上海街角だより

年末商戦 in 上海

 日本でも年末年始に向け百貨店や商店街などが賑やかになってくる季節ですが、上海の場合、年末商戦ののろしはまずネット上で上がります。

 双十一(11月11日)、もともとは「1」だらけの「独身の日」として学生などがネットで盛り上がったり、キャンパスでイベントを開いたりしていた日ですが、淘宝(タオバオ)などのアリババ・グループが「自分たちの日だ!」と特典や安売りを大々的に行って認知度を高め、他の通販業者もそれに追随する形で競い合い、現在では日本でも驚きをもってその規模が報道されるほどの中国全体のイベントとなりました。

 もともと11月は、10月の新学期、9-10月の新社会人スタートに対応した商戦と、里帰りのお土産や新年に新しい物をという買い換えの需要が発生する春節(旧正月)前の商戦の谷間ということで商売的には落ち込むシーズンだったのですが、この11月11日というネット通販の一大イベントの誕生で、ここから春節までノンストップの商戦という形になってしまいました。

 11月11日は既に中国国民にとっては「当たり前」のことになり、この日に備えてあらかじめ欲しいものをネット通販サイトで色々と見繕い、事前にカートに入れておくのはごく普通のことですし、普段の通販利用でも「これは双十一まで待って買おう」などと年間を通じて意識する日となっています。

 双十一に次いで淘宝が周知しようとしているのは双十二(12月12日)です。

 双十一は中国国内で定着しましたが、ネット通販のイベントとしての定着で最近では京東などの他のネット通販企業なども大きな売上を上げており、「BtoCの雄」としての淘宝の自負もあり、2012年から始まったこの双十二も徐々に大きなものとなっています。


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 オフィスビルやショッピングモールは11月前後からクリスマスムードとなります。クリスマスが終わると春節の赤と金の飾りつけに。午年にはクリスマス用のトナカイの角を外して春節に流用しているデパートなどもありました。


 ここまではネット中心のイベントですが、その後はクリスマス商戦です。

 上海にはいくつも大きな教会が存在しますが、上海のクリスマスはどちらかというと日本の商業化された宗教性の薄いクリスマスに近いものです。

 デパート、ショッピングモールなどはクリスマスの飾りつけで溢れ、オフィスビル、マンションなどでも入り口や共用スペースなどにツリーやリースが飾られたりしています。


 レストラン、ホテルなどでは恋人向けのイベントを用意したりと、サービス業でもクリスマスを意識したビジネスを行っていますし、旅行・観光でも国内外のクリスマスがらみのツアーを企画したり、アパレル・玩具・スポーツ用品なども「子供向け」にクリスマス展開をしたりと逞しい商魂を見せています。

 その後は年末年始です。中国の場合、旧暦の正月である「春節」の方がメインではありますが、上海は外国人が多いこともあって、年末のカウントダウンや年明けの花火、年越しイベントを行う店などもかなり存在していて、一定の盛り上がりを見せています。

 特に旧フランス租界などのバーでは多くの外国人が年越しを外で過ごし、近年では地元の若者などもこれに混じって楽しんだり、騒いだりしています。

 音楽、映画などもこの年末年始に大きな動きを見せ、新作、大作が公開されたり、海外のアーティストなどが上海でコンサートを開いたりする機会も増えています。

 こうした年末商戦の締めは、春節前の商戦です。

 昔は春節となるとバスの後部が荷物で完全に埋まった状態の長距離バスが地方へと出発する姿が上海ではよく見られたものですが、通販サイトの拡充と多様化で抱えきれないほどの荷物を持っての里帰りというのはかえって珍しい光景となっています。

 その分、贈り物やお土産での需要を見込んだネット商戦は激しいものとなっており、価格だけでなく付加サービスでも競い合い、これに伴って配送業者は事業者サイド、一般客サイドからの要望のサンドイッチで質・量での向上が必須になるなど、他の業種を巻き込んだ動きにも繋がっています。

 また、中国経済の発展に伴い、春節を故郷ではなく海外で過ごすという人も増えていて、こうした富裕層・プチ富裕層などの影響を受けたその下の層では「海外は無理でも国内の観光地に」などという動きも発生するなど、旅行・観光業にとっても春節は大きなビジネスチャンスです。

 上海ディズニーランドが開園すれば、こうした国内旅行層にとって上海が大きな魅力を持つことになるのは間違いなく、「春節になると地方に皆が帰るので人が減る」と言われる上海の春節に、普段以上の人が溢れることになるのかもしれません。




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