上海街角だより

上海の年中行事と食べ物

 相変わらず三十度以上の高い気温が続く上海ですが、市内のコンビニ、スーパー、デパートなどでは秋の行事である中秋節の月餅が並んで一足早く秋の気配を感じさせています。

 一昔前は賄賂じみた高級なおまけ(住宅、高級車、宝飾品等)が付いた月餅などがニュースとして取り上げられていましたが、今日では丁度日本のお中元の様な形で商品券や引換券等といった形で贈答が行われる事も増え、以前の様に月餅が入った紙袋を幾つもぶら提げて友人、知人宅を訪問する人間も減ってきました。


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 贈答用の立派な入れ物に入った月餅。どう見ても本体価格を上回っている容器に入った月餅を扱うデパートの側の広場には「過剰包装にNoと言おう」といった主旨の政府公告があったりと、商業主義と政府によるエコ周知のせめぎ合いといった今の中国の姿がこんなところでも見られたりします。



 アイスやチョコレート等の西洋菓子を月餅風にアレンジした商品も出るなど、時代による変化も見受けられる月餅ですが、それでもオーソドックスな昔ながらの月餅の人気も根強いものがあります。

 

 今回はこうした月餅をはじめとする季節行事と関係の深い食べ物について紹介していきます。


 中国の正月は旧暦で「春節」と言います。

 この時期の中国はどこもかしこも赤と金、それに黄色で彩られ、一般的な中国的イメージが色濃く街に溢れる季節でもあります。

 この行事で定番の食べ物は年ガオ(米へんに羔)という餅菓子で、北京などの北方では餃子が食べられますが、上海ではそういった事はありません。

 この季節は親戚などが集まるシーズンでもありますので、最近では増えた海外移住、居住者も多くのお土産、贈り物を携えて中国本土を訪れ、そうした海外組のお土産が新しい特色的な食べ物になってきているのかもしれません。


 旧正月から15日目、日本の成人の日と同じ様な時期にあるのが「元宵節」ここでは湯圓という餡(具)入りの団子のスープ等を食べます。

 この湯圓はデザート的なものだけでなく、おかず的なものもあり、上海のスーパー等では冷凍食品の定番的食品でもあります。


 旧暦の5月5日は端午節、日本の端午の節句の原型でもありますが、「児童節」が別に存在する中国の場合は本来の邪気払いの意味がメインで、菖蒲を門に貼る習慣の無くなった上海の様な都会でも粽(ちまき)(日本の様な甘い餡子が入ったものだけでなく、豚肉の入ったもの等もあります)を食べます。

 とは言っても、現在では一年中蒸したての粽を軽食の店で売っていたり、冷凍食品や真空パックの粽が家庭向けに売られたりしていて、あまり季節とは関係なく食べられる様になっています。


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 上海の昔ながらのおやつである「五香豆」。甘味料(「甘さ」は上海料理の特長です)と塩で味付けされた物凄く硬い豆ですが、今日では綺麗な包装を施され、贈答用としても販売されています。



 そして今回の話のメインである「中秋節」。

 月餅というと日本では神戸や横浜の中華街のお土産として、油を練りこんだ餡子のカロリー的にも重量的にも重いお菓子ですが、棗(ナツメ)の餡や小豆の餡、塩漬け卵を中に入れた広東風、肉まんに近い肉など色々なものがあります。

 貰う人になるとかなりの量を貰う事になり、毎日三食月餅を食べても食べきれない等という事態も起こりますし、伝統的なタイプで無いものや商品券などの好きな時に引き換えられるもの等の人気が高くなってきています。

 また、時期的に秋の果物が並び始める頃だという事もあって、月餅だけでなく果物もお土産として喜ばれます。

 近郊の農村からやって来る果物売りのスイカと入れ替わりに現れる秋の果物の露天売りも、秋の訪れを実感させるものと言えるかもしれません。


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 日本の肉屋やスーパーの惣菜カウンターを思い起こさせる上海の「鮮肉月餅」売り場。

 日常的に売られている月餅はこうした惣菜・軽食的な肉をメインの具としたものが多いです。

 パイっぽい多層の皮で若干粉っぽく感じますが、その分、スープなどの汁物などとの相性はいいです。



 番外編として「清明節」を最後に紹介します。

 日本で言うとお盆やお彼岸に近い、お墓の掃除や草むしりをしてお墓にお参りする日であると共に、春を迎えてその春を感じに郊外を散策する日という花見的な意味合いも持つ日でもあります。

 この日には他の行事の様に特にこれだという決まった食べ物はありません。


 しかし、この時期は龍井をはじめとする中国茶では重要な節目で、この時期に摘まれた茶葉は高級なものとして珍重されています。

 そうした事もあって、清明節後には茶葉を売る専門店やデパートだけでなく、スーパーやコンビニにまで「龍井新茶」と銘打ったお茶が多く売り出されるのです。


 こうした中国の行事を頭の片隅に入れておくと、上海蟹だけでは無い、思いがけない上海の旬の味に出会えるかもしれませんね。


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