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【中国株レポート】 中国工商銀行(ICBC、01398)

08.07.23

中国最大の商業銀行

総資産で中国最大の商業銀行。07年末の総資産残高は8兆6,837億元に達した。不良債権比率(融資残高に占める不良債権の割合)は07年末で2.74%であり、近年、低下傾向を辿っている。また、不良債権に対する引当準備金の比率は07年末で103.5%に達しており、引当準備金残高が不良債権を上回る状況だ。07年末の自己資本比率も13.09%と十分に高い水準といえよう。

07年末の融資残高は4兆732億元、国債と中国人民銀行債などの国債に準ずる債券の保有が2兆740億元で、総資産に占める比率は各々46.9%、23.9%である。融資の内訳は法人向けが71.6%、個人向けが18.4%、海外向けが3.8%、その他が6.2%であり、法人向け融資が主体といえよう。法人向け融資は電力・インフラ関連など安定した融資先のウェイトが高い。

08年上期業績は好調で、前年比50%以上の増益に

7月、会社側は08年上半期の純利益が前年同期比50%以上増加するとの見通し(中国会計基準、未監査)を発表し、好業績を維持している事が確認された。純金利収入(金利収入―金利費用)や手数料収入が好調な伸びを維持し、税率の低下も寄与した。香港に上場する中国本土の銀行のトップを切って上半期業績の発表を行ったことは、先行きに対する経営陣の自信を示すものだろう。四川大地震の影響もあったはずで、その影響を除けば、実勢はもっと強かったということが言えそうだ。

08年通年の純金利収入も2ケタ増の見通し

収益拡大を支えているのは、融資の伸びに支えられた純金利収入の好調な伸びで、08年上期の純金利収入は前年比32%以上の増加だったとみられ、通年では同24%増が予想される。また、08年通年の人民元建ての融資残高は前年比10%増を予想している。ちなみに、上半期の融資は引き続き電力、エネルギー、鉄道向けがけん引役となった一方、一般的に融資リスクが高いと見られている商業不動産向けと中小企業向けは新規の融資が抑えられたようだ。また、元高などで経営環境が厳しい輸出産業向け融資も全融資残高の2%程度に止まっているもよう。

中国人民銀行(中央銀行)の金融引き締めで資金需給が逼迫気味となる中、中国工商銀行は他行と同様に、貸出金利の上昇という恩恵を享受している。08年4~6月もこうした貸出金利の上昇が続いたようだ。

預貸率が低く、金融引き締めの影響は限定的

中国の金融引き締めは、銀行が集めた預金のうち融資や債券運用に回さず、中央銀行に準備金として預ける割合、すなわち預金準備率を引き上げるという手段で主に行われている。6月も1.0%の預金準備率の引き上げが行われ、現在は17.5%と過去最高の水準にある。しかし、中国工商銀行の人民元建ての融資残高が預金残高に占める割合、つまり、預貸率は59.4%(2007年通年の平均ベース)で、それだけ融資にまわしていない資金、簡単に言えば、余っている余剰資金が多い。このため、預金準備率を引き上げられても、余剰資金の一部を中央銀行に準備金として積み立てるだけであるため、実際の融資業務に支障をきたしているわけではない。しかも、市場全体では資金需給が逼迫に向かうため、前述のように、貸出金利の上昇で、利ざやは拡大に向かいやすい。

低下が続く不良債権比率

不良債権比率の低下も継続している。不良債権比率は07年末の2.74%から08年3月末には2.51%に低下し、6月末には2.45%程度へさらに改善したようだ。1999年以降に行われた融資の不良債権比率は1.97%に止まっており、今後も不良債権比率は低下を続ける可能性が高いだろう。中小企業向けの融資においても、不良債権比率は07年末の0.78%から08年5月末の0.75%へ小幅改善している。

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