上海街角だより

上海で見かける中華風アレンジ

 日本人は国外から入ったものを自分たちに合うように色々と変化させるのが得意、とよく言われますが、中国の人たちもそうしたアレンジ、自国文化への取り込みが得意です。

 一例を挙げれば、日本でも普通に使われるようになっている「電脳」という言葉。

 コンピュータの中国語訳として作られた比較的歴史の浅い造語です。

 IT・経済関連は、新しい概念や知識が欧米から直接入ってくることが多い分野ですが、一回消化した上で中国語として理解しやすい言葉にしている例も多く見られます。外来語をそのまま用いるのではなく、概念をきちんと理解して適切な新しい中国語として取り込んでいることが、中国語での学習や研究の底上げに繋がっていると思われます。

 また、上海のお土産として人気の高い「シノワズリ」。

 「シノワズリ」とは、もともとはヨーロッパで流行した中国の文化で、西洋のものを中国ならではの素材で加工したものや、現代的な日用品に中華テイストを入れたものもあります。

 こうした中華風アレンジで、上海に暮らしていると注意しないと気付かないのが「食」に関するアレンジです。

 例えば近年、上海でも日本の讃岐うどんのお店が進出していますが、メニューにはオーソドックスな和風のものと同程度かそれ以上の比率で中国ならではのアレンジが行われたものが並んでいます。


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 デパ地下や駅中は上海でも「食」に敏感なスポット。写真はデパート地下に出店した日本のうどん店ですが、メニューの半数以上は中華風。また丼ものもかなりの種類があります。マクドナルドや吉野家では鶏肉を扱ったメニューが多いなど、メニューの多様化とサイドメニューの充実が中国進出には重要な要素のようです。


 ひき肉と唐辛子に香菜がのった四川風坦々麺のようなものや、中国で広く受け入れられてきている豚骨ラーメンのスープにうどんが入ったもの、お茶で煮た玉子(中国では馴染みの深い、地元系のコンビニでも見られる煮玉子)が入っているもの、などよくよく見れば日本のうどんとは全くの別物です。

 中国の人が日本のラーメンのことを「もとは中国かもしれないが、あれは日本の料理」と言うのに近い気持ちを、こうしたうどんを見たり食べたりした人は感じるかもしれません。

 また、寿司に関しては、回転寿司だけでなく高級な和食店やコンビニで売られている寿司でも、中華風アレンジがなされたものが多く見られます。中国では巻き寿司の人気が高いですが、サーモンをロールケーキ状に巻いたものに魚の卵をまぶし、更にキャラメルソースをかけたものなど、オリジナルのものも多く見受けられます。

 「衣」に関するアレンジでも、「エコ」意識の広まりやプチ富裕層の増加に伴うライフスタイルの変化により、天然素材やゆったりとしたデザインの服が受け入れられるようになり、中国の伝統的な服と欧米発信の「生成り、ナチュラルスタイル」が組み合わさった服が女性向けを中心に見られるようになってきています。また、日本から入ったアニメ、ゲームなどのコスプレも、もともと伝統服を扱っていたお店が取り扱ったり、それが逆にチャイナドレスなどにフィードバックされたり、と中国ならではの様相を見せています。


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 中華のテイクアウト飲み物の定番とも言えるタピオカミルクティーも、日本の抹茶味のものなどが売られています。飲料だけでなく、スイーツやお菓子などでも抹茶味、抹茶風味の人気は高く「こんなものの抹茶味まであるの?」と日本人が驚くような商品も販売されています。


 「住」に関しては、上海は中国のなかでも中華風アレンジの先駆的存在で、旧日本租界などでは西洋風建築をベースに東洋風のアレンジ(瓦、窓など)が施された建物が残っています。また、浦西のリノベーションでも西洋風建築を現代の中国のテイストを入れてリフォームしたお店などが多く存在します。

 これからもこうした流れは益々加速し、上海の街中に「中華風にアレンジされた見慣れたもの」がどんどんと増えて、中国独自の現代が日常となっていくのではないでしょうか。

 そんな流れに注目して、街中の色々なものを見てみるのも面白いかもしれませんね。




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