上海街角だより

先端と伝統の融合

 暦の上では年は明けたとはいえ、中国の場合、本当の意味で年が明けたといえるのは春節以降。

 まだまだ年末的な忙しさが残っている上海ですが、再・再開発が進んでいた新天地では次々と新しいお店がオープンして、上海市民だけでなく春節に上海を訪れる多くの観光客の心も掴もうと様々な工夫をこらしています。


 新天地に限らず、市内のあちこちで進むリノベーション、再開発。

 上海としての特徴はやはり旧租界の建物や古い工場など歴史的な建築物を再利用したスポットです。

 こうした建築物だけでなく、今の中国では最新のものと伝統のある歴史を持ったものと組み合わせが多くのジャンルで行われています。

 今回は、こうした新旧のリミックスについて紹介していきます。


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 一昔前の日本の飲み屋横丁の様な感じの狭い路地に、お洒落なエスニック料理やイタリアンなどのお店が並ぶ光景も上海ならでは。唐突に住宅街の一角に現れたりするので、観光マップなどを手に不安そうに近くを行き来する人も居ます。中には家具などもオールド上海のものを用いた店もあり、そうした空間でゆったりと時間を過ごす人も居ます。



 上海の街角を散策し、雰囲気の良い建物の門柱や外壁にはめられたプレートを見かける事がたびたびあります。

 これは上海市政府の認定した歴史建築物で、有名な人物にゆかりの建物もあれば、知る人ぞ知るといったものも存在していますが、新天地や発電所を再開発した上海当代芸術博物館などの大型のものに限らず、老房子を改装したホテルやレストラン、雑貨店など個人オーナーによりリニューアルされた建物もあり、中には隠れ家的に、普通の路地を抜けた先の民家の並びや老房子の集合住宅の一室を利用したカフェやブティックなども上海の若者の支持を集めています。

 またレストランで出される料理も中華料理の現代風アレンジや、外国料理の要素を取り込んだものなど新しい味が生み出されたりもしています。人気店、老舗でも油断すれば閑古鳥という非常に生存競争の激しい上海の外食産業では、常に挑戦が必要とされているのです。


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 歴史建築物にはこうしたプレートが道に接する部分にはめ込まれています。結婚に際して大量の写真を撮影する上海では、公園などと並んでそうした結婚写真の撮影場所としても人気で、中には撮影中に次のカップルが空き待ちをする様な人気のスポットもあります。



 こうした建物、店舗などとは別の形での伝統と最新技術の融合で、特に中国が力を入れているのが漢方薬およびその有効成分の利用です。

 中国の医療と言うと日本では漢方薬と気功とツボ治療といったイメージですが、煎じて飲む漢方から注射、点滴などへスタイルを変えた新しい漢方治療が中国では進んでいて、旧来の漢方薬の研究や既存の化学・バイオ薬品の代替となる漢方成分主体の薬剤など、国家としても重点的に力を入れている分野でもあり、国際的な特許の出願や、海外との共同研究なども盛んです。

 まだまだ海外からの認知は低いですが、中国国内においてはこうした「新しい漢方薬」の研究とその成果が大きく伝えられているため、中国の人たちにはそれが当たり前のものという認識があり、唐突にそういった話を持ち出されてとまどう外国の人も多いようです。


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 街角の薬局。漢方薬を大きく扱うお店では漢方薬コーナーは他の薬を扱う場所より高級な雰囲気にしているところが多い様です。扱うものも高麗人参や冬虫夏草や霊芝などの日本でも有名なものが多く、冬虫夏草などは自分で使用する他に贈答用としても用いられています。



 最後に一見、何の関わりも無い様に見えるIT/コンピュータ関連。

 ゲームなどの題材はアメリカや日本などから持ち込まれたものも多く見受けられますが、そうしたものと同等かそれ以上に多いのが中国古典の要素を取り込んだものです。

 日本でも馴染みの深い三国志や水滸伝、西遊記などは当然として、テレビドラマの題材としても人気の高い武侠ものや、宮廷ものなどを扱ったゲームも多く存在します。特にオンラインパソコンゲームやスマートフォンのゲームアプリなど、日常でも多くの広告を見かけるほど一般的に広まっています。

 また土産物としても人気の高い中国の陶器を用いたUSBメモリやUSB充電ライター、マウスなども存在しますし、中国では日本以上に一般的なスマートフォン用のケースにも、中国の伝統的な布細工、革細工、あるいは木工、竹細工、籐細工なども存在しています。

 かと思えば伝統的な工芸を3Dプリンターで再現しようとする試みなどもあり、中国の人たちの新しい技術に対する貪欲さを垣間見ることが出来ます。


 わりとありきたりなものになるか無難なものになってしまう中国のお土産、こうした目線で探してみると思わぬ変わったものを見つけることが出来るかもしれません。




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