上海街角だより

上海水事情

 鬱陶しい梅雨は上海でも同じ様に存在していますが、一昔前に比べると梅雨時や台風シーズンなどの雨の多い季節の生活は随分と過ごし易くなっています。

 今回は上海の水事情について紹介します。


 一昔前に比べて雨の多い季節が過ごし易くなった原因は下水道の拡充によるものです。

 北京五輪、上海万博と国家をあげたイベントに際し、上海では地下鉄が路線数、運行エリアともに拡大したのは良く知られていますが、それ以外にも地下の開発は大規模に進められていて、その一つが雨水の処理を含めた下水道の新設、改善だったのです。

 それ以前は雨が降るとあっという間に道路のあちこちが冠水したり、あるいは道路自体が川の様になっていましたが、現在では道路の窪んだ箇所、少し低くなっている場所に水が残ることはあっても、濡れずに済ますのを諦めて水の中を歩くしかない、という状況は無くなっています。


 飲み水は大きく分けると三種類。

 一つは、コンビニ、スーパーなどで売られているミネラルウォーター。

 国産のものと輸入品では三倍から五倍の価格差がありますが、それでも安全なものを、ということで輸入品しか口にしないという人もいます。

 またそうしたミネラルウォーターを更にポット型の浄水器などでろ過して使用している人もいます。

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 スクーターで水を配送する業者。スクーター、自転車、リアカータイプの三輪自転車、更にはそれを電動自転車に改造したものなど、曲芸じみた搭載量で街中を行き来しています。空きボトルの回収を同時に行っていたりしますが、リアカータイプはともかく、それ以外では配達が進めば進むほど完全に重さのバランスが崩れていて、良く運転出来ると感心するほどです。


 二つ目は上海の街中で良く見かける自転車に山盛りのボトルを積んで器用に走るという光景の元ともなっている水の配送業者の水を用いたウォーターサーバー。

 家庭や職場等で一番一般的で、業務用のエレベーターが無いマンションなどでは、この水の業者の水の配送、ボトルの回収にエレベーターが占有されて、なかなかエレベーターが下りてこないなどということもあります。

 三つ目が小区やマンションなどの入り口近くに置かれた浄水の自動販売機。

 空いた大きなボトルを持って機械までやってきて、水が満タンになるのを待っている姿は、そうした浄水の自動販売機を知らない人にしてみると「いったい何をやってるの?」と不思議に思える光景かもしれません。

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 一見日本のお米の自動販売機にも見える浄水の自動販売機。住宅街やマンションの入り口近くなどに設置されていて、住民の生活用水として利用されています。

 ボトルはみんな自前で持ってきて、水をそれに汲んで利用しています。複数の棟で構成されたマンションの場合は管理事務所の側に置かれていることも多く、容器がいっぱいになるまで時間がかかるために、主婦や管理事務所で働く人たちなどで井戸端会議ならぬ浄水自販機端会議が開かれたりもしています。


 一方の上水道は、というと、これまた古い水道管を新しく綺麗なものと交換する工事が進んでおり、既に工事済みのエリアでは以前に比べ綺麗な、少なくとも濁った水でない透明度の高い水が出る様になっています。

 これに加えて住民の安全、健康意識の高まりで浄水器なども一般的に使用されており、元々、上海は水に恵まれた土地で、中国の一部地域、特に西部の様に夏に渇水状態になるということはまず無い土地柄ですが、浄水技術の進歩の恩恵もあって、上水道の水質も大分改善されており、世界水泳を機に一般の人にも注目されるようになったプールなどもこうした水質面での向上が無ければ難しいことであったでしょう。


 プールだけでなく、上海では実は海水浴が出来ます。


 黄河などの土砂の影響などもあって、茶色く濁った水がはっきりと境界線を作っている中国近海の海ですが、こうした海水浴場ではバイオ、ケミカルの技術を用いて、そうした濁った水を綺麗にする処置がされていて、周辺とはっきりと色が異なっています。


 ちょっと郊外に足を伸ばせば水郷として多くの観光客を集める昔ながらの姿を残した観光地があり、小籠包で有名な南翔などもその一つ。こうした水郷は週末などは多くの中国人観光客で溢れていますが、平日ならばかなり余裕があってゆったりと風情を楽しめる状態です。


 近代的なイメージが強い上海ですが、蘇州と杭州という二つの観光地の間にあって、それらに通じる昔ながらの水郷としての風情もまだまだ残っているのです。



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