企業の動きも積極的。また、中国は世界的な農業、食品加工国でもあり、輸出も盛ん。一方で穀物需要の増加もあり、農産物の分野では純輸入国に転じている。

政策面:

政府は内需拡大の一環として農村部などの振興を重視。農民の購買力の拡大は、都市部での消費レベルの高度化も加わり、業界には追い風。一方、08年の乳製品のメラミン混入事件を機に、食品安全法が改定されるなど、食の安全に関する監督を強めている。

主要企業、主な取扱い銘柄 ~地場系、台湾系などの業界大手が有利~

食料品業界は食肉、清涼飲料品、乳製品、ビールなどのサブセクターに分かれており、それぞれで多くの企業があるものの、ブランド力などを背景に業界大手が有利。このうち即席めん、米菓、清涼飲料などの分野では中国旺旺(00151)、統一企業中国(00220)、ミスター康(00322)の台湾系3社が大きなシェアを持つ。ビールでは地場系が有力ブランドに成長。一方、乳製品、果汁などでは蒙牛乳業(02319)、中国匯源果汁(01886)など有力な地場系の民営企業が活躍している。

主な取扱い銘柄:
社名 コード
市場
売上高 純利益 時価総額
中国旺旺 00151 11,687 2,136 88,782
香港 本土に進出した台湾系食料品メーカーの草分け。「旺旺」ブランドで有名であり、主力分野は米菓、飲料、スナック菓子など。
青島ビール 00168 17,761 1,253 53,561
香港 中国で最も長い歴史を持つ山東省のビールメーカー。業界のリーディング企業であり、「青島ビール」ブランドは国際的にも有名。アサヒビールと資本・業務提携を結ぶ。
統一企業中国 00220 9,109 705 16,198
香港 「統一」ブランドで知られる台湾系の食料品メーカー。飲料品、即席めんなどは国内でトップクラスのシェアを持つ。キリンビバレッジと合弁事業を展開している。
ミスター康 00322 34,709 2,618 111,736
香港 天津市を本拠とする台湾系の食料品会社。「康師傅」商標で即席めん、飲料、焼き菓子などを生産・販売する、業界のリーディング企業。
中国食品 00506 14,821 500 13,879
香港 食品大手である国有系の中糧集団(コフコ)グループに属する食品会社。酒類、飲料、食用油、菓子などを主力事業とし、「福臨門」ブランドの食用油、「長城」ブランドのワインなどは有名。合弁で「コカ・コーラ」ブランドの飲料も手がける。
中国糧油控股 00606 38,612 1,720 36,673
香港 同じく中糧集団(コフコ)グループに属する農産物加工のリーディング企業。種子油、ビール用麦芽、米、小麦、小麦粉などの取扱製品はいずれも国内で大きなシェアを持つ。
雨潤食品 01068 12,220 1,538 43,641
香港 南京市で設立された民営企業で食肉加工の大手。一貫した生産・加工体制を整えており、チルド肉・冷凍肉、ハムやソーセージなどの主力製品は、「雨潤」ブランドとして有名。
中国匯源果汁 01886 2,833 233 7,946
香港 民営のフルーツ・野菜ジュースメーカー。中国本土で最大手。「匯源」ブランドの果汁100%ジュースや果汁26~99%のジュースが主力。仏ダノンも出資している。
蒙牛乳業 02319 25,710 1,116 45,428
香港 内モンゴル自治区を本拠とする民営の乳業最大手。同社製品は「蒙牛」ブランドで販売されており、良質の乳製品を提供することで、消費拡大、高級化の恩恵を受ける可能性も。
安徽古井貢酒 200596 1,341 140 10,372
深セン 安徽省亳州市政府系の白酒大手。1800年以上の歴史がある中国八大名酒の一つ「古井貢酒」を生産販売している。
張裕葡萄酒 200869 4,199 1,127 43,620
深セン 山東省煙台市を本拠とする老舗の大手ワインメーカー。イタリア企業、国際金融公社(IFC)なども出資している。主力製品である「張裕」ブランドのワインは国内で有名。

売上高・純利益はすべて09年12月本決算。単位は百万元。換算レートは1香港ドル:0.881元、1米ドル:6.831元。

時価総額は10年6月23日の終値に基づきブルームバーグから算出、単位は百万香港ドル。

注目されるトピックス ~消費拡大、高級化の流れへの対応がカギ~

農村・内陸部の消費拡大と都市部の消費高級化:

政府が内需拡大の柱としててこ入れを続けている農村・内陸部は将来の有望市場であり、成長余地は非常に大きいため、各企業は同市場でのシェア拡大にしのぎを削っている。一方、都市部で顕著な消費の高級化という流れへの企業の対応にも注目。一般に1人あたり可処分所得が1万9000元に達すると消費性向が大幅に上昇する傾向にあるといわれ、10年に同水準になるとも予測されている。健康志向なども加わり、ハイエンド製品へのニーズが高まる可能性が大きい。

業界再編の動向:

同業界はスケールメリットの効果が大きいため、企業間の買収・合併へのニーズは大きく、今後も業界再編が進むと思われる。コカコーラが中国匯源果汁へ買収を提案するなど(最終的には失敗)、外資も買収による事業拡大に積極的である。

食料品の価格動向:

生活必需品である食料品の価格動向は、原材料の国内外の市況などに大きく左右される。原材料価格は08年上旬まで上昇した後に、下落に転じ、10年は上昇懸念が根強い。調達価格が上昇しても、販売価格への転嫁は容易ではないため、業績への影響は大きい。

食品業界の業績
飲料品業界の業績

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