中国株 業界レポート

電子・電器業界 ~「世界の工場」である中国、「世界の市場」へ~

2010年6月25日

市場動向 ~成長を続ける「世界の工場、市場」~

09年の業界規模:

販売高:6兆5142億元(前年比3.4%増)、輸出額:4572億元(同12.8%減)

中国の電子・電器業界は「世界の工場」として多くの完成品で世界トップクラスの生産シェアを誇り、各国に輸出している。同時に経済発展にともない国内の市場規模は米国に次ぐ世界第2位にまで成長し、「世界の市場」ともなった。09年は金融危機の影響が残り輸出が落ち込んだものの、所得水準の増加や政策支援などが奏功して国内販売が底堅く、業界全体では前年以上の販売高を確保できた。さらに企業の利益総額、工業生産も前年に比べ5%以上伸びるなど、主要先進国が低迷するなかで堅調さを維持。今後も更なる成長が見込まれる。

業界の特徴 ~内需、外需を両輪とする市場、ただ競争は厳しい~

生産・販売面:

労働集約型、加工輸出型の産業。広東省、江蘇省などの沿海部が中心地で、安価で豊富な労働力などを強みに製品を生産。欧米など海外に輸出するほか、国内では大手量販店などを通じて、「世界の市場」での販売拡大に努めている。ただ、業界再編は道半ばであり、地場系、外資を含め多くの企業がひしめき、価格競争圧力は強く、生産能力も過剰気味。それでも所得増加、政策支援などを背景に需要は新規・買換えともに拡大中。

国際面:

「世界の工場」として、部品を輸入し、国内で完成品を生産。これを欧米などの先進国のほか、アジア・アフリカなどの途上国を含め、世界各国に輸出している。このため海外の景気動向に左右されやすい。さらに為替や各国との通商問題の動向などの影響も受ける。

政策面:

「家電下郷」政策(農民による家電購入の促進策)、「以旧換新」政策(主に都市部での家電買い替え奨励策)、「節能恵民」政策(省エネ家電の促進策)などを打ち出すなど、政府は内需拡大の柱として、同セクターの振興に積極的。さらに国産品の技術・ブランド力の向上などを目的とした政策的な支援の動きも強めている。

主要企業、主な取扱い銘柄 ~地場系の有力企業が健闘~

主要企業は地方政府系、民営と幅広く、外資と競争しながらも、国内市場で健闘している。特に広東省、山東省、北京市の企業などが強く、当局発表の「エレクトロニクス企業100強」によると、通信設備の華為技術、総合家電で最大手の海爾集団、パソコン大手の聯想集団(00992)が08年の売上高で1000億元を突破。家電では海爾集団に差を空けられているものの、海信集団、TCL集団などが後を追い、それぞれ傘下に複数の上場企業を持つ。

主な取扱い銘柄:
社名 コード
市場
売上高 純利益 時価総額
創維数碼控股 00751 13,505 405 15,348
香港 深セン市を本拠とする大手のテレビメーカー。主力製品は液晶テレビで、製品は「創維」(Skyworth)のブランド名で知られる。
海信科龍電器 00921 8,674 136 8,965
香港 広東省を本拠とする白物家電メーカー。冷蔵庫、エアコンなどを主力とし、「科龍」(Kelon)ブランドで有名。家電大手である海信集団(ハイセンス・グループ)の傘下にある。
聯想集団 00992 101,791 ▲1,546 44,167
香港 世界屈指のパソコンメーカー。IBMのパソコン部門を買収し、「Lenovo」や「ThinkPad」などのブランドで世界展開している。
TCL多媒体 01070 26,732 349 5,517
香港 広東省を中心に全国展開する家電大手「TCL集団」で、テレビなどを担当する企業。テレビでは本土で大きなシェアを占め、事業は欧州など海外にも及ぶ。
海爾電器 01169 11,531 370 10,774
香港 山東省を地盤とし,本土の家電最大手である「海爾集団」(ハイアール・グループ)で白物家電を担当する上場旗艦企業。洗濯機と給湯器を製造・販売する。
比亜迪 01211 39,469 3,794 140,374
香港 広東省の民営企業で二次電池の世界大手。主力製品は携帯電話端末などに使用するリチウムイオン電池など。比亜迪電子(00285)を通じて、携帯電話端末の部品製造事業も手がける。このほか自動車事業にも進出している。
富士康国際 02038 49,269 264 41,074
香港 携帯電話端末の製造サービスを手がける台湾系企業。中国各地や海外の多くに生産拠点を持ち、大手携帯電話メーカーと取引関係を構築。欧米などに輸出している。
TCL通訊 02618 3,842 20 3,756
香港 広東省を中心に全国展開する家電大手「TCL集団」で、携帯電話端末・部品などを手がける企業。中国では「TCL」、海外では「Alcatel」を主力ブランドとして、中国国内のほか、欧州、中東など世界各地に販売拠点を持つ。
康佳集団 200016 13,259 151 6,299
深セン 深セン市を本拠とする国有系の家電大手。製品は「康佳」(KONKA)ブランドで知られる。テレビ受像機、携帯電話端末などが主力だが、冷蔵庫などの白物家電も手がける。
無錫小天鵝 200418 4,375 222 7,421
深セン 「小天鵝」ブランドの白物家電を生産販売する企業。主力製品は洗濯機や冷蔵庫で、国内最初の全自動洗濯機を生産したことでも知られる。民営の家電大手「美的集団」(メディア・グループ)の傘下にある。

売上高・純利益は創維数碼控股(00751)、聯想集団(00992)が09年3月本決算。このほかはすべて09年12月本決算となっている。単位は百万元。換算レートは1香港ドル:0.881元、1米ドル:6.831元。

時価総額は10年6月23日の終値に基づきブルームバーグから算出、単位は百万香港ドル。

注目されるトピックス ~農村部への市場拡大、買い替え需要の増加~

「家電下郷」による農村・内陸市場への効果:

当局は内需拡大の柱として、家電製品の農村・内陸部へのさらなる普及に注力しており、09年12月に「家電下郷」の拡充策を発表。補助金を受けられる対象製品の上限価格を25~100%引き上げた。これによりハイエンド製品にも補助の対象が大きく広がり、家電販売をさらに押し上げるものと期待されている。

所得水準の上昇にともなう買い替え需要の増加:

「以旧換新」、「節能恵民」などの政策効果に加え、所得水準の上昇にともなう消費余力の増大、販売価格の下落圧力などが重なり、買い替え需要は今後も拡大することが見込まれる。例えばブラウン管から液晶テレビへの買い替え需要。多くの家庭がブラウン管であるなか、液晶テレビが一般消費者の手が届く価格帯に下がってきたことが需要を喚起する可能性もある。

業界再編の動向:

国内での過当競争、過剰気味の生産能力の防止などを目的に、政府は積極的な業界再編を推進。さらに企業側でもスケールメリット、新規分野への参入などを目指し、再編の意欲が強いほか、対象は国内に限らず、海外にも向けられている。

中国の電子・電器産業の販売高
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