上海街角だより

夏にそなえる上海

 日本と同じで梅雨がある上海では、6月から7月にかけて雨が降り、湿度も上がって鬱陶しい季節になりますが、気温が下手をすると夏並みになる5月あたりから始まった夏にそなえた町の変化が完成する時期でもあります。

 今回はそんな上海の夏を控えた町の様子を紹介したいと思います。


 お店の商品が夏向けに変わるのはどこの国でも見られる光景ですが、上海の場合、それまで売っていた商品と全く関係の無い別の商品に変わったり、全く別のお店になってしまったりすることがある点が日本などとは違います。

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 今の季節、新規開店や改装が多いテイクアウトの飲食店。大きく書かれた文字は「二杯目は半額」と書いてあります。このお店の場合、ピザやワッフルと冷たい飲み物、ソフトクリームがメインですが、同じ様な店構えでも中華風の軽食やデザートを扱うお店もあって、メニューを見るまでどんなお店か分からないこともあります。


 元々、店舗の入れ替わりが激しい上海ですが、そうした流行や経営状況による入れ替わりの他にシーズンによる短期営業が行われることもあるのです。

 収穫した農家がスイカなどの果物を積んだトラックを停めて路上にそれを下ろして販売をする光景は、ある意味上海の夏の風物詩と言っていいものですが、最近ではそうした果物を販売する農家自身や農家と契約をした人などが、店舗の短期リースをして果物の販売をしていることもあるようです。

 逆に閉店売り尽くしセールという形で革製品、毛織物などのお店が閉まったりもします。

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 衣類を扱うお店も当然、夏向きの商品が並びますが、若干先取りなのは日本と同じで、暑い盛りには秋物のディスプレイに変わっていたりします。写真は子供服のお店。自分の服は通販で買っても、子どもの服は実際に見て買えるお店という親も多く、意外なほどあちこちに子供服のお店があります。


 もちろん、そうした短期営業のお店より、ずっと営業を続けている店の方が多いのは当然ですが、そうしたお店でも冬の間は蟹を売っていたお店が果物の販売に商品をガラッと変えたり、アイスや冷たい飲み物を前面に出したりと大きな変化を見せるお店もかなりあります。

 日系のコンビニなどでは最近はソフトクリームの販売を行うところも増えていますが、日本と違いおでんは一年中販売されていて、これは日系、現地系問わずのコンビニの特徴です。「コンビニを見つけたければおでんの匂いを探せばいい」と言われるくらい、上海の町に溶け込んだ商品となっていて、放課後買い食いをする中学生の姿も良く見かけます。


 活動が活発になるのはそうした小売関係だけでなく、旅行・観光関連もそうで、近場から海外まで地下鉄やバス停の広告、ネット広告などの様々な場所で「夏のレジャー、リゾート」という形の、これまで中国で多く見られた人気のある施設や場所をぞろぞろと見に行く観光旅行からのスタイルの変化が起こっているようです。


 上海で人気の高い夏の日本の観光地はやはり北海道と沖縄です。

 特に沖縄は上海からの直行便も出来たことで、下手な中国国内の観光地よりも短い時間で到着出来ることもあって、更に人気が出ているようです。

 また昨年、映画のヒットで注目を集めたタイへの観光旅行もいまだに一定の人気を誇っているようです。マリンリゾートなどを楽しむ中国人も増えていて、これまでの団体でぞろぞろという姿からリッチ層やプチリッチ層を中心に中国人の観光のスタイルも変わりつつあります。

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 果物に関してはすっかりトロピカルな上海。町のあちこちにある地元の果物屋さんでも、並ぶ果物はトロピカルフルーツが多く、特に夏の前後はタイから輸入された果物がこうした果物屋をはじめ、地元系のスーパー、デパ地下などあちこちに並びます。また、乾燥されたものが健康食品として日本でも注目されている羅漢果といった中国ならではの果物も、同じ様に店頭に並んでいて、ちょっとした無国籍状態を作っています。


 さて、こうした大掛かりなものと違い、ちょっとクスっとしてしまうこともある夏を前にした町の変化があります。

 それは犬の毛刈りです。

 日本でも九州などの高温多湿な地域では、皮膚病の対策などもあって飼い犬の毛を夏の間刈ることがありますが、同じ様な緯度の上海でもペットとしての犬の増加に伴いよく見かける光景となってきています。


 顔のまわりはそのまま、体部分だけ大きく刈り込まれた犬の姿は、犬種によってはちょっとどっきりとすることもありますが、慣れると微笑ましい光景です。


 こうした毛刈りはペットショップや獣医などでも行っているところがありますが、飼い主自身が自分でやることもあるようです。

 ちょっと虎刈り風の犬も、それでも毛が減って涼しそうにしています。


 かなりの高温に加えて湿度も高い上海の夏、乗り切るために暮らす人たちだけでなく、町ぐるみで夏にそなえているのです。



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