上海街角だより

上海おさかな事情

 冬と言えば鍋です。肉や加工食品に地位を脅かされつつありますが、やはり鍋の主役は新鮮な魚介類です。通りかかった魚屋やスーパーの鮮魚コーナーなどで見かけた美味しそうな食材に、急遽夕食のメニューを変更するといったこともあるでしょう。

 上海は海が近く、郊外には湖、すぐ傍には川が流れるといった魚介類に恵まれた環境です。また、「上海蟹」は上海の場所を知らない人にもよく知られています。

 では具体的にどんな魚が、どのように食べられているのか、今回は上海のおさかな事情について紹介します。

 上海は秋になると蟹のシーズンです。最近では公安の取り締まりなどで少なくなりましたが、地下鉄の出入り口周辺などで、天秤で担いできた蟹を売る人の姿を良く見たものです。現在は、路上、駅構内などでの販売は、蟹に限らずかなり厳しく取り締まられているため、ほとんど見かけません。


写真

 日本人からすると、ちょっと清潔感に欠けるというか衛生的に問題がありそうに感じる干物の販売風景です。

 春節前は、まとめ買いのシーズンでもあるので、「家族だけでは食べきれないのでは?」と思うような大きな干物も良く売れています。


 昨今、新規開店する店には、照明の電気を引いただけで、コンクリート打ちっぱなしなど内装に全く手をかけていない店があります。こうした店の中に、魚介類を扱うお店もあり、以前からあった野菜などの食材を売る店や、最近ではスチール棚に商品を並べた日用品店もあります。

 このような店には当然冷蔵庫なども無く、タライなどに山積みにされた魚やエビ、蟹などが売られています。日本人からするとちょっと食べるのに抵抗がある光景ですが、地元の人たちは全く気にする様子も無く、良いものを探し、日常的に購入しています。

 このような店で売られている魚介類について、紹介します。


 まずかかせないのは蟹です。環境汚染などの影響もあり、中国の富裕層の中には日本から輸入したモクズガニを食べている人たちもいますが、一般的に上海で食べられているのは近郊の湖や川で獲れた蟹です。

 上海蟹ブランドを名乗ることは出来ないですが、種類的には同じものです。

 きちんとした店や市場などでは、水槽に入って生きた状態で売られていますが、山積み状態で売られているものの中には死んだものが混ざっていたり、ハサミや足が欠けているものもあります。買う側も真剣に選んだり、店の人と交渉したりしています。(日本人が傍から聞くと中国の人の声の大きさや口調などから喧嘩に聞こえますが、普通の会話です)

 また、きちんとしたところで買った場合はハサミや足がしっかりと縛ってありますが、ここでは獲れた状態のままなので、歩き回ったり、ハサミではさまれたりするので注意が必要です。


 次に川エビです。中国の場合、エビというと白エビなどの川エビが一般的で、海のエビは加工食品や冷凍食品以外ではあまり見かけません。また、中国では「小竜蝦(ザリガニ)」を良く食べますが、狭い状態でまとめておいておくと共食いする性質があるせいか、こうしたお店ではあまり売られていません。


 その他は魚で、淡水魚がメインです。

 中国で「四大家魚」と呼ばれるアオウオ、ソウギョ、ハクレン、コクレンの他、小鮒や鯉、ナマズなどを見かけることもあります。

 ウロコなどはついたままで、獲れた状態のままで売られています。

 スーパーなどでは、丸ごと一匹の場合もありますが、大きなものは切ってあります。ただし、切り身ではなく豪快に胴体の真ん中で真っ二つ、頭のある方と尻尾のある方といった感じです。これもまた日本人が見ると「えっ?」と思わず二度見する様な光景です。

写真

 地元のスーパーの冷凍食品コーナーです。エビや魚のすり身を団子状にしたものなどが、主に鍋用に売られています。

 一方で輸入食品なども扱うデパートの地下などでは日本の蟹や北米のサーモン、北欧の白身魚なども見かけます。


 また、黄魚は海水魚ですが、淡水域の河口などでも獲ることができます。

 揚げたものをあんかけにしたりもしますが、なんといっても冬場は鍋の主役です。具材を自分で選ぶことができる火鍋店では、「まずは黄魚」と言われるほど、欠かすことの出来ない魚で、上海に限らず中国の華東地域では人気です。

 また太刀魚も中国で人気の高い魚で、干物などでも売られています。

 中国の場合、内陸部が広いので、海の魚は干物として流通することが多く、マナガツオなど中華粥の味付けなど一般的に用いられている魚ですら本来の姿を知らない人が大半です。


 ただこうした中国産の魚ですが、近年では安全性への懸念などから一般の人たちの中でも避ける人が見られ、北欧、南米などから輸入した冷凍の魚介類が普通にスーパーで売られるようになってきています。

 街中で普通に魚が並べられて売られているというのも、もしかすると10年後の上海では非常に珍しい光景になっているかもしれません。




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