上海街角だより

上海の個人商店

 上海の街角では、毎朝の通勤時、特に冬場はギョッとするような光景をよく見かけます。

 檻の中にギュウギュウに詰められた鴨や、たらいから溢れんばかりの生きた蟹、スクーターを荷台にして無造作に置かれた豚の半身などが唐突に現れたりして刺激的です。

 ネットの進化により、中国全土を相手に商売を行う個人商店が登場する一方で、地域の生活に密着して商品を提供する個人商店も増えています。

 今回は、地元に密着して商品を提供するお店を紹介します。


 ここ数年増えているのが、内装に全く手をかけず、むき出しの壁と床のまま、棚だけを作って商品を提供している「産地直送」系の八百屋です。

 以前は市場の中や路上でトラックなどに積まれ売られていたものが、今では間口は狭くても店舗を構えて販売されるようになり、朝夕は特に多くのお客を集めています。

 今年の冬には、同じようなスタイルで内装に全く手をかけずに、魚介類や肉などの販売を行う店も出てきました。


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 どこからどこまでがそのお店の商品なのか分からないほど、道路に広げられた肉や魚。干物が目立ちますが、生の魚やエビなども売られています。

 時にはこうした並びにちゃっかりと露店を出して商売をする人などもいて、なかなか賑やかな光景となっています。


 以前から冬場になると、蟹や魚、エビなどが路上やなぜか果物屋で販売されている光景を見かけることはありましたが、それだけを独立した店舗で売るというのはまだまだ珍しい光景です。

 冷蔵設備などは全くありませんので、おそらくは冬場のみの営業となるのでしょうが、日本人の目から見ると衛生面で少し不安を感じます。

 それでも地元の人は、野菜と同様に朝夕と多くの人が買いに訪れており、店先の歩道が通行困難になっていることも珍しくありません。

 いつ頃まで営業をして、その後は何になるのかなども興味深いです。


 こうした食材のお店には、料理店で働く人などが買い物に来ている姿も見られますが、上海ではそうした飲食店の争いも熾烈です。

 店舗の入れ替わりが非常に激しく、新装開店の隣で内装工事が進み、更に新しい店ができようとしている、などということもよくあります。

 その一方で、地元にすっかりと根付いて長年にわたって営業を続け、毎日多くのお客を集めているお店もまた存在します。


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 上海の小吃(軽食)の代表と言える「生煎」。大量に焼き上げられたものがあっという間に売れ、出来上がりを待つ人がいつの間にか列になっているということもあります。

 最近では焼き餃子を一緒の鍋で焼いて提供するお店も出ています。


 中国では、朝食は自宅で作らずに外で食べたり、外で買ったものをそのまま食べたりすることが多いです。クレープのようにその場で見事な手際で焼かれる葱餅や、粥と油条、日本の中華街でも「焼き小籠包」として販売されている生煎などが売られています。小さな露店から大きな店まで、人々の生活にすっかり密着しています。そのため、そうした店が国慶節や春節などに長期休業をすると、休暇の貼り紙を見て「困ったな、どうしよう」と考え込む人の姿も見られます。


 このように地元に密着したお店が、大資本のフランチャイズチェーンを駆逐するということも珍しくないのが上海です。

 時には同じ中国の人たちからも警戒されてしまうほど、上海では商売に熱心な人が多いです。それが最も端的に現れているのが、街中で見かける個人商店かもしれません。

 

 繁華街の大通りだけを歩いていると気がつかない、そんな上海の今がここにあります。




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