上海街角だより

上海オタク事情

 日本人にも馴染みの深い上海の代表的観光地である豫園から西にある、孔子を祭った700年の歴史を持つ「文廟」、周囲にも古い上海の民家が残された、租界時代より更に以前の上海の息吹を感じられる、どちらかというと年輩の人間に好まれそうなエリアですが、周辺で見かけるのは事情を知らないと驚くほど地元の若者が多く訪れる場所です。

 元々は古書や書籍を扱うお店が多く、古書市が立つ事もあるという東京で言えば神田神保町の様なエリアでしたが、昨今ではコミック、アニメ関係書籍からの流れで始まって様々なアニメグッズが集まるアキバ的な雰囲気を持つ様になっていて、可愛い系のグッズを求める女子高生やアニメグッズを求めるアキバ系男子で溢れかえっています。


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 ファンシーなキャラクターグッズ店と混在する事が多いのが上海の特徴です。日本とは違い、渋谷・原宿系とアキバ系が混在しています。若い女性の場合、キャラグッズ店、コスメグッズ店、アニメショップをハシゴするなど、あまり境界線を感じていない様に見えます。



 上海の場合、テレビでアニメを流すのは児童チャンネルとアニメ専門チャンネルで、その気になれば一日中アニメを見て過ごす事も可能です。中国の国策もあって、中国製作のアニメが増え、日本製アニメが放送される機会は減ってはいますが、それでもそれぞれの年代の共通話題となる日本アニメが一本(古くは「一休さん」、少し前の「クレヨンしんちゃん」や「ちびまる子ちゃん」等)はあるのが実情です。また、海賊版も含めたDVDでも日本製アニメに接する事が出来、日本で放送中のアニメや既に放送が終わったアニメも中国の動画サイトで見る事が出来る等、オタクとしてのめり込める環境は整っています。

 一方で、中国の教育事情や家庭環境も上海におけるオタクの増殖に関係しています。学校の授業時間(自習も含めた)が長く、友達と遊ぶのは休み時間か学校帰り程度、帰宅してから誰かと遊ぶと言う事はあまり無く、学校以外での時間のほとんどを自宅で過ごし、6ポケットで欲しいと言うものは大抵手に入る環境で育った中国の若者の中には日本でも問題になっている「コミュ障」気味の人間も見受けられます。オタク的趣味がそうした人間の逃げ場になっているのは日本でも中国でも共通した部分です。


 一方で違った方向から所謂オタク的なエリアに入り込んで来る人間もいます。

 コスプレです。


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 一見、普通の街のおもちゃ屋と思われる様なオタク色薄めのお店ですが、置かれている商品は日本やアメリカのアニメや映画のキャラクターのフィギュアです。

プラモデルなどの未完成品を完成状態にして販売しているお店があるのも中国独特です。


 アニメやマンガが好きだからコスプレをする、というのは日本やアメリカ、台湾等でも見られるオタク周辺事情でよく見られる現象ですが、中国の場合「原作には興味無いけど現実に無い衣装を着た自分の写真を綺麗or格好良く撮影して他人に見て欲しい」という自己顕示欲方向からのアクセスがあります。


 かつては観光地でカメラをぶら下げて写真を取り捲るのは日本人観光客の典型スタイルでしたが、今では中国人観光客の代表スタイルとなっています。

 中国の人は写真を撮るのも好きですが、写真に写るのも大好きです。

 観光地やちょっと見栄えのいい建物の周りではポーズまで取って撮影をする中国の人の姿をよく目にします。


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 この春期間限定でオープンしていた日本のアニメグッズ店。現在では撤去が進んでいますが看板はまだ残っていました。一部エリアを除けば、実店舗よりウェブ通販の方が主流の様で、この店も中国での通販サイトをオープンしています。



 中国の若い女性の微博(マイクロブログ)の多くは自分撮りの写真メインのものが多く、若い女性のウェブログが中国でトップクラスの人気を集めてタレントに等ということも普通にあります。

 埋没を避ける為の戦略としてコスプレというプラス1を行う、オタク趣味と全く接点が無い若い女性も居ます。

 中国の通販サイトを見るとピンクやグリーン、ブルー等の鮮やかな色のカツラや、漫画やアニメやゲームのキャラクターのコスチューム、武器や様々な小道具まで店舗オリジナルも含めた実に多くの商品が販売されています。

 また上海観光の穴場的存在であるオーダーメイド・チャイナドレスの仕立ても出来る南外灘軽紡面料市場等の仕立てサービスが充実している上海では、本職の仕立て屋にコスプレ衣装の製作を頼む等という事も出来ます。

 こうしたコスプレイヤーは衣装を着て公園や寺、庭園等で撮影を行っている事もあり、中には中国の武侠小説の映像化や中国を舞台にしたゲームにちなんだ衣装を着た中国らしい姿の若者に出会う事もあります。

 一声かければ喜んで一緒に写真に写ってくれるかもしれませんよ?


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