上海街角だより

上海市内の樹木

 梅の季節が過ぎ、桜も散り、桃の花も盛りを終えると、青々とした葉が茂る新緑の季節がやってきます。

 この時期は駐在員が入れ替わる企業なども多く、そうしてやってきた人の中には花粉症の苦しみから解放されてほっとしている人もいます。上海に限らず、中国には杉がまとまって植えられている場所が少ないため、杉の花粉が大量に飛来するということが無いのです。

 このような話をすると、「杉に限らず木があまり無いからでは?」と思う日本人の方も多いのではないでしょうか。浦東などのイメージもあって、植物が身近に無いように思える上海ですが、市内を歩くと意外とさまざまな場所で木々を見かけます。

 今回は、そんな上海の街中の木々についてご紹介します。

 上海で樹木と言えば真っ先に思い浮かぶのは、旧フランス租界の街路樹でしょう。

 今の季節はプラタナスの葉が生い茂っています。これからの季節、時には30度を越える日中には、涼しい木陰でテーブルや椅子を持ち出して午後のひと時をのんびりと過ごしたり、トランプやマージャンなどに興じたりするお年寄りの姿も見かけます。


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 日本人がイメージする中国らしい木のある風景も依然として残されています。観光地として有名な豫園だけでなく、仏教・道教の寺院や、地下鉄の整備などで一層身近になった近郊の水郷などでも昔ながらの中国の雰囲気を味わえます。

 浦東などに代表される近代的なビル群、外灘・旧租界など近代建築が残された空間、そして中国の伝統的な絵画などで日本人にも親しまれた光景。徒歩で移動できる範囲でそうした光景を一度に楽しむことができるのも、上海の特徴のひとつです。


 学校などの教育関連施設では、桃の木をよく見かけます。

 日本で桜の花が愛されるように、中国では桃の花が多くの人から愛されています。

 元々は神仙思想の不老長寿の木として縁起が良いとされている桃の木には、邪気を払う力を持つという言い伝えもあります(桃の木剣が道士の武器として出てくる小説やドラマなどもあります)。多くの子供たちが集う学校に植えられているのは、健やかな成長を願ってのことかもしれません。

 姿はあまり気にされることはありませんが、秋口になると香りで存在を主張するのは、金木犀です。マンションの敷地や小区、旧租界に点在して残っている旧宅の庭などに植えられていて、その香りで人々を楽しませています。

 実の成る樹木も金木犀と同じように小規模な場所に点在して植えられています。日本でもよくある柿や枇杷などの他に、ザクロの木なども比較的よく見かけます。利益を生む木として、増改築などの際にも残されてきた寿命の長い木などもありますが、「勝手に採っていった!」などと喧嘩の原因になるケースもあるようです。


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 当社上海事務所に隣接する戦前の建物を生かしたホテルの庭。ところどころに置かれた奇岩が中国らしさを主張していますが、西洋式の庭園のスタイルを残した光景も市内のあちこちに残されていて、宿泊利用者だけでなく近隣の住民などにも親しまれています。


 また、マンションやホテルなどでは、リゾート感や高級感を演出するためなのか、フェニックスが植えられていることも多々あります。

 世界的なIT企業などの影響を受けてか、アメリカ西海岸風の樹木を入口周辺に植えたオフィスビルや企業本社なども存在します。

 急騰する住宅用不動産に対して、それなりの上昇は見せつつも上海センタービルの完成などで更に競争が激化している商業不動産市場では、そうしたイメージによる付加価値作りも生き残り戦略の一つなのかもしれません。




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