上海街角だより

上海最新地下事情

 上海では日本の様な大規模な地下街というものはあまり見られません。

 中国の場合、歴史的建築物が多く残った地域を除けば地上にまだまだ開発の余地が有ることや、元々が湿地帯で少し掘れば水が沸いてくるという事も関係しています。


 しかしながら北京五輪、上海万博を機にした地下鉄網の整備、それに伴う主要駅のターミナル化、住民の収入増による消費性向の変化等によってその様相も変わりつつあります。

 今回は、この上海の今の地下事情について紹介していきます。


 上海における地下利用で最も多いものは駐車場としての利用です。オフィスビルやデパート、マンション等多くの人々が出入りする場所では地下に大きな駐車場を有している場所も多く見られます。


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 ホテルの地下駐車場。

 スペースが密集した商業区域に立つ高層ホテルやデパートだけでなく、こうした旧租界時代の古い建物を生かしたホテルでも、景観を考慮して地下に駐車場を建設するケースが見られます。



 次いでデパート等では、地下に輸入食材等を扱う高級スーパーがある所も見られます。

 これは中国の中でも比較的外国人居住者が多い上に、古くからそうした外国人が住んでいた上海という土地柄もあります。


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 デパート地下のスーパー入口。デパートの中から降りていくだけでなく、近接した地下鉄駅や地下駐車場などからも直接スーパーへ行き来出来るケースも多く見られます。

 ビルの一階等にある事が多い、地元系のスーパーとは品揃えや客層がかなり異なります。


 他の中国の都市に比べると、外国の食品、料理に触れる機会が多い土地柄であった事から、外国人居住者だけでなく、上海の比較的裕福な層もそういった輸入食材を扱うスーパーを利用しますし、逆に市内の一般的なスーパーでも輸入食材や輸入食品が売られていたりもします。

 最近ではこうしたデパートの地下も、日本のデパ地下に近いものも現れ、地下を丸ごとフードコートにする所や、讃岐うどんの丸亀製麺やとんかつの和幸等、日本で馴染みのあるお店も見かけます。こうしたお店では日本では存在しないメニューなどもあったりしますので、日本で食べなれた人もそうで無い人も話の種になります。


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 デパ地下に出店した日本の讃岐うどんチェーン。日本でもおなじみの釜揚げうどんから、ラーメンの様な豚骨スープ、中華風アレンジの施されたオリジナルまで並び、また多くの種類の丼ものがある点も日本とは異なります。



 一昔前の地下鉄は設備こそ最新のものではあるものの、そこへ出入りする地下通路や階段の照明はやや薄暗く、露店や小さな売店がちらほら見受けられるだけで、治安的にもあまり良くない雰囲気が漂う所すらありましたが、万博を機に省エネ照明への転換も後押しして照明事情が改善され、売店からしっかりした店舗へと存在する店も変わる等変化が見られるようになってきました。


 そうした流れの中で、徐家匯の地下鉄駅では駅に隣接する地下エリアを再開発し、日本で人気のレストラン、テイクアウト、ブティック等を招いたショッピングエリアを作り、五番街と名づけました。まるで日本の地下街に来てしまったかの様な印象を受ける五番街ですが、お客さんもお店の人も共に中国人、紛れ込んだ日本人からすると少し不思議な感覚のする場所です。


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 日本を訪れる観光客の裏人気上位である日本の百円ショップも10元ショップとして上海に進出しています。中国にも既にこうした低価格ショップは存在していますが、「日本と同じ品揃え」を売りにそうした既存店との差別化を図っています。


 こうした上海の地下の変化は、上海における消費のあり方の変化を写す鏡とも言えます。

 トップエリートの高給取りでも、元から上海に暮らして来た下町の人でも無い、ちょっと余裕のある人たち、特に若者。

 こうした光景を「当たり前のもの」として育った世代が、これからの上海を更にどう変えていくのか、そうした視点で上海を見てみるのも面白いかもしれません。


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