上海街角だより

観光地としての上海

 国慶節に突入し、日本でも中国人の「爆買い」対応に追われる量販店などが見られますが、国外に行く人だけでなく、里帰りや国内観光する人など、中国国内でも民族大移動といえるほど大きな人の流れが発生します。


 中国人の「爆買い」は今では国外観光での光景ですが、一昔前は国内観光での定番でした。バスツアーで上海を訪れた観光客が、バスの後部窓が完全に塞がってしまうほどの買い物をして、それでもまだ買い足りない様子であちこちのお店に出入りしている姿をよく見かけたものです。


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 上海中心部にある旧フランス租界や、北部にある旧・日本租界なども人気の観光スポット。ヨーロッパ建築の残るフランス租界、西洋風と東洋風のミックスされた独特の建物が見られる旧・日本租界。周囲の喧騒から離れた隠れ家的なレストランやカフェなどもあり、観光の合間の一休みにも向いています。


 現在ではスマートフォンの普及とネット通販の発達により、中国国内どこでも同じような商品を手に入れられるようになりました。そのため、国内旅行では爆買いも珍しくなりましたが、その分が海外での買い物へと移っています。日本人からすると「え?」と思ってしまうことですが、中国の人はただの知り合いでも、海外に行くと聞けば「これでカメラを買ってきて」「パソコンを買ってきて」と大金を渡して頼んだりします。そのため、どうしても爆買いになってしまうのです。


 このように国外への旅行が目立つ今の中国ですが、それでも国内観光は一定の人気があり、上海から中国の他のエリアへ旅行する人や、逆に上海を訪れる人もいます。


 そこで今回は、観光都市としての上海にスポットを当てて紹介します。


 実は、上海観光の目玉は現時点では完成していません。

 今後の上海観光において中核になる存在、それは上海ディズニーランドです。

 すでに株式市場でも関連銘柄の価格を押し上げる力を見せている、中国本土初のディズニーランド。小売・観光・商業不動産・ホテル・交通など波及する分野も幅広いです。建設予定地周辺の不動産価格はすでに高騰しており、値崩れする不動産が中国各地で見られる中、その力強さには注目が集まっています。


 上海ディズニーランドの誘致に関して上海サイドが自信をつけた出来事の一つが、上海万博です。万博でのスタッフやボランティアなどの仕事ぶりは、ディズニーサイドのキャストへの要求を満たすものと評価されました。

 上海万博で建設された多くのテーマ館は取り壊され、万博跡地はビジネスと居住が融合した総合スペースへと変わりつつありますが、生き残った建物もいくつか存在し、観光客の目を惹き付けています。


 旧イタリア館は、イタリアセンターとしてイタリアの文化・産業を紹介するスポットとなっています。イタリアの芸術作品やそのレプリカ、フェラーリやブルガリなどの有名ブランドの商品などが展示されており、デザイン家具なども紹介されています。

 上海万博のシンボルともいえる旧中国館は、中華芸術宮として中国近代~現代の芸術を展示しています。こちらはネット予約のみで当日チケットはありませんが、ツアーコースに組み入れられたりもしています。非常に中国らしい建物ですので、中には入らず写真を撮るだけの人も多いです。


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 市内の至る所で見られる地下鉄駅への案内看板。地下鉄の整備や延長も上海での自由観光を促進する要素のひとつです。

 バス、タクシーなどでも使用できる交通カードを使えば、面倒な小銭の支払いとも無縁な旅行ができます。


 他にも上海当代芸術博物館、上海喜瑪拉雅美術館など美術館が多く存在するのがこのエリアです。メルセデス・ベンツ・ホールもあり、大舞台、博物館などがある人民広場に次ぐ、上海の芸術・文化の中核でもあります。


 浦東、黄浦江周辺のリノベーションスポット、そして万博跡地と、次々と開発が進む上海ですが、それでもショッピングなどの中核は外灘・豫園から人民広場にかけた南京路周辺です。

 豫園は上海観光の定番スポットで、周辺には多くの土産物店が並び観光客を引き寄せています。周辺の福佑門小商品市場、福都商廈、上海福民街小商品市場、福源商厦などは、雑多なマーケットをビルに押し込めたようなショッピングセンターで、上海で暮らす人たちもお買い得品を求めて訪れる人気のショッピングスポットです。

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 万博開催当時の中華芸術宮(旧・中国館)。上海万博では多くのボランティアがその運営に参加しました。そこで自分たちがやり遂げた、高い評価を受けたという自信が、市民主導のスポーツイベントなど、市民や市のさまざまな活動へと影響を与えています。


 南京路は上海の中心部にあり、多くのデパート、ファッションビル、レストランなどが並ぶ平日でも人通りの多いエリアです。南京路を南に一本移動した福州路は、文具・書籍などを扱うお店が多く、海外からの観光客にも魅力的です。


 上海のシンボルとして思い浮かぶのは東方明珠塔ですが、新たなシンボルともいえる上海センタービルが建ち、その周辺の開発も進んでいる浦東も観光客の定番スポットです。日本では耐震基準の関係で建てられないようなビルも見られます。巨大な建物が多いために距離感が狂う場所でもあり、近くに見えたので歩いて行こうとしてもなかなか辿り着かない、と後になれば笑える上海観光のエピソードが生まれる場所でもあります。


 古いものを残しつつ、常に代謝を続ける上海では、次々と観光客を惹き付けるスポットが誕生しているのです。




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