上海街角だより

美味しい? 美しい? 上海で見る羊

 盛大にあちこちで初五の爆竹が鳴らされ、通りや家の周囲、店の周りなどに撒き散らされた爆竹の赤いゴミが綺麗に片付けられると、仕事や学校も通常モードという流れになり、クリスマスから続いていた上海のお祭りムードもひと段落といった形になります。


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 まだ吊られたままの紅灯が春節の名残を見せる小区の入り口。日本でも有名な豫園などでは一月にわたって多くの紅灯が飾られ、それを見物に多くの観光客や地元民が訪れますが、この季節は夜になるとあちこちに赤い光を目にすることが出来、普段感じる以上の中国的な情緒が見られます。



 今年の干支は羊。

 上海の街中でもあちこちで縁起物やお土産などを見かけることがあります。

 中には本物のウールを使ったぬいぐるみなどもあって、その出来栄えは日本でも人気が出そうなほどです。


 今回はそうした上海における「羊」について紹介したいと思います。


 上海の町、特に下町や路地などでは小吃(中華風おやつ)などを売る屋台が付き物ですが、生煎(焼き小籠包)や包子(中華まん)、焼き芋や焼き栗などと並んで人気の高いものが羊肉の串焼きです。

 独特な香辛料の匂いにつられてついふらふらと覗き込んでしまったり、買ってしまってからその味にビールが欲しくなってしまってコンビニなどに入ったりする観光客も珍しくありません。

 独特な帽子を被った男性が焼きながら売っていることの多いこの串焼き、現代ではイスラム系の少数民族(中国で一番メジャーな食肉である豚肉が戒律で禁止されているため)独特の料理といった位置づけをされています。串焼きの他には羊肉泡馍(ヤンロウパオモ)が有名でしょうか、西安(昔の長安)の名物料理としても知られていますが、上海にも食べられるお店は下町の食堂からレストランまで幅広く存在しています。

 日本人にはジンギスカンなどを除くと馴染みの薄い羊肉ですが、火鍋の具としてもメジャーなので、上海では冷凍された薄切りの羊肉をどこのスーパーに行っても目にすることが出来ます。中国のスーパーで薄切りの冷凍された肉があったら、まず羊肉だと思っていいでしょう。


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 上海でも寒い季節といえば「火鍋」。看板にもある様に羊肉は鍋の主役です。最近では火鍋とお寿司を出す店や、自分でオリジナルのたれを作れるように様々な香辛料や調味料を用意した店など多様性に富んできています。中には「お一人さま」専用の火鍋店などもあります。



 最近はオーストラリアなどからの輸入で冷凍の牛肉も増えてきましたが、それでもまだ羊肉が一般的です。中国でお肉というと豚肉(中華料理のメニューで単純に「肉」とだけ書いてある場合は豚肉だというくらい)と鶏肉(中国の場合、マクドナルドや吉野屋ですら鶏肉を使ったメニューがたくさんあります)に次いで羊肉、その下が牛肉といった感じでしょうか。


 「美」や「義」といった漢字の中に含まれているのを見れば分かるように中国において羊は長い歴史を持つ家畜です。

 「(羊)頭狗肉」という四字熟語にもある様に、羊は素晴らしいもの、美しいものといった意味合いも持っています。


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 お茶屋さんの入り口に飾られた干支の縁起物。一対で飾られることが多く、日本の寺社の狛犬や稲荷の狐と同じ様な感じです。上海の場合、両開きのドアといったものは一般家庭では珍しいので、一対ではない一枚だけのものもあります。爆竹や花火、新年のカレンダーなどと合わせて、この時期の前だけこうした縁起物の露店を開く人も居ます。



 そこに最近では「可愛らしさ」といった要素も加わっています。

 中国オリジナルのアニメキャラクター「喜羊羊(シーヤンヤン)」です。

 「シーヤンヤンと灰色おおかみ」というタイトルで日本でもDVDなどといった形で発売されているこのキャラクターは、贋物のグッズが登場するほどの爆発的人気を集めており、春節に限らず年中あちこちで見かける事が出来ます。

 そんな「喜羊羊」が干支を描いた紙製のドアなどに貼る春節の縁起物としても今年は登場していて、昔ながらの伝統的な紙細工などをしのぐ勢いであちこちに貼られています。


 あまりに広まり過ぎてその内、今の中国の子どもたちが大きくなった頃には「可愛くて羊は食べられない」なんて言う若者が増えたりするかもしれません。




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