上海街角だより

上海ビール事情

 中国のお酒といえば紹興酒に白酒から始まって内モンゴルの馬乳酒、花の香りを移した酒や薬草を漬け込んだ酒など実に多くのバリエーションがあります。最近では若い人たちを中心にワインなども人気が高まっていますが、そうした様々なお酒を抑えてポピュラーなお酒といえばやはりビール。特にこれから夏にかけては冷たいビールが良く飲まれています。

 今回はそんな上海のビール事情について紹介していきます。


 中国のビールは日本人から見るとともかく安いです。

 同容量のジュースやミネラルウォーターより安いことも多々あり、財布と相談しつつ本数を抑えている日本のお父さんたちには羨ましい環境と言えるかもしれません。

 中国のビールというと日本人に馴染みがあるのは青島ビールですが、上海は旧租界地ということもあって長い歴史を持つバーやビアハウスが市内のあちこちに存在しています。また元々欧米人の利用が多い旧租界のアイリッシュバーなどでは欧州のサッカーの試合を流すところが多かったのですが、サッカーだけでなくバスケットボール、中国で一定の人気を持つビリヤードなどの試合をテレビで流すスポーツバーなどでもビールが主に飲まれています。


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 旧租界のバー、場所柄欧米人の姿が多く見られ、ビールの主流もヨーロッパの銘柄です。サッカーのワールドカップやオリンピックなど、国際的なスポーツイベントが行われている時は夜通しビールを飲みながらテレビ観戦に一喜一憂し、時にはお祭り騒ぎになることもあります。


 こうしたお店で出されるビールは欧州、アメリカのビールが多く、そうしたビールメーカーから提供されるテーブルや椅子を置いた店なども良く見かけます。昔は欧州産のビールはロシア経由などで輸入されることも多く、割高なことから安価な中国産ビールなど複数の銘柄を置いていることもありましたが、中国現地生産や直輸入などが増えたこともあって一つのお店で一つのメーカーという形になってきているようです。

 日本のビールメーカーも一般的でコンビニなどでは中国のメーカーより広い棚面積を確保していることも珍しくなく、また色々あっても一定の人気を持つ日本料理店、回転寿司などでも提供されていて上海の普通の人たちにも良く知られています。

 中国産のビールはコンビニでは日本のビールに押される例も見られますが、スーパーなどでは主役です。ビールというと夏の飲み物といったイメージですが、中国では冬の定番とも言える火鍋のお供としてもビールの人気が高く、辛い火鍋をつついてビールをガブガブ飲んでとかなりの消費を見せます。

 こうした欧米、日本、中国メーカーの三つ巴のシェア争いの中、少しずつ見かけるようになってきたのが、タイ、ベトナム、インドなどのアジア系ビールです。これはこうした国の料理を扱うお店が増えただけでなく、例えばタイの場合は上海で消費される果物のかなりの割合がタイからの輸入品といった、そうした国々との貿易量の増大も関係しているようです。


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 スーパーのビール棚。一昔前はぬるいビールがレストランなどでも出されていた中国ですが、電力供給の安定と冷蔵庫の普及、そしてコンビニの進出などで「冷たいビール」が一般化、夏場は商品が売れるペースも速いので、気をつけないとまだ冷えていない棚入れ直後のビールを買ってしまうこともあります。中国の場合、日本と違って、コンビニで酒類を扱うのに制限はないため、どこのコンビニに入ってもビールを買うことが出来ます。家飲みの途中で追加分を買いに赤い顔で何本も買っていく人も夕方以降はたまに見かけます。


 また欧州系でもイギリス、ドイツなど昔から見かける国のビールだけでなく、最近ではベルギービールも輸入食品スーパーなどを中心に少しずつ一般化してきています。ワインなどを消費する層とも重なった「豊かな」「お洒落な」生活を好むプチ富裕層の増加も消費の多様化に影響を与えています。

 外灘の浦東の夜景を楽しめるお洒落なバーで、旧租界のオープンテラスで、小区の路地に出した椅子とテーブルで、今年の夏も市内のあちこちで大量のビールが消費されることでしょう。

 そこでどんなビールが飲まれているのか、そんなところにも上海、そして中国の「今」が垣間見られます。ちょっと気にしてみると面白い発見があるかもしれません。




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