上海街角だより

上海の道行く人々

 中国、上海に初めて訪れる日本の方から良く聞くのが「思ってたのと違って自転車がそれほど多く無いのですね」というセリフ。

 テレビなどの映像で見た一昔前の北京の朝の光景などの印象が多くの日本人の中に残っているのだなと感じさせられます。


 今回はそうした上海の道を行き交う新しい、あるいは昔ながらの街の人々のスタイルについて紹介していきます。


 中国の通勤、通学風景として印象強い自転車に替わって市民の足の主流となっているのは電動自転車と電動スクーターです。


 電動自転車は日本の50CCスクーターなどが「原動機付き自転車」と呼ばれていたことを思い起こさせる感じで、自転車にモーターとバッテリーと制御機器を付けたほとんど自転車に近いスタイルから、スクーターに近いものまで実に幅広いスタイルのものが走っています。

 電動自転車は自転車扱い、電動スクーターはバイク扱いと別物なのですが、ちらっと見ただけではどちらか区別がつきづらくなっています。電動自転車の場合、足で漕ぐことも出来るのでペダルが付いていれば電動自転車と言えるのですが、ペダルが取り外せるスクーターに近い形状のものもあるので余計区別が付き難いのです。


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 上海市内の道路は一方通行の道が多く車では遠回りになる場所も多くあります。これが市内で一般の足としてだけでなく業務用のバイク、スクーターを多く見る理由です。地下鉄駅出口近辺などではバイクやスクーター、三輪バイクのタクシーの姿も見受けられます。


 また、普通の自転車を電動自転車に改造するツールなども普通に販売されているため、一見普通のマウンテンバイクや折りたたみ自転車に見えても実は電動自転車という逆のパターンもあります。


 最近になって増えてきているのは電動キックボードです。

 以前からたまに見かけることはありましたが、高価な輸入品が主で通勤・通学の足というより遊びの感覚の人が多かったのですが、最近になって比較的安い価格の国産のものが多く出回ることになって、通勤などの日常の足に使われるようになっています。


 モーターの付いていないキックボードは、三輪車などに乗る年代の小さな子供が乗っている姿を良く見ます。

 これは自分で路面を蹴って遊ぶこともありますが、親や祖父母などがどこかに連れて行く時に乗せ、押したり引っ張ったりして子供にしてみるとかなり楽な状態で、嬉しそうにしたりはしゃいだりこともあります。

 単純に子供を喜ばせるためにそうやっているケースもありますが、大人に比べると歩くのが遅く、突発的に気を引かれたものに近寄ったりしてはぐれたりする子供を、安全に目的の場所まで連れて行く手段としていることも多いのです。そうした際、座った状態の三輪車や自転車などより、立った状態のキックボードの方が押したり引いたりするのに大人の側が腰をかがめたりといった無理な姿勢が要らない点が急速に幼児向けキックボードが普及した理由のようです。


 こうしたものと比べると数は減るものの、目にした際のインパクトでは一際なのが電動一輪車。

 セグウェイなどの技術の延長線上のもので、自転車などに乗れる人なら多少の練習で乗れるようになります。

 乗っている姿は歩道などからは足元が見えず、直立した人間がそのままの姿勢でかなりのスピードで動いていくので、街を歩く人だけでなく車に乗っている人まで「え、なに?」と驚いたりしています。

 慣れるとかなり自由に動け、信号や目的地などではさっと下りてそのまま持って歩いたりとスマートで、実際に使用している人は少し得意げな様子ですが、ブレーキなどは存在しないため咄嗟のアクシデントには弱い乗り物でもあります。

 スケボー、ローラースケートなどと同じように「遊び」として公園で乗っている人もいますが、そちらの方が向いているものでしょう。


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 日中は絶えず目にすると言っていい水の配達(と空きボトルの回収)も自転車から写真の様なスクーターへと比重が移りつつあります。また三輪の大きな荷台の付いた自転車も現在では電動に改造されたものが多くなっています。


 こうしたある意味世界的な流れを先取りした電動のパーソナルビークルが主流となっている今の上海でも、やはり昔ながらの自転車も現役で、トラックの荷台でも溢れるのでは無いかというくらいの山盛りの藤家具を積んで器用に街中を走る姿も、薬缶の蓋に紐で金具をくくりつけてカラカラと鳴らしながら廃品回収をする姿もまた日常なのです。


 変わらない部分を残しつつも驚くほど速いペースで変化していく上海。

 ちょっと公園やオープンカフェなどで一休みしつつ、道を行き交う人々を見ているだけでもそれを感じ取ることが出来ます。

 一年後の上海の道はどうなっているのか?

 想像するのが簡単そうで、それでいて非常に難しい予想です。




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