上海街角だより

上海の人々とお酒

 街中のオープンテラスで、お昼過ぎからお酒を飲む人々が見られなくなると、上海の短い秋も終わり冬の訪れです。

 ヨーロッパの文化が多く入ってきている上海では、イギリス風のパブやドイツ風のビアハウスなどがあります。他にも中国酒の白酒(バイジュウ)や黄酒(ホワンチュウ)、新上海人や若者などに人気のワイン、ソ連時代から関わりの深いロシアのウォッカなど、日本に負けず劣らず世界中のお酒が気軽に飲める環境にあります。

 今回は、上海で暮らす人々に馴染みの深いお酒について紹介します。


 中国で冬を代表する料理と言えば火鍋です。辛い赤色と辛くない白色の二色のスープが、陰陽のマークの様な鍋に入っている姿はインパクトがあります。観光・グルメガイドなどでも紹介されており、食べたことは無くても見たことがある人は多いでしょう。

 体の芯から暖まる辛い鍋、そのお供として好まれているのはビールです。

 お酒を飲むというより、辛くなった口の中を中和する感じで飲むため、普段よりもたくさん飲んでしまう人も多いようです。


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 火鍋用として市内のスーパーで売られている冷凍の薄切り肉です。牛肉よりも羊肉の方が多く売られていることもあります。また、生肉は全く販売されておらず、冷凍の肉のみといったお店も珍しくありません。


 上海市内では中国、アメリカ、日本、ドイツ、イギリスなどのメジャーなもの以外にも、タイ、インド、ベルギーやチェコなどのビールも売られており、日本でもなかなか見つからないようなビールが売られていることもあります。


 日本人に「中国のお酒と言えば」と聞くと、「紹興酒」と答えが返ってくるでしょう。紹興酒は、中国では「黄酒」と呼ばれる薄い茶色の醸造酒に含まれます。これを長期熟成させたものが「老酒(ラオチュウ)」で、日本人にも馴染みがあります。

 黄酒は、上海市内ではスーパーなどで瓶や大型ペットボトルなどで販売されている他、持参した容器に甕(かめ)から移し入れ販売するところもあります。また、お店によっては試飲ができたりもします。

 中国では、北部は小麦、南部は米と主食が異なるように、お酒も北部では白酒、南部では黄酒と異なっていました。しかし、物流や産業の発展に伴い、そうした境界線は緩みつつあり、南部に属する上海でも白酒を好んで飲む人々が多く存在します。

 醸造酒である黄酒に対し、白酒は蒸留酒です。そのためアルコール度数は高いですが、何かで割って飲むよりそのまま飲むことが多く、上海や南部の一部地域を除いては、乾杯の際に用いられます。

 コンビニやスーパーで安売りされているものから、贈答用や国賓の歓迎用など最高級のものまで、非常に幅広く親しまれているお酒ですが、とくに年配の男性に好まれているようです。

 白酒に近いお酒としてウォッカも比較的人気があり、最近では若者向けにウォッカベースのカクテルが販売されています。

 市内のあちこちに見られるイタリアンレストランや、万博前後から増えたスペイン料理店などではワインが一般的です。北京五輪前後からは、一般の家庭でも飲まれるようになり、欧米の文化を受け入れる若者には他のお酒よりも好んで飲まれています。

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 市内の飲食店のボトル棚です。お洒落さも売りのお店では、お酒の棚も雰囲気作りの一環となっています。中には瓶やラベルのお洒落さだけで並べられていることもあります。


 輸入食品を扱う食品店などでは、大きなワインコーナーがあるなど、近年で一番取り扱いが増大しているのがワインです。

 こうしたお酒は贈答用としても好まれ、春節など大量のお土産を抱えて里帰りをする時期は、一定の売上が見込まれます。最近ではネット通販の発展により、持っていかなくても直接相手先に配送されます。高級なお酒、特に輸入されたお酒に関しては、買い取って現金化するお店があるのも中国ならではです。

 上海で見るお酒は、高級・グルメ志向が高まっていることもあり、より多様性、高級性が増しています。

 観光に来たお酒好きな人は、デパートや飲食店に行くよりもスーパーなどに行った方がレアなお酒が見つかるかもしれません。




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